先日のレッスンで「風邪の引き始めですか」と言われて、先生がその場で煮出して作ってくださった。「桂枝湯」という漢方薬で、先生自ら生薬を取り寄せ、決まった割合で合わせられたものだ。
温かく、ほんの少し甘さを感じ、最後にのどがピリッとした。少ししたら、声がどんどん出るようになった。
「家でも一週間くらい飲んでみてください」と言われ、きれいな瓶にその場で詰めたものをいただいた。
その時、自分では風邪を引いているという自覚がなく、そんなものかな、分かる人には分かるのかな、という思いもあった。また美しい先生にいただいたものをすぐに飲み尽くしてしまうのも何だかもったいなくて、しばらくカウンターに飾るようにして、毎日眺めていた。
このところ強い風が吹き、長く外にいないといけなかった日もあり、何となく鼻、咽喉、目が花粉症のような状態である。去年の夏は桁外れの孟夏だったから、花粉も桁外れに飛んでいるそうだ。普段の春ならそれほどではない自分も、今年ばかりは鼻をかむティッシュを多めに持ち歩いたり、目薬をさしたりしている。
それで思い立って、今朝いただいた生薬を煮出してみた。出かける前だったので、カップに三分の一ほど飲んだ。
今日も結構外を歩いたのだが、帰ってみると昨日までとはティッシュの減り方が全く違う。目は多少乾いているが、目薬を何度もさしたくなるほど痒くもない。
花粉症に効くとは先生はおっしゃらなかったが、普段薬に慣れていない自分には、こんな症状にも思いの外よく効いたのだろうか。
帰ってからも、残りを少しずつ飲んでみた。
春先から初夏まで本番も続きそうだし、ヤバそうだなと言う時は飲んでみようかな。