稲取細野高原の桃野湿原駐車場からの眺望は、北の三筋山方向と東の東伊豆山地方向に開けています。南は樹林にさえぎられ、西は三筋山の南尾根筋が望まれます。
次の目的地にして、今回の巡礼行の最大の目当てである場所も、この場所からは全く見えませんでした。
とりあえず、お手洗いを利用して、桃野湿原駐車場から退出、もと来た道を慎重に引き返しました。教わった通りに山裾の集落付近まで引き返しましたが、目印となる「ひょうたん池」を見つけられないまま、真っ直ぐ降りてしまいました。
300メートルほど進んで道幅が広くなっている場所にいったん車を停め、車載ナビを見ましたが、全然違うルートを示していて頼りになりませんでした。地図を開いて現在位置は把握出来ましたが、自信が無いので、近くの畑で農作業をしていた老人に挨拶して道を教えてもらいました。
相手は微笑しつつ、「ひょうたん池」の角から進む道は遠回りになるから、と前置きしたうえで、北側の林の奥を指さしました。
「この道来たんじゃろ?ちょっと戻ってな、最初の辻で右に行けばいい。この前新しく出来た林道じゃが、谷間に降りたら道は細くなる。細いけど車も通れる。山の裾を回ってな、水生の庄の横を通る」
「ミブノショウ、ですか?」
「旅館じゃよ。そこからゴミ焼却場の前の道に出るから、左に行く。ずーっと回って次の角でも左に行く。そしたら次は分かれ道になっとるから右に行く。そしたら保育所がある。その角を左に行く。分かるな?左、左、右、左じゃ」
「有難うございます」
老人が教えてくれた通り、引き返して最初の辻で右の新しい林道に降りて、それからは左、左、右、左と進みました。旅館水生の庄の横からゴミ焼却場の前の道に出て左折、道なりに進んでゴルフ場の横を過ぎ、次の辻で左折、少し北に進んで、上図の分岐点に着きました。ここで右に進んで坂道を登りました。
坂道を登っていくとすぐ左手に稲取保育所があり、その向こうの角に上図の看板が立っていました。これが今回の巡礼行の最大の目当てである、東伊豆町風力発電所への入口にあたっていました。その角を左折しました。
急な登り坂を経て丘陵上に出て道なりに進むと、前方の高所に東伊豆町風力発電所の風車が見えてきました。
ここが、今回最も来たかった巡礼スポット、東伊豆町風力発電所の風車群です。
初めて来ましたが、既視感バッチリでした。各務原なでしこ達は展望所に行っているので・・・。
その展望所に向かいました。
ああ、ここだ。間違いない・・。
原作コミック第8巻の裏表紙の景色です。そのまんまですね。素晴らしい。
南には相模灘の海原が広がります。水平線は霞んていました。
北には風車の並びが見えます。全部で4基がこの丘陵上に立っています。
北西方向には、さっき行ってきたばかりの稲取細野高原が見えました。上図右の山肌が上まで達しているところが三筋山です。その左の稜線上にも風車が並んで見えました。
南西方向には、河津の港町が見えました。
最高の気分でした。記念の自撮りの際にも、御覧の通り、笑ってしまいました。とにかく無事にやって来られたので嬉しくて仕方がなかったのでした。
富士山といい、四尾連湖といい、杖突峠といい、大瀬崎といい、ここ東伊豆町風力発電所といい、「ゆるキャン△」ほどに風光明媚な聖地が豊富なアニメというのは、他にはありませんね・・・。景色の素晴らしさが最大限に満喫出来る聖地巡礼コースばかりなので、アニメを知らなくても普通に観光で楽しめると思います。
展望所の斜め向かいの道路わきに、風車の翼の一枚が置いてありました。交換した分なのか、予備なのかは分かりませんでしたが、これだけで長さが20メートルを超えます。陸路つまり今回の山道でこれを運ぶのは無理でしょうから、空輸になるのでしょうか・・・?
その長い翼が3枚付いて、緩やかに回っていました。風車が発電を開始する最低の風速が3メートルだそうなので、それ以上の風が吹いているわけでした。ですが、風速が強くなって一定数を超えると、事故防止のために発電をストップさせるのだそうです。
東伊豆町風力発電所の公式サイトはこちら。
食事処へ行く暇もなくて昼食は後回しにしていたため、とりあえず、家から持参したナッツ類とコーヒー缶で休憩しました。「スパイファミリー」のアーニャみたいにボリボリとアーモンドなどを食べつつ、まったりと風車や周囲の景色を眺めました。 (続く)