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市役所の次は白壁土蔵群観光案内所に行きました。顔見知りの係員さんが居て、「ひなビタ」聖地巡礼者の最近の動向などについて話してくれました。平日でも巡礼者が多いガルパンの大洗とは違って、倉吉では週末にのみ、若いファンの姿が目立つそうです。
「土曜日と日曜日に続けて見かけるお客さんが多いんですよ。たぶん泊りがけでいらっしゃるんでしょう。ここへは近隣の県よりも東京の方からみえる人が多いですし」
「桜まつりのイベントの時も、関東からのファンが多かったそうですね」
「ええ、そうなんですよ。アンケート取りましたら予想外の結果でしてね、大阪あたりからのお客さんが意外に少ない、ってみんな驚いてましたし」
「それは、あれじゃないですか、大阪や京都からのバスとかの直通便が無いし、電車でも山陽と智頭線周りで山陰線に行くから時間もかかりますしね」
「それもありますけど、鳥取県そのものが知名度も人気もありませんからねえ、アハハハ」
観光交流課の人間が、堂々とそう言って笑うのでした。正直なところがまた良いですね。
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アンケートは如何ですか、と訊かれたので詳細を尋ねましたら、上図の案内ボードを示して説明してくれました。おお、倉吉にも観光缶バッジがあるのか、と気付きました。ガルパンの大洗でいうとアライッペに相当する、倉吉のマスコット「くらすけくん」の缶バッジでした。
さっそくアンケートに答えて、青色の缶バッジをいただきました。
「こちらで配ってる缶バッジは、これらだけですか?」
「ええ、そうです」
「ひなビタ関係のバッジとかは出さないのですか?」
「そちらの商品は全てコナミさんとグッドスマイルカンパニーさんで出して頂いております」
なるほど、と感心しました。確かにひなビタ関係のグッズはコナミやグッドスマイルカンパニー発となっており、大部分は倉吉限定の販売品となっています。倉吉市観光交流課は物販にはタッチせず、協賛企業に全てを一任したうえで、地域創生事業の一環としてイベントや行事を提案し仕掛ける、という姿勢であるようです。
ガルパンの大洗町もほぼ同じスタンスのようで、協賛企業発の商品はイベント時などに限定的に販売されています。さらに、商店街の各店舗ごとのオリジナル品が多数を占めているわけですが、倉吉の場合は度々指摘している重伝建の問題があるため、各店舗ごとのオリジナル品を出すのは難しい、という事情があります。私の知る限り、倉吉の各店舗発のオリジナル品は三種類しかありません。
一つは「元帥酒造」さんの「大吟醸纒お姉さんラベル」、二つ目は「石谷精華堂」さんの「打吹公園だんごひなビタ版」、三つ目は「ダイアナ」さんのC.K.Pこと「ちくわパフェ」です。
なので、倉吉巡礼の場合はグッズを買い回る、というパターンが無く、地元の食事処や土産物店に行き、倉吉の特産品を主に購入する、という形になります。巡礼者の大多数にとっては、倉吉への交通費が一番の問題でしょうから、現地での買い物にあまり費用をさけないという事情もあるでしょう。
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したがって、倉吉巡礼の大体の流れとしては、古い町並みを散策しながら各所のキャラクターパネルを探して楽しむ、「ダイアナ」さんでC.K.Pこと「ちくわパフェ」をいただく、「元帥酒造」さんの「大吟醸纒お姉さんラベル」と「石谷精華堂」さんの「打吹公園だんごひなビタ版」を必ず購入する、帰るまでに牛骨ラーメンを食べる、という感じであるようです。
それだけで、もう充分です。倉吉にやってきた事自体が一番の喜びなのですから。倉吉に「倉野川」の雰囲気を疑似体験することが、一番の目的なのですから。
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なので、ガルパンの大洗とはまた違った切り口の観光スタイルが、倉吉では定着しつつあるようです。キャラクターパネルも露出を控えめにして店内に置くことで、いわゆる重伝建の問題をクリアしています。一般観光客の動員数のほうが圧倒的に多い地域ですから、あんまり「ひなビタ」ばかりに傾注するのもいけない、という当局の意識が透けてみえるようです。
このあたりはガルパンの大洗町とは逆です。ガルパンに熱中し過ぎて、一般のお客さんの足が遠のいてしまったというお店も少なくないそうです。ガルパンで盛り上がっているのは一部の商店街の店だけで、大多数の地元住民も一緒になっているわけではないからです。
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古い町並みの重伝建エリアでさえ、平日にはこのような閑散とした状況になります。一般観光客が押し寄せるのは正午過ぎの時間帯です。
なぜかというと、昼食を倉吉でとって町並み散歩を一時間ほど楽しんでもらったうえで、近隣の鳥取砂丘や三朝温泉などの観光とセットにしているプランの団体客が多いからです。個人の観光客は、どちらかというと土産物目当てでショッピングに来るか、美味しいグルメの多い倉吉で食事を楽しもう、というスタンスの方が多いです。20数年前にしょっちゅう遊びに行った私自身が、そういうスタンスだったので、そうした倉吉観光の実態が昔も今も変わっていないことがよく実感出来ます。
なので、パネル探しという探検型の町並み観光という切り口と、これまで少なかった学生を中心とする10代、20代の若年層の観光客の激増、という二つの新しい要素を生み出しつつある「ひなビタ」聖地巡礼ブームがいかにインパクトを与えているかが、容易に理解出来ます。
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その確かな波を、敏感に感じ取ったからこそ、グッドスマイルカンパニーさんは、本社のある東京にすら置いていない、全国唯一の直営販売所を、倉吉観光エリアの中心拠点となっている「赤瓦一号館」に「出張所」の名前で出して、ひなビタ関連オリジナルグッズをこの店舗限定で販売しているのだと思います。
倉吉の老舗物産品店の「長生堂」さんと提携しての物販展開であるらしく、私自身も限定グッズをここで三つ買いましたが、いずれも買い上げ伝票の企業名は「長生堂」さんでした。
「長生堂」さんはJR倉吉駅のすぐ横に本店「観光物産館」があり、向かいに「工芸館」も運営していますので、観光客の大多数はたいてい土産物を買っていると思います。通販サイトもあります。こちら。
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町並み散策に移って、あおあおとした新緑をまとった打吹山のまるい姿を望みつつ、西へと街路を歩きました。
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本町通りをたどって町並みの西側へ移動し、倉吉淀屋の前を通りました。
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倉吉淀屋から西へは、これまでの三度の巡礼では行っていませんでした。今回のメインはこの西側地域への、20数年ぶりの散策でした。 (続く)