ガルパン戦車プラモデル制作において、プラウダ高校チームのT34/85を完成させた数日後、奈良県橿原市の「ユナイテッドシネマ橿原」にて劇場版4DXの視聴に臨みました。その時のポストカード特典が誰であるかによって次の製作候補を決めようと考えましたが、結果は上図のダージリンでした。
それで、次のプラモデルキットは聖グロリアーナ女学院チームの車輌を選ぶ事にしました。手元にあるのはチャーチルとマチルダの二車種でしたが、私は難しそうな方から先に作ることが多いので、マチルダに決めました。マチルダⅡ歩兵戦車、です。
これがテレビシリーズに登場したマチルダⅡです。この時点では車長キャラクターにまだ名前がありませんでしたね・・・。
テレビシリーズでの車番は05です。劇場版では車番のマーキングが無くなり、車長キャラクターの名前がルクリリであることが判明しています。
今回は、このルクリリのマチルダⅡをテレビシリーズ版仕様にて作ってみたいと思います。現時点でテレビシリーズの劇中車のカットが豊富にあって、色んなアングルからの図が知られるのがルクリリ車なので、ガルパン仕様への製作にも適した候補です。劇場版でも二度出場して活躍していますので、存在感も大きく、再現するのも楽しいことでしょう。
マチルダⅡのキットは、上掲のタミヤの新旧の二製品がよく知られています。ともにミリタリーミニチュアシリーズのナンバーで、新版(上)は300番、旧版(下)は24番です。
そのうち、新版の方がガルパン戦車の適応キットとして模型誌などで広く紹介されています。公式設定図資料のガルパンアハトゥンクで「マチルダⅡ歩兵戦車MkⅢ/Ⅳ」と紹介されているため、名前が同じ新版キットは「そのものズバリ」だとされています。
しかし、新旧のキットの形状を比較してみますと、ガルパンアハトゥンクの「マチルダⅡ歩兵戦車MkⅢ/Ⅳ」に近似するのは、旧版のMkⅡの方です。上図の左が新版、右が旧版ですが、全体的にモールドが少なくて表現が大まかな旧版の方が、ガルパンアハトゥンクの図面つまりテレビシリーズ版の劇中車に通じる要素を多く示しています。
特に分かりやすいのが、砲塔天板の形状です。上図は、公式サイトのメカニック紹介画像から拡大したものです。ガルパンアハトゥンクの図面にも同じものが使われています。
新版キットの砲塔パーツC9を見ますと、かなり相違点が目立ちます。周縁部などにラインが通り、リベット穴も細かく再現されているほか、ハッチのヒンジ数、小さな蓋の形や配置が異なります。また、ペリスコープのカバーがありません。
これに対して、旧版の砲塔パーツA1は、形状がほぼ同じです。ラインもリベット穴もありません。キューボラの基部リングは別パーツになっていますが、付ければ全く同じ姿になります。ペリスコープのカバーも再現されています。
したがって、テレビシリーズ版の劇中車に関しては、旧版キットの方が適応していることが理解されます。これに対して新版キットの方は、劇場版の劇中車に通じる要素が多いです。
そのことに関しては、アーマーモデリングの2016年2月号の20ページにて、ダージリンが「さながら某社の旧版と新版の」とさりげなく指摘しています。オレンジペコに「そういう話はちょっと」と牽制されたものの、堂々と公式に認めているわけですから、もう間違いありません。
要するに、ガルパンのマチルダⅡは、最初はタミヤの旧版モデルを参考にしてテレビシリーズ版の3Dデータが構築されたのでしょう。
かくして、テレビシリーズ版のルクリリのマチルダⅡを、タミヤの旧版キットにて制作するという方針が固まりました。現時点ではスポット生産品ですが、市場在庫はまだかなりあるようで、模型専門店や中古ショップなどでもよく見かけます。絶版品扱いになっているものの、まだまだ入手可能な品と言えましょう。
パッケージの中身です。ミリタリーミニチュアシリーズの初期の製品らしいシンプルな構成になっています。パーツ数も少なく抑えられ、子供でも楽に組めるようになっています。
ただ、モーターライズキットであったので、車体パーツにはその名残が残されており、底面のディティールは完全に省略されています。目立たない部分ですので、問題はありません。
ステップ1です。車輪類を組み立てます。四種類の車輪がありますが、ガイド通りに組み立てます。
組み立て作業中の状態です。小さな転輪が多いのですが、車体に組み付けると大部分はアーマープレートに隠れますので、細部のディティールはあまり問題になりません。
しかし、ガルパンの劇中車は、車輪類の全てが車体色と異なるグレー系のカラーにまとめられていますので、ガイド通りに組み立ててしまうと、塗装が難しくなります。そこで、塗装してから組み立てるパーツなどをあらかじめチェックし、それに応じた制作の段取りを決めておくことにしました。
全ての車輪類を組み立て終わりました。完成すれば、殆ど見えなくなる車輪もあります。 (続く)