銀幕大帝α

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惨殺のサイケデリア

2014年10月14日 02時28分36秒 | 亜細亜ホラー
追凶/FAIRY TALE KILLER/完美童話
2013年
香港
94分
ホラー/ミステリー
劇場公開(2014/05/17)



監督:
ダニー・パン
『インフェルノ 大火災脱出』
製作:
ダニー・パン
脚本:
ダニー・パン
出演:
ラウ・チンワンワン刑事
ワン・バオチャンウン



<ストーリー>
警察に連行された不審者・ンは、人を殺したと告白する。だが、被害者宅へ行くと本人は生きており、ンは釈放される。ところが翌日、名指しされた男が遺体となって発見され…。

-感想-

パン・ブラザーズの弟ダニー監督が単独で製作したサイコ・ミステリー作品。
兄弟名義で作った作品は色んなジャンルものがあるけれど、弟が一人で作るとホラーものが多い。
逆に兄が一人で作るとアクションやサスペンスものが多い。
兄弟それぞれに得意分野があるんやろうねぇ。

本作は幽霊とかそういう超常現象を扱ったものじゃないけれど、雰囲気が異様に怖い。
何せ、頭のおかしい者ばかり出てくるのだから。
喚き散らす、泣き叫ぶ、狂った行動を取る、そして不適な笑みを浮かべて刑事を挑発する。
決してゾワゾワする様なホラーではないのに、狂気に満ちた空気が終始流れていて観ている私までもが精神に異常を来たしそうだった。

犯人は何故に何人もの人間を殺害していたのか。
その(犠牲者の関係性も含めた)理由は中盤辺りで明確にされる。
では、執拗にワン刑事を自分の元へ誘導させようとする意味は何なのか?
この衝撃的な結末はかなり奥が深い。

恩を仇で返す犯人というのは今まで多く観てきたが、今回の犯人は恩を恩で返していたのだ。
ワン刑事個人の手で全てに決着をつける事で、犯人は彼を真のヒーローにさせたかったというこの感謝を込めた犯人なりの復讐の裏に隠された意外な目的には胸が苦しくなった。
この事件が切っ掛けとなり、ワン刑事の自閉症を患っている息子にも父親に対する眠っていた笑顔を新たに宿す事にも繋がる。

犯人は復讐対象者には童謡になぞった死の制裁を下し、それと同時進行する形でワン刑事には手柄を与えると共に家族の温かみをも取り戻させ、そして最後には自らこの事件に終止符を打つ。

一見アホなように思わせておいて、実はかなりの知的な男だったのだ。
これにはすっかり私も騙されてしまった。

正直、最初はなんじゃこりゃ、と思うような気味の悪い始まり方だったが、いやはや中々の捻りを加えた良質な脚本と演出でしたよ。

評価:★★★☆
14/10/14DVD鑑賞(新作)
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コメント (4)
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