エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

最後の晩ごはん 師匠と弟子のオムライス

2015-12-29 17:08:15 | 
椹野道流 著  角川文庫  平成27年12月25日 初版

最後の晩ごはんシリーズも5冊目。
今回、大泣きした。

5冊目にしてやっと五十嵐海里を拾って住み込みで働かせてくれている『ばんめし屋』の主、夏神留二の過去がはっきりと明かされる。

山の事故で大切な人を亡くしてすさんでいた夏神を、まるで夏神が海里を拾って助けてやったように、助けてくれた師匠がいる。
そのフレンチの師匠は、夏神の命を助けてやり、自分のところに住まわせ調理技術を教えて彼を一本立ちさせた恩人である。

その師匠が突然に亡くなって・・・・

なんかもう、いい人ばかりなの。
各々しょった過去が重すぎて潰されそう、いや、潰れてもいいって思っているのに、人は細胞単位では死なないようになっているんだ。。。ってな言葉も見受けられたし、夏神の重すぎる過去が、師匠の死とともに、少しずつ薄められていく。
夏神は遅い足取りながらきっとちゃんと過去の自分と対峙して止まらずに歩き続けるだろうし、芸能界から追放されるように去ってきた五十嵐海里にも、また新たな何かが起こりそうな予感を残して終わっていく。

読み終えたそばから、次の作品が待ち遠しい。

今回の巻末のレシピは賄いハヤシライスと、簡単カスタードプリン。
これまた、前作の芋羊羹どうように、作ってみたくなる。


『鴨川食堂』が来年1月10日からBSNHKでドラマ化されて始まるようだけど、この最後の晩ごはんもドラマにしてくれないかなぁ。

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