マイクロソフトのポータブルプレーヤは"Zune"?
マイクロソフトのiPod / iTunes / PSP キラー計画「プロジェクト・アルゴ」に近いソースによると、11月の登場が噂されるポータブルメディアプレーヤは現在のところ"Zune"と呼ばれているとのこと。最終的にこの名前で発売されることになるのかどうかは不明ですが、Zuneのロゴとされているものが上の画像。
そのほかZune (仮称)についての情報はすでに販売されているMusicGremlin MG-1000とおなじくZune間で内蔵WiFiを使った曲の交換ができること(MusicGremlinのコンテンツサービスはPlaysForSure DRM 使用)、上の画像の白のほかにカラーバリエーションが用意されること、本体の裏面はどこかの何かのように金属+ロゴ刻印になるらしい、など。続報もまもなく。
ZuneはXBOXプロジェクトと密接な関係があるようだが、XBOXのみに依存するようでは普及は見込めない・・・といった主張をDigital Townでは行ってきたが、やはりそこはマイクロソフト、XBOXはPCと同じ位置づけにあるだけで、XBOXを主導としてこの機械の普及を推進していくというわけではないようだ。また、このZuneという固体は、iPodのシェアの20%を奪うことを目標としているそうである。
Zuneの戦略
iPod + iTunes同様にプレーヤとライブラリソフト、 ウェブサービスの連携を重視。
Live Anywhereアーキテクチャの一部としてPC / Xbox / 携帯電話 / Zuneで共有のフレンドリストやマーケットプレイスを提供する。
実は中年が多い iPodユーザ層よりも若い18~28歳がメインターゲット。音楽共有やコミュニティベースのサービスをアピールする。
iPodマーケットの「20%」が目標。
Xbox コミュニティを当初の足がかりに使う。
発売は米国で11月。来年から英国・カナダその他に展開。
Zune本体
内蔵WiFiを使った“ストリーミング共有”機能。最大10台までのZune同士でP2Pに曲をストリーミングできる。ストリーミングされた曲はセーブできないが、あとで購入するため「ブックマーク」できる。(WiFi経由の「交換」機能が別にあるのかどうかは不明。PlaysForSure DRMを使ったWiFi音楽プレーヤMusicGremlinではサブスクリプションサービス加入ユーザ同士で曲の交換が可能)。
DRMつきでない曲のストリーミングができるかどうかは不明。
価格は60GB iPodと同程度。
カラーバリエーションは3種類。
ソフトウェア、音楽ストア
現在WMA / PlaysForSure陣営が採っている「多数の対応デバイスと多様な対応サービス」ではなく、iPod + iTuneのようにひとつのデバイス・ひとつのソフト・ひとつのサービスにフォーカスする。
MySpaceをモデルにしたソーシャル・コミュニティ要素が組み込まれる。
音楽ストアはiTMSと違い一律価格ではない。アラカルト(バラ売り)もサブスクリプション(定額制)も用意される。Napsterのようにサブスクリプションメインではない。
レコードレーベルが段階価格と共に強く求めていた「バンドリング」も採用。つまり普通のCDのような抱き合わせでしか買えない楽曲がある。
マーケティング、広告
秋から大規模な広告キャンペーンを開始。規模はXbox程度(日本のXboxとはまったく別です)。
発売にあわせ著名アーティストのライブと限定ダウンロードを組みあわせた"7 cities and 7 nights" ツアーを主要都市で展開する。
ウォルマートやTarget、Best Buyはじめ全米3万以上の小売店で販売される。
スーパーボウルのスポットCMもやるかも。
すべてを引用してしまったが、とりあえずこのようになるみたいである。この中で注目に値するのは、
11月発売
若年層に働きかける
内蔵Wifiを利用して、登録したZune同士でP2Pネットワークを介したストリーミングを行うことができる(ようするにクローズドなネットラジオ、といったところか)
段階価格制、バンドリング許可
さすがマイクロソフトといえるのは、iTunes+iPodを手本とし、その上に新たな要素を加えている点だろうか。Windowsのデザインや機能がMacを意識したものとなっているというのは、Macユーザーの間ではもはや定説となりつつあるが、しかしZuneにおいてもそれは同様かもしれない。マイクロソフトの追撃からアップルは逃れられるのか。
しかし、マイクロソフトが若年層に働きかけられるかといえば、そうは思えない。これは日本市場に限ったことであるが、たとえば日立がmp3プレーヤーを発売しても、大して売れないだろう。それは、日立が「家電メーカー」という印象が強く、持っていても「かっこいい」とは思われないためである。アップル社もmp3産業に参入した当初はおそらく多くの人間にとって「知らないもの」であったのではないか。高年層なら「倒産しかけてマイクロソフトに助けられた会社」という悪い認識があったかもしれないが、しかしそれ以上にiMacの成功や、Macの会社という認識のほうが強かっただろう。そのような、ほとんど認識のない状態からアップルが知名度を獲得するにいたった理由は、アップル製品の斬新さがそのまま会社に対するイメージに結びついていたからではないだろうか。では、マイクロソフトにもつ一般人のイメージはどうだろうか。決していいものではないはずである。となれば、マイクロソフトはソフトウェア事業で消費者にもたれた負のイメージを払拭する必要が出てくる。ここを見ているような方は思わないだろうが、「ZuneってWindowsの会社がつくってんでしょ?じゃあウイルス感染したりするの?」とか思われる可能性だって否定できないのだ。
マイクロソフトの優位点があるとすれば、「段階価格制」と「バンドリング」の許可により、音楽販売会社の協力が大いに期待できる点である。そしてまた、このサービスの開始とともに、iTunes Music Storeをはじめとする古参の音楽配信サービスは、マイクロソフトの行ったこの決定を追従せざるを得なくなるかもしれない。ただし、それはZuneが一定のシェアを持ちえた場合に限るわけではあるが。
マイクロソフトのiPod / iTunes / PSP キラー計画「プロジェクト・アルゴ」に近いソースによると、11月の登場が噂されるポータブルメディアプレーヤは現在のところ"Zune"と呼ばれているとのこと。最終的にこの名前で発売されることになるのかどうかは不明ですが、Zuneのロゴとされているものが上の画像。
そのほかZune (仮称)についての情報はすでに販売されているMusicGremlin MG-1000とおなじくZune間で内蔵WiFiを使った曲の交換ができること(MusicGremlinのコンテンツサービスはPlaysForSure DRM 使用)、上の画像の白のほかにカラーバリエーションが用意されること、本体の裏面はどこかの何かのように金属+ロゴ刻印になるらしい、など。続報もまもなく。
ZuneはXBOXプロジェクトと密接な関係があるようだが、XBOXのみに依存するようでは普及は見込めない・・・といった主張をDigital Townでは行ってきたが、やはりそこはマイクロソフト、XBOXはPCと同じ位置づけにあるだけで、XBOXを主導としてこの機械の普及を推進していくというわけではないようだ。また、このZuneという固体は、iPodのシェアの20%を奪うことを目標としているそうである。
Zuneの戦略
iPod + iTunes同様にプレーヤとライブラリソフト、 ウェブサービスの連携を重視。
Live Anywhereアーキテクチャの一部としてPC / Xbox / 携帯電話 / Zuneで共有のフレンドリストやマーケットプレイスを提供する。
実は中年が多い iPodユーザ層よりも若い18~28歳がメインターゲット。音楽共有やコミュニティベースのサービスをアピールする。
iPodマーケットの「20%」が目標。
Xbox コミュニティを当初の足がかりに使う。
発売は米国で11月。来年から英国・カナダその他に展開。
Zune本体
内蔵WiFiを使った“ストリーミング共有”機能。最大10台までのZune同士でP2Pに曲をストリーミングできる。ストリーミングされた曲はセーブできないが、あとで購入するため「ブックマーク」できる。(WiFi経由の「交換」機能が別にあるのかどうかは不明。PlaysForSure DRMを使ったWiFi音楽プレーヤMusicGremlinではサブスクリプションサービス加入ユーザ同士で曲の交換が可能)。
DRMつきでない曲のストリーミングができるかどうかは不明。
価格は60GB iPodと同程度。
カラーバリエーションは3種類。
ソフトウェア、音楽ストア
現在WMA / PlaysForSure陣営が採っている「多数の対応デバイスと多様な対応サービス」ではなく、iPod + iTuneのようにひとつのデバイス・ひとつのソフト・ひとつのサービスにフォーカスする。
MySpaceをモデルにしたソーシャル・コミュニティ要素が組み込まれる。
音楽ストアはiTMSと違い一律価格ではない。アラカルト(バラ売り)もサブスクリプション(定額制)も用意される。Napsterのようにサブスクリプションメインではない。
レコードレーベルが段階価格と共に強く求めていた「バンドリング」も採用。つまり普通のCDのような抱き合わせでしか買えない楽曲がある。
マーケティング、広告
秋から大規模な広告キャンペーンを開始。規模はXbox程度(日本のXboxとはまったく別です)。
発売にあわせ著名アーティストのライブと限定ダウンロードを組みあわせた"7 cities and 7 nights" ツアーを主要都市で展開する。
ウォルマートやTarget、Best Buyはじめ全米3万以上の小売店で販売される。
スーパーボウルのスポットCMもやるかも。
すべてを引用してしまったが、とりあえずこのようになるみたいである。この中で注目に値するのは、
11月発売
若年層に働きかける
内蔵Wifiを利用して、登録したZune同士でP2Pネットワークを介したストリーミングを行うことができる(ようするにクローズドなネットラジオ、といったところか)
段階価格制、バンドリング許可
さすがマイクロソフトといえるのは、iTunes+iPodを手本とし、その上に新たな要素を加えている点だろうか。Windowsのデザインや機能がMacを意識したものとなっているというのは、Macユーザーの間ではもはや定説となりつつあるが、しかしZuneにおいてもそれは同様かもしれない。マイクロソフトの追撃からアップルは逃れられるのか。
しかし、マイクロソフトが若年層に働きかけられるかといえば、そうは思えない。これは日本市場に限ったことであるが、たとえば日立がmp3プレーヤーを発売しても、大して売れないだろう。それは、日立が「家電メーカー」という印象が強く、持っていても「かっこいい」とは思われないためである。アップル社もmp3産業に参入した当初はおそらく多くの人間にとって「知らないもの」であったのではないか。高年層なら「倒産しかけてマイクロソフトに助けられた会社」という悪い認識があったかもしれないが、しかしそれ以上にiMacの成功や、Macの会社という認識のほうが強かっただろう。そのような、ほとんど認識のない状態からアップルが知名度を獲得するにいたった理由は、アップル製品の斬新さがそのまま会社に対するイメージに結びついていたからではないだろうか。では、マイクロソフトにもつ一般人のイメージはどうだろうか。決していいものではないはずである。となれば、マイクロソフトはソフトウェア事業で消費者にもたれた負のイメージを払拭する必要が出てくる。ここを見ているような方は思わないだろうが、「ZuneってWindowsの会社がつくってんでしょ?じゃあウイルス感染したりするの?」とか思われる可能性だって否定できないのだ。
マイクロソフトの優位点があるとすれば、「段階価格制」と「バンドリング」の許可により、音楽販売会社の協力が大いに期待できる点である。そしてまた、このサービスの開始とともに、iTunes Music Storeをはじめとする古参の音楽配信サービスは、マイクロソフトの行ったこの決定を追従せざるを得なくなるかもしれない。ただし、それはZuneが一定のシェアを持ちえた場合に限るわけではあるが。