ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

夜間中学

2006年03月31日 | 教育関連
ファンの方からすると「あんな面白い作品なのに何で?」という事になるのだろうが、「男はつらいよ」シリーズには全く関心が無い。かなり以前にタイトルは忘れてしまったが、二度程寅さん作品を見た事が在る。でも惹かれるものが無くて、共に途中で見るのを止めてしまった。下町風情は決して嫌いでは無く、寧ろ好きな方なので、あのシリーズの持つ雰囲気がたまたま自分とは合わなかったという事なのかもしれない。

「男はつらいよ」シリーズとの肌合いは合わなかったものの、同シリーズの監督・山田洋次氏が他に手掛けた作品で、今でも強く印象に残っているものが2つ在る。一つは「家族」、そしてもう一つは「学校」シリーズ。

後者の作品は夜間中学を舞台にし、就学期に家庭の事情から学校に通えなかった中高年者や、虐めや授業に付いていけないという理由等から学校をドロップアウトしてしまった若者達の姿を描いたものだった。この作品によって夜間中学なるものの存在を知った人も少なくないと思うし、夜間中学と言えば彼等の姿を思い浮かべる人も多いのではなかろうか。

以前に書いた記事「行政改革の裏側で」も紹介させて貰った「復刊ドットコム」というサイト。その中に運営者のブログが在るのだが、「夜間中学」(2006年3月26日付)という記事に読み耽ってしまった。先ずはこの記事を読んで戴きたい。

こちらのサイトの情報によると、2001年4月現在、全国に34校の夜間中学が存在しているそうだ。そして、その内東京には8校在るという。上記ブログの中で紹介されている荒川区立第九中学校もその1つなのだが、他の33校が此処の状況と全く同じで在るとは思わない迄も似た様な状況に在るとすれば、「学校」シリーズで持っていたイメージとはかなり違ったものと言えるのではないだろうか。

「今の夜間中学の生徒の9割は外国人と言っても過言では無い。」勿論、今迄の様に何等かの理由で学校に行けなかった(行けなくなった)日本人の中高年&若者達も居るのだろうが、それ以上に外国人の生徒が増えている現実。何等かの事情で日本に来たものの、日本社会に馴染めずに苦しんだり、拗ねたり、引き篭もったりしていた彼等が、やっと見付けた”心満たされる空間”が夜間中学と言えるのかもしれない。

「学校がつまらないから。」という理由”だけ”で学校を辞めてしまう若者が居る一方で、学校に行きたいと渇望し、その機会を与えられた事に心から感謝している外国人達の姿。特に記事で紹介されていた老女の言葉に心を打たれた。

中国から日本に来て62年働き詰めの生活を送っていた85歳の彼女。自身の卒業式の場で、決して完全とは言えないたどたどしい日本語を用いながら、初めて修学旅行で行った京都の街の美しさや、食べた料理の美味しさを思い出して次の様に語って何度も何度も頭を下げたという。

あんな素晴らしい所に連れて行って戴いて、有難うございました。

使い古された表現だが、物質的な豊かさと心の豊かさは必ずしも一致しないのだなあと痛感。

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2 コメント

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恵まれた環境 (ロッソ)
2006-03-31 14:46:10
「夜間中学」のブログを拝見しました。

日本へ来てご苦労され、一生懸命努力し頑張る姿が目に浮かびました。

子供の持ち帰るプリントが理解出来なかった事がきっかけで、通いはじめた女性の話にはグッとくるものがありました。

今の日本の子供達にも、是非、知ってもらいたい気持ちです。

これから息子も小学校・中学と進むと思います。その生活の中で、恵まれた環境に居るんだと言う事を認識して生活して欲しいです。



そういう私は、今、通信教育を受けています。学生の頃にしっかり勉強しておけばよかったと今になって反省です。働きながらの勉強は大変ですが、「夜間中学」の皆さんに負けずに頑張りたいと思います。
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良い話だよな (帆印)
2006-04-01 05:51:42
こういう話聞くとさ、なぜか勉強したくなるよな。勿論、異国人もいようが、自分より、年上年下がいようが、構わない。本来勉強とはこういうもんだと未だに思います。
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