表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

Letter to You AppleTV

2020-10-22 23:55:36 | ブルース・スプリングスティーン
https://tv.apple.com/jp/movie/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3letter-to-you/umc.cmc.1hij2tkngu40vo4bq3rejym8v

「死ぬまでロック(演奏)し続けるぞ!」

新作『レター・トゥ・ユー』発売に先駆けて先程Apple TVで公開されたドキュメンタリー映画?の中でブルースはこう叫びました。

約1時間半のこの作品は、とにかく見所満載。モノクロームの美しい映像と、生々しいメンバーとの熱いやり取り。冒頭ブルースはこう叫びます。

「オーケイ、Eストリーターズ!やるぞ!」

続いてEストリーターズの紹介が入るんですが、最後にクラレンスとダニーも紹介され、彼らの消えることのない固い絆が見てとれます。
アルバム表題曲「レター・トゥ・ユー」が徐々にカタチになっていく様子に始まり、収録曲全12曲中10曲が順不同で次々と演奏されていきます。メンバーは殆ど他界してしまった(らしい)キャスティールズの思い出を語るブルース。やはりキャスティールズは彼にとって特別なバンドだったんですね。

2曲目はゲイリーの奏でるベースをフューチャーした「ラスト・マン・スタンディング」。普段ライヴ映像でもあまりワンショットを抜かれーとることがないゲイリーがいっぱい出てくるので必見です。

そこにジョン・ランダゥが到着。元々髪の毛は寂しい方でしたが、一層寂しくなって最初分かりませんでした。ここでこの作品最初の乾杯(やたらと酒を呑むシーンが多い作品)で

「ワールドツアーに乾杯!」

とやるんです。また全世界的にコロナが流行り始めていますが、是非実現してもらいたいですね。

「3分間180秒で描かれるレコードが俺の祈りの音楽。」と、ロイの美しいピアノのイントロで始まる「ザ・パワー・オブ・プレイヤー」。あくまでも個人の感想だけど、『マジック』の頃のサウンドを想わせるキレイな曲です。

続く「ア・ハウス・オブ・ザ・サウザンド・ギター」もピアノのイントロとパティのコーラス、そしてEストリーターズのハーモニーが光る、『ワーキング・オン・ア・ドリーム』の頃を彷彿させるポップスぽい感じ。

5曲目の「イフ・アイ・ワズ・ザ・プリースト」はデビュー前、50年前に作った曲なんですって。ファンサイトにオリジナルの音源貼ってありますが、このアルバムには3曲のデビュー当時の曲がリメイクされて入っています。
番組の後半でブルース本人も語っていますが「歌詞を詰め込みすぎたって指摘を多く受けた」そうです。ホント『アズベリー・パーク』っぽい、批判を承知で言えばボブ・ディラン風のフォーク・ロック。

表題曲に続いて先行公開された6曲目の「ゴースツ」はもうお馴染みの歌ですよね。音楽の霊に語りかける、バンドの美と喜びを綴ったライヴ映えしそうな曲。ツアーが始まれば絶対にオープニング・ナンバーの候補でしょうね、。Eストリート・バンドのリユニオンの頃の一体感にも似た手拍子。ライブ会場のGAエリアでやりたいなぁ。

7曲目「ソング・フォー・オーファンズ」も1972年に作られた、不安と闘う若者の歌。ハーモニカの入り方やニルスのスライドギターの雰囲気が『闇』のアウトテイク『プロミス』辺りに入っていても全く違和感を感じないかも。

次に登場した8曲目の「ワン・ミニット・ユア・ヒア」は歌い方をガラッと変えて、『トンネル』のツアーでこんな風に歌ってたなぁ〜と思いました。1950年代のフリーホールドの様子を写実的に語るブルース。ちょっと宗教的な話にもなりますが、貴重な思い出話ではないでしょうか。

録音4日目には従兄弟のフランク・ブルーノさんが登場。このフランクさん、意外に重要な人物だったらしく、何とブルースにギターを教えた張本人らしいです。
9曲目は、死んだら何処に行く?的な話からダニーとクラレンスに献杯(乾杯してましたけど)、「アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリームズ」。ダニーっぽいオルガンの調べ、「ベター・デイズ」のギターソロのような野太いギターサウンド。それでいて『ウエスタン・スターズ』の延長のような雰囲気。だけど典型的なEストリート・サウンド。この曲好きだなぁ。
収録の後、ジッと聴いていたジョンが感動して泣きそうになっている姿が印象的でした。


満天の星や雪の日があとどれだけあるか
爽やかな秋の午後、真夏の雨があとどれだけあるか
ここに存在していること。それは恵みだ
神が優しく肩に手をのせてくれているような感じ
この命に感謝
この美しくおぞましく期待に満ちた世界を生きている
誰かを愛し誰かに愛されるチャンスがある世界
だから生きろ。自分を満たすまで
血と汗と涙が報われるまで生き続けろ

若干省略したけどこの一節、心に沁みました。

そして最後10曲目。『マジック』の頃を思わせる軽快なロックンロール「バーニング・トレイン」。コレも好きっス。ライヴ映えするっス。

これで終わりかと思いきや、最後の最後にフランク再登場。アンプ内蔵ギターをかき鳴らしながらジョージと書いたという「ベイビー・アイ」を歌っておしまい。何とも微笑ましいエンディングでした。


何の前情報も詳しい内容も分からずに書き殴りました。間違っている箇所もいっぱいあることと思います。そこは既に配信の始まったアルバム『レター・トゥ・ユー』に免じて許してください。
だって手元には何の資料も無いんですもん。


今回のレコーディングは昔に戻ったみたいですね。Eストリーターズが結集して侃侃諤諤やって一発録りで作り上げていくやり方。やっぱりEストリート・バンドのレコーディングはこうじゃなきゃ。
結構スティーブンがレコーディングのアレンジ方法仕切ったり、意外にみんな自己アピール強いってのも分かりました。

酒を呑むシーンが多いけど、ブルースが使ってるあのボロいギターは?ニルスとチャーリーはショットグラスではなくマグカップを持っているので下戸なのか?と勘ぐったり、ペンやグラスを持つ手が左なプロフェッサーは左利きなんだ!など、今まで気にしたことのない細かいところが見れて楽しかったです。
それにしてもみんなトシとったなぁ〜笑

明日は朝イチでアルバム複数枚買ってきます。目指せオリコン第一位!
さっき配信が始まって何度も繰り返して聴いていますが、今回のアルバム相当良いですよ。期待以上でした。