モンスターU子の嘘

越智月子著　　小学館　2012年１月30日初版

帯に寝食忘れて読んだとか、すごい小説だった！　U子は一流の悪女だ！！　などという文字が並び興味をそそられた。

う～～ん、小説というよりはコミックみたいな感じ。　牧美也子さんだっけ？　彼女の絵でコミックにしてほしい（笑）
つまり、そんな軽いタッチの本だったということ。
もっと辛気臭いのかと思っていたらスイスイ読めました。

でもね、非常に座りが悪い、、、落ち着きが悪い。　著者の名前が越智月子（おちつきこ）ってのはギャグかと思ってしまう。

それにしても『悪女』って計算してできる・・・なれるものなんだろうか？
私はこのモンスターU子が悪女とは思えなかった。
希代の詐欺師、嘘つき女、という感想で、しかも彼女自身それを計算ずくでやっているのではなく、その時その時においては自分でも嘘と真実の境がつかなくなってしまうタイプなんじゃないかと。

嘘をついていると思うとどこかでその嘘に自分で怯えるものだけど、自分で嘘をついている感覚がないので堂々としていられる、というような。　希代というより天性のものなのか？

ただねぇ、面白かったのはこのU子を始め、物語に出てくる人物のモデル探し。
政治の黒幕、歴代人気一番の総理大臣、怪しげな宗教家、その宗教に入れこんだあげくに仲間とたもとを分かつロックグループのメンバー。　小生意気が売りだった女優、二世タレントでグループサウンズから俳優、司会業もこなす軽妙なタレント。

U子にからめ捕られる銀行員。。。

みんなあの人がモデルだろうなと思わせる。
ものすごい嫌味な女だけれど、気がついたらがんじがらめになる、、、ってそんな人、本当にいるのかな？
少なくとも、私は嫌だと思ったら絶対に近づかないから魔の手からは逃れられる自信あり。
（同性にはねww。　相手が異性だとダメやろな）

あっという間に読めるので、これは私むき（笑）