
知念実希人 著 光文社文庫 2023年 5月20日 初版第1刷
これはコロナ禍以前の2016年に幻冬舎文庫から出ていたものを加筆修正が加えられて光文社から出たものだという。
2016年に、致死率95%の凶悪なウィルスが大流行して収束した世界を舞台にした小説を書いていたの???と驚いた。
日本でもコロナウィルスが広がり世界的にもパンデミックが宣言された時、人々は未知のウィルスを恐れ、ステイホームで、息を詰めるように暮らしていた。
マスクや消毒薬が手に入らないのも危機感に拍車をかけた。
なので、まったくの絵空事としては読めなかった。
致死率95%の『ドナルド・ミュラー症候群』を生き延びたものは感染後、症状が急激に回復する変異期に入り、ヴァリアント(変異体)と呼ばれる。
瞳が銀色になったり、超人的な体力、運動能力を得るが日光の下では暮らせない体質になってしまう。
ヴァリアントはモンスター扱いで、社会と隔絶された一角に追いやられ、隔離生活を強いられる。
このあたりは、ライ病患者にした扱いと同じなんだよね。
だから、コロナ禍初期のパニックや、ライ病患者への偏見とも重なってとても考えさせられる作品。
展開が早くて、どうなる? どうなる??と思いながらどんどん読み進めることの出来る作品で、そこに政争も加わって大きな広がりのある物語になっている。
相変わらず、現役のドクターでなければ書けない世界が、物語にリアルさを感じさせる。
とても面白かった。
これはコロナ禍以前の2016年に幻冬舎文庫から出ていたものを加筆修正が加えられて光文社から出たものだという。
2016年に、致死率95%の凶悪なウィルスが大流行して収束した世界を舞台にした小説を書いていたの???と驚いた。
日本でもコロナウィルスが広がり世界的にもパンデミックが宣言された時、人々は未知のウィルスを恐れ、ステイホームで、息を詰めるように暮らしていた。
マスクや消毒薬が手に入らないのも危機感に拍車をかけた。
なので、まったくの絵空事としては読めなかった。
致死率95%の『ドナルド・ミュラー症候群』を生き延びたものは感染後、症状が急激に回復する変異期に入り、ヴァリアント(変異体)と呼ばれる。
瞳が銀色になったり、超人的な体力、運動能力を得るが日光の下では暮らせない体質になってしまう。
ヴァリアントはモンスター扱いで、社会と隔絶された一角に追いやられ、隔離生活を強いられる。
このあたりは、ライ病患者にした扱いと同じなんだよね。
だから、コロナ禍初期のパニックや、ライ病患者への偏見とも重なってとても考えさせられる作品。
展開が早くて、どうなる? どうなる??と思いながらどんどん読み進めることの出来る作品で、そこに政争も加わって大きな広がりのある物語になっている。
相変わらず、現役のドクターでなければ書けない世界が、物語にリアルさを感じさせる。
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