グリフォンの日記

時事のニュースについて書いていきます

足元を見ぬ愚か者達

2008-11-02 23:32:37 | 国内政治

秋は揚々、冷たい風が辺りを舞い上がり、経済の底は、まだ見えぬ。船底に穴が開いてるのに、沈み行く日本という船の修理は、まだ遠い。慌てるものは、足元を見ず、驕るものは、天を見ず。ただ愚かなる偶像へと思い馳せだけだ。

先日、田母神航空幕僚長が書いた論文がアパグループ「真の近現代史観」論文において、大賞を受賞したことが話題となった。

http://www.apa.co.jp/book_report/

そして、以下の記事である。

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【MSN産経ニュースより 現役空幕長を更迭】 

浜田靖一防衛相は31日夜、先の大戦を日本の侵略とする見方に疑問を示し、集団的自衛権行使容認を求める論文を公表した防衛省の田母神敏雄航空幕僚長の更迭を決めた。政府は同夜の持ち回り閣議で31日付で田母神氏を航空監部付にした。麻生内閣が先の大戦を「侵略」とした村山富市首相談話を踏襲する中、論文内容は政府見解に反すると判断した。後任には永田久雄航空総隊司令官、織田邦男航空支援集団司令官、外園健一朗防衛省情報本部長らの名前が浮上している。

 浜田氏は同日夜、増田好平事務次官を通じ田母神氏に更迭を伝えた。浜田氏はこの後、防衛省で記者団に「政府見解と異なり不適切だ」と述べた。

 空自トップである現職の幕僚長が先の大戦を侵略戦争と決めつける見方に異論を唱える論文を発表するのは極めて異例。憲法解釈の制約などで十分な活動ができない自衛隊の現状に一石を投じる狙いがあったものとみられる。

 田母神氏は「日本は侵略国家であったか」と題する論文を全国でホテルやマンションを開発しているアパグループ(東京都港区)が今年5月に募集した懸賞論文で最優秀賞を受賞した。

 防衛省は職員が外部に職務に関する意見を発表する際、書面による届け出を義務づけているが、田母神氏は届け出ず防衛相は知らなかった。

論文で田母神氏は、19世紀後半以降の日本の朝鮮半島や中国への軍事的行動について「相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない」と指摘。「日本だけが侵略国家といわれる筋合いもない」との見解を示した。集団的自衛権の行使を禁じた現在の憲法解釈の問題点にも言及した。

 田母神氏の論文に関し麻生太郎首相は31日夜、「適切でない」と表明し、同日中の決着を浜田氏に指示した。政府は早期の更迭で新テロ対策特別措置法改正案など国会審議への影響を最小限にとどめたい考え。しかし、野党側は浜田氏の監督責任などを追及する構えで、政権へのダメージは避けられない見通しだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081031/plc0810312209012-n2.htm

【田母神氏の論文】

http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

【東京”幼稚園”新聞より 丁稚な文章】

「わが国は日中戦争に引きずり込まれた被害者」という田母神俊雄航空幕僚長の文章に、近現代史に詳しい学者らはあきれ顔。内容をことごとく批判し「レベルが低すぎる」とため息が漏れた。

 「小学校、中学校から勉強し直した方がいいのでは」と都留文科大の笠原十九司(とくし)教授(日中関係史)は話す。空幕長の文章は旧満州について「極めて穏健な植民地統治」とするが、笠原教授は「満州事変から日中戦争での抗日闘争を武力弾圧した事実を知らないのか」と批判。「侵略は一九七四年の国連総会決議で定義されていて、日本の当時の行為は完全に当てはまる。(昭和初期の)三三年にも、日本は署名していないが『侵略の定義に関する条約』が結ばれ、できつつあった国際的な認識から見ても侵略というほかない」と説明。「国際法の常識を知らない軍の上層部というのでは、戦前と同じ。ひどすぎる」と話す。

 「レベルが低すぎる」と断じるのは纐纈(こうけつ)厚・山口大人文学部教授(近現代政治史)。「根拠がなく一笑に付すしかない」と話し「アジアの人たちを『制服組トップがいまだにこういう認識か』と不安にさせる」と懸念する。

 「日本の戦争責任資料センター」事務局長の上杉聡さんは「こんなの論文じゃない」とうんざりした様子。「特徴的なのは、満州事変にまったく触れていないこと。満州事変は謀略で起こしたことを旧軍部自体が認めている。論文は『相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない』というが、満州事変一つで否定される」と指摘する。

◆文民統制揺るがす

 小林節・慶応大教授の話 田母神論文は、民族派の主張と同じであまりに稚拙だ。国家と軍事力に関する部分は、現職の空自トップが言っていい範囲を明らかに逸脱した政治的発言で、シビリアンコントロール(文民統制)の根幹を揺るがす。諸国に仕掛けられた戦争だったとしても、出て行って勝とうとしたのも事実で、負けた今となって「はめられた」と言っても仕方がない。現在の基準や戦争相手国の視点で見れば、日本がアジア諸国を侵略したのは間違いのない事実だ。世界史に関する“新説”を述べるのは自由だが、発表の場にも細心の注意を払い、学問的に語るべきだ。

◆一行一行、辞職に値

 水島朝穂・早大教授の話 航空自衛隊のイラク空輸活動を違憲とした名古屋高裁判決に「そんなの関係ねえ」という驚くべき司法軽視の発言をした空幕長とはいえ、閣僚なら一行一行が辞職に値するような論文で、アジア諸国との外交関係を危うくするのは間違いない。自衛隊法は自衛官に政治的な発言を過剰なまでに制限し、倫理規程は私企業との付き合いも細部にわたって規制している。内容のひどさは言うまでもないが、最高幹部が底の抜けたような政治的発言をして三百万円もの賞金をもらうのは資金援助に近い。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008110102000087.html

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ある種、この東京新聞に謳っている教授たちの意見は、正しい。論文と謳うものであるならば、相反する事柄からの見方も同時に加味して、結論へと導くべきである。しかし、それは、同様に左派が興じる歴史観にも言える。戦争には、正と負があり、その両方を記載してこそ意味を成す。ならば、マスコミでも、教科書でも、授業でも、講義でも、同じように”正”と”負”を平等に伝え、教えるべきなのである。

この論文が大賞を取ったのは、今までの歴史観が”負”の部分だけを切り取り、文民統制を強いたことへの抵抗である。歴史観への拘(こだわ)りを見せる連中は、GHQのWGIP(ウォーギルトインフォメーションプログラム)に屈服し、日本が悪いと植えつけられただけの馬鹿な連中である。そうした歴史観は、北朝鮮、韓国、中国へ利用され、日本は、ただの腰抜け国家へと押しやられたのである。

”負”の部分と言うのは、あくまで現代の倫理や価値観に合わせてという意味であり、当時、そのものを”負”と言えるのは、その時代に生き、生と死を賭けて戦ったもの以外に吐くべき言葉では、断じてない。歴史を学ぶ時、戦国時代の武将へと思いを馳せることもあるだろう。しかし、現代においての倫理や正義思想を照らし合わせれば、武将の”正”への比重が大きいだけであり、同時に当時の兵、民衆達の苦しみや貧困へと思いを馳せることができるだろうか?その当時を生きた人間がいないことを幸いとして、武将達がかっこいいと思っているだけではないか?

はっきり言おう。闇雲に正義を振り回す連中は、ただの馬鹿だ。正義感は、時とともに変わっていくのだ。「独裁者は悪者」「植民地支配は、悪いこと」「戦いは悪い事」誰もが疑わない言葉。

「北朝鮮の独裁は悪い事」「中国の一党独裁は良い事」

「中国のチベット民族浄化は良い事」「ナチス ドイツのユダヤ民族浄化は悪い事」

国によって、異なる、これらの事例。マスコミを裏で操る連中の企てた妄想に、乗る事しかできぬ愚民達。この世には、表に出ない(出せない)裏が存在し、その眼を欺くために、我々の倫理観を利用して、揺さぶろうとしているだけである。よく、これらを称して、騙されると言うが、見抜く眼を持たぬものが、悪い。真実とは、表裏一体のものなのだ。正に「表を見て裏を見ず」である。妄想も狂言も、偽善も全てが建前社会の弊害であることに気づくべきなのだ。

建前で着飾った社会は、表ツラはいいが、本音が邪魔をする。幸せの定義が存在しないのは、マスコミの情報操作による、着飾っただけの壁に書いた餅を追いかけるからである。先人の知恵は、諺に凝集されている。「灯台下暗し」という諺にあるものは、求めるものが、案外足元にあると言うにことである。綺麗な美意識だけを追い求め、内なる人間性をおろそかにしてきた結果が今にある。本当の人間性を追求し、本当の政治家を輩出せよ!そして、日本という自らの国を正す時が今始まるのである。