ひそむもの。

人間、目から入る情報が70％とか。
そのせいか、なんなのか、昼間にはそんなに感じない花の香りが、夜のウォーキング時にはとてもよく香る。

くちなしや金木犀や、柊みたいないかにもひけらかすよな高く香る花でなくても、闇の中ではどうしてこうも濃く香るのだろう。

今、いつもの公園につつじが咲きかけている。
まだ、そんなに開いていないのに、夜にはとても香る。

同じ公園を昼間に通るときには、多分、そこで遊んでいる小さな子供たちや、周りの景色、行きかう人々、車・・・そんな目に入るものに気を取られているからだろうか？
闇に包まれて、目から入るものが隠された途端に、ひっそり咲き出した花の香りや、若葉の匂いがとてもはっきりと分かる。

電力不足とは無縁の関西だが、私は、夜は夜らしく暗くある・・・これでいいと思う。
多分、忘れていたこういうかすかな香りなんかを思い出させて見つけることもできるし、明るさに追いやられた『妖』もどこかで復活するかもしれない・・・なんてね、そんな事をふと思ったりする。