本塗装に入りました。公式設定資料の図より、車体色はジャーマングレーであると判断しましたので、Mrカラーの40番のジャーマングレーを使用して吹き付けました。
大洗の各所で見かけるⅢ号突撃砲F型の完成品は、ほとんど親善試合時の派手な色彩にて仕上げられ、旗もつけられています。それらに比べて全国大会出場時の姿は地味なので、あんまり人気がないのでしょうか。でも、Ⅲ号突撃砲F型は実際のドイツ軍の車輌でもジャーマングレーの車体色が多かったそうですし、私にとってはこの色のほうがしっくりきます。
車輪類を塗装しました。起動輪と誘導輪はMrカラーの「ガルパンカラーセットあんこうチームVer」の「大洗グレーⅡ」で塗りました。転輪は大小ともまずMrカラーの137番のタイヤブラックを吹きました。履帯は28番の黒鉄色を使用しました。
続いて、上下転輪のキャップ部分を「大洗グレーⅡ」で塗り直しました。タイヤ部分は実際にはもっと薄いのですが、モールドが全く無いので塗り分けるのが難しく、下手に塗り分けて失敗するよりはパーツの段差にて分けることにし、結果的にタイヤ部分が大きめになりました。
OVM類の塗装を進めました。木製部分は43番のウッドブラウン、金属部分は28番の黒鉄色を使用しました。ガルパン公式設定資料の色彩に従いましたが、プラッツのキットの指示する色も同じです。
ただ、アニメ画像の色調では、一般的にメタリック系の色が明るめになる傾向があるので、ガルパン公式設定資料の図だと黒鉄色は銀色っぽく見えます。車体色のジャーマングレーの暗さのせいで余計に浮き上がって見えますが、同じドイツ戦車であるⅣ号戦車D型のOVM類と同じ色であることは当然なので、アニメ画像の色調に惑わされることなく、28番の黒鉄色をそのまま使えば良いです。
塗ってみると、車体とOVM類が一見して同じような色に見えてしまいますが、つや消しクリアーを吹き付ければ、違いがきちんと出てきます。黒鉄色の部分はちゃんと鈍い輝きをともなってきます。
OVM類の塗装が完了しました。まだ接着していない、クリーニングロッドのA23も塗装しておきました。
次は上下転輪の取り付けでした。ゲートから切り離して、その跡を再び137番のタイヤブラックで塗りました。
車輪類を車体に取り付けました。ここでもプラッツのキット特有のパーツの合いの悪さに悩まされました。上部転輪はストレートに付けられましたが、下部転輪の方は軸の大きさと転輪の穴が合わないので、普通にはめこむことが出来ませんでした。
アーマーモデリング2013年4月号の記事では、軸部の方を調整するように奨めていますが、削り方などがいまひとつ分からないため、ここでは転輪の穴をピンバイス等で拡げるという方法を採りました。少しずつ浚っては、軸部にはまるかチェックし、はまらなければまた少し浚ってゆく、という手順で進めました。
取り付け時にも、下部転輪の全てがぴったりと並ぶ形にはならないので、調整が必要でした。起動輪と誘導輪に合わせて最前列と最後列の転輪をセットし、それらの軸線が真っ直ぐになるように残りの転輪を順番につけていきました。接着剤が乾くまでに定規を当てて微調整し、変に歪んだりしないように注意しました。
最後に、履帯をはめました。とりあえず、キットに付属しているベルト式履帯を使用しました。厳密には、この履帯もガルパン仕様とは違います。劇中ではシェブロン(滑り止め)がついていないのですが、プラッツのキットの履帯にはついています。劇中の履帯は、Ⅲ号突撃砲の前期タイプに属するB型やC型のそれなので、厳密には履帯も交換しないといけないわけです。
もし履帯を劇中のタイプにて再現するのであれば、タミヤのⅢ号突撃砲B型の履帯と交換するといった方法が考えられます。それで、今後タミヤのⅢ号突撃砲B型のキットを買う機会があるならば、その時に履帯を取り換えることになるかもしれません。
なので、今回の制作においては、履帯は仮装着ということにして、いつでも交換可能なように接着はしないでおきました。誘導輪も接着していませんので、誘導輪ごと履帯を外せるようになっています。
ローアングルで斜め前から見ました。特有の低い車高が独特の雰囲気を示しています。ジャーマングレーの車体色もドイツ車輌らしい色調を感じさせます。
背面です。制作時に懸念されたリアパネルと誘導輪軸部との合わせは、ほぼ問題なくクリア出来ました。ゲートからの切り出しに苦労したルーパーのパーツA7も、完成してみるとほとんど目立ちませんでした。あの苦労は何だったんだ、と思ってしまいました。
斜め後ろから見ました。ガルパン仕様への改造工作のヤマ場であった後部エンジンフード上の出来映えもまずまずでした。改造といっても、ひたすらモールドを削っただけで、あとは部品の取り付け位置を変えるだけで済みましたから、思ったよりも難しくはなかったというのが、正直な感想です。
とりあえず塗装が完了したのですが、ここで前部牽引ホールドのフックをまだ追加していなかったことを思い出しました。それで、デカールの貼り付けの次に続けてフック追加の工程を入れることにしました。 (続く)