ゴマボンSHOP/インターネット通販

デジタル関連情報 価格 通販 最安値 最新 最安 pc デジカメ ホーム&キッチン 

脳  爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳|3つの脳の構造でわかる人間の三大欲求

2021-03-09 08:52:39 | 近未来













 




3つの脳 爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳


僕たち人間は、3つの脳を同時に併せ持っているとする『脳の三位一体論(triune brain)』という仮説があります。




  • 生きるための爬虫類脳

  • 感じるための哺乳類脳

  • 考えるための人間脳


この3つの脳の特徴から、人間の三大欲求がわかります。

それは、「生きたい・関わりたい・成長したい」です。

この3つの脳の特徴を理解することで、ビジネスではマーケティングやブランディングに役立ちます。また、3つの脳の違いをうまく利用できれば、掲げた目標を達成しやすくなります。

もしも、あなたが人間についての理解を深めたいなら、3つの脳の違いについて知っておいてください。

3つの脳 (脳の三位一体論)


1960年代に提唱された『脳の三位一体論(triune brain)』の仮説によると、人間の脳は太古の脳の基本的構造を保ったまま、地層のように次の脳が付け足される形で進化してきたと考えられました。

  1. ワニやトカゲのような原始爬虫類の脳

  2. ウマやイヌのような旧哺乳類の脳

  3. 急速に発達してきた新哺乳類の脳


そのため、人間は「3つ脳」を同時に併せて持っているとしています。


脳の三層構造

脳の三層構造

















「3つの脳の進化」はマクリーン氏による仮説


この「3つの脳の進化」の仮説は、アメリカ国立精神衛生研究所の脳進化学者ポール・D・マクリーン(Paul D. MacLean)博士によって提唱されました。

1990年に刊行された著書『The Triune Brain in Evolution(邦訳:三つの脳の進化)』では、人間に起こる衝動は、爬虫類から継承された反射脳によって生まれると解説されています。

この「3つの脳の進化」の仮説は、2000年代以降の多くの比較神経学者によって否定されていますが、脳の構造や特徴を理解するには、すごく分かりやすいモデルです。

3つの脳の特徴


例えば、お腹が空いたら食べ物を求めますし、のどが乾けば飲み物を求めます。暑ければ汗をかきますし、寒ければブルブル震えます。これは爬虫類脳が関係しています。

愛する子供を目の前にしたら大好きな感情が抑えられず、思わずニッコリと笑顔がこぼれてしまうかもしれません。これは哺乳類脳が関係しています。

たとえ大好きなタバコであっても、健康のためにはガマンして禁煙をしているかもしれません。これは人間脳が関係しています。

3つの脳の特徴をまとめると、次のとおりです。


3つの脳の特徴

3つの脳の特徴




 

ひとつずつ、特徴を解説していきます。



スポンサード リンク








爬虫類脳(反射脳):脳幹


ワニ

 

 

 

 

 

 

 

『脳の三位一体論』の仮説では、爬虫類脳はもっとも古い脳とされています。頭蓋骨の内側の一番下にあり、「原始爬虫類脳」「反射脳」とも呼ばれます。

自律神経の中核である脳幹、大脳基底核、脊髄によって成り立っていて、本能を司る脳として交感神経や副交感神経をコントロールしています。その役割は、おもに生命維持です。

無意識でする心拍や呼吸、体温調節、食べ物や飲み物を摂ること、性行動に関係しています。また、身の危険を感じた時に反射的に体が反応するのは、この爬虫類脳の領域です。

爬虫類脳をひと言でまとめれば、生きるための脳です。

爬虫類脳の特徴は生命維持のための防衛本能


爬虫類の特徴としては、縄張りに対しての防衛本能があります。

人の場合はパーソナル・スペースと言いますが、あまりにも自分のそばに赤の他人が近寄ってくると、なんだかイヤな気分になりますよね。それは、爬虫類脳の「安全でいたい」という防衛本能が働くからなんですね。

爬虫類脳は生きるために必死なので、自己中心的であり、目の前の短絡的な欲求しか頭にありません。

マクリーン氏によると、爬虫類のコミュニケーションは

  • あいさつ

  • 攻撃・侵略

  • 求婚・求愛

  • 服従


の4種類しかないとしています。

もしも人間が爬虫類脳だけなら、支配するか支配されるか、奪うか奪われるかといった、まるで『北斗の拳』のような殺伐とした世界になってしまうんですね。

爬虫類脳は新しい行動が嫌い


またマクリーン氏によると、爬虫類脳は先祖からの記憶に満ちていて、先祖の命令どおりには働くが、新しい場面に遭遇した時にはうまく機能せず、先祖の記憶に束縛されるとしています。

つまり、「過去の経験則にこだわり、新しいことは嫌い」という性質があるんですね。『安全でいるためには、今までと同じことをしておけば良い』ということです。

この性質のおかげで、僕たち人間はせっかく目標を掲げたのに、なかなか新しい行動にチャレンジできないという事態に陥ります。



スポンサード リンク



哺乳類脳(情動脳):大脳辺縁系



 


馬二頭

 

 

 

 

 

『脳の三位一体論』の仮説では、哺乳類脳は爬虫類脳の次に古い脳とされています。爬虫類脳を覆うように脳の中央に位置していて、「旧哺乳類脳」「情動脳」とも呼ばれます。

扁桃体、海馬体、帯状回などが含まれる大脳辺縁系で成り立っていて、快・不快の刺激に結びついた「喜び・愛情・怒り・恐怖・嫌悪」といった衝動性の感情をコントロールしています。

イヌやネコなどの哺乳類は、トカゲやヘビといった爬虫類とは違って感情が豊かですよね。この本能的な感情によって、愛情を表現したり、不安や恐怖を感じたり、危険や脅威から逃避したり、外敵を攻撃します。

哺乳類脳をひと言でまとめれば、感じるための脳です。

哺乳類脳の特徴は情動による群れ行動


哺乳類の特徴としては、群れで行動することです。

哺乳類脳によって得られる愛情という情動は、自分と近い遺伝子を継承する確率を高めることに役立ちます。これは仲間と協同して子育てをする集団行動や、非力な子供の育児や保護といった母性的な欲求・本能の源泉です。

また、群れのトップであれば、より確実に自分の遺伝子を残すことにつながります。あるいは、優秀なリーダーに付き従えば、種を守ることにつながります。

僕たち人間がコミュニティーを築いたり、その中で自分を重要な存在だと思われたいのは、この哺乳類脳の性質が関係しているんですね。さらには、権威に弱い性質も、この哺乳類脳の影響かもしれません。

犬が人間の赤ちゃんを守るのは哺乳類脳の性質?


YouTube動画では、犬が人間の赤ちゃんを守ろうとする心温まる映像を見かけますよね。それは本能的に仲間内の弱者を守ろうとする、哺乳類脳の性質なのかもしれないですね。

人間脳(理性脳):大脳新皮質


 

本を読む男性

 

 

 

 

 

『脳の三位一体論』の仮説では、人間脳はもっとも新しい脳とされています。脳の一番外側にあり、「新哺乳類脳」「理性脳」とも呼ばれます。

大脳新皮質の両半球(右脳・左脳)から成り立っていて、認知能力、言語機能、学習能力、創造的思考能力、空間把握能力などをコントロールします。

人間脳をひと言でまとめれば、考えるための脳です。

人間脳の特徴は論理的な思考


僕たち人間と動物を隔てるものは、自分自身について考える内省能力であり、内省によって得られる未来への思考能力です。

自分自身や未来を考える能力があるからこそ、理性的であり、学習したいと感じ、目的意識を持って行動することができます。

  • 「創造的なことをしたい」

  • 「目標達成したい」

  • 「成長したい」


という考えは、内省できるからこそであり、未来を想像できる人間脳の性質によるものなんですね。

もしも未来への思考力がなければ、禁煙をしようとか、ダイエットをしようとか、将来を見据えて勉強するようなことはできません。

また、人間脳の理性があるからこそ、お腹が減ったからといって簡単に食べ物を盗むことはしませんし、ムカつくからといって簡単に人を殴ることをしないんですね。

3つの脳でわかる人間の三大欲求と三大意識


もう一度、3つの脳の特徴を見てください。この3つの脳の特徴から、人間の三大欲求がわかります。


3つの脳の特徴

3つの脳の特徴




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爬虫類脳は、生命維持のために安全意識が働きます。生きるために食べ、休み、身の危険が迫ったら反射的に体が動きます。「安全でいること」、これが爬虫類脳の欲求です。

哺乳類脳は、情動が生まれることで仲間意識が働きます。愛情を感じ、仲間と協同することが種の存続につながります。「仲間を作ること」、これが哺乳類脳の欲求です。

人間脳は、未来的な思考ができることで目的意識が働きます。目の前の本能の支配から逃れ、未来のために行動をしようとします。「成長すること」、これが人間脳の欲求です。

脳の三大意識を図式化してみる


3つの脳の階層順で脳の機能をイラスト化してみると、「人間の三大意識」としては、次のように表現できます。


人間の脳の三大意識

人間の脳の三大意識




 

 

 

 

 

 

 

ピラミッド型にした理由は、「爬虫類脳・哺乳類脳」の影響力が「人間脳」よりもはるかに大きいからです。

この階層を見てみると、人間の三大欲求を表したERG理論や、マズローの5段階欲求説と似ていることがわかります。

3つの脳が連動することが人間の苦悩


人間脳はもっとも高次で複雑な情報処理を行う部位であるとされます。

ですが実際は、人間脳だけでは高度な情報処理はできず、哺乳類脳や爬虫類脳などと連動しながら高次な情報処理を実現していると考えられています。

ようするに、3つの脳は切り離して機能させることはできないんですね。

マクリーン氏は、爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳の3つの脳が同居していることが『人間の苦悩』であるとしました。

なぜなら、人間は進化が速すぎたために3つの脳の連携がうまくいかず、度々、影響力の大きな爬虫類脳や哺乳類脳に支配されると考えたからです。

『人間の苦悩』が進化の速度によるものかは定かではありませんが、多くの人が次のような苦労をしていると思います。

爬虫類脳と哺乳類脳に支配される人間脳


例えば、あなたがダイエットを考えたとします。

もしも3つの脳を切り離せるとしたら、人間脳だけが働いて、たんたんとダイエットを進めることができるはずです。

ですが実際は、爬虫類脳は「なんで今までと違うことをするんだ? 甘くておいしいケーキは目の前にあるぞ」と抵抗し、哺乳類脳も「ダイエットって面倒だから嫌い・・・」と抵抗します。

その結果、「・・・そんなに無理してダイエットしなくても、いいか」と挫折してしまいます。

逆に言えば、爬虫類脳と哺乳類脳をうまく連動させることができれば、目標達成はしやすくなるということですね。

人間脳を鍛え、脳にストレスを与えないことが大切


熟考が得意な人間脳は、脳にストレスがかかることで働きが弱くなります。つまり、プレッシャーがかかっていたり、疲れていると、爬虫類脳の短絡的思考になりやすいということです。

ですので目標達成をしたいのであれば、なるべく脳がストレスを受けない状態にしておくことが大切です。

さらに、人間脳である、やる気や思考力を司る「前頭連合野」を鍛えることで、短絡的な欲求をコントロールしやすくなります。

マーケティングに応用する3つの脳の欲求


3つの脳の欲求をマーケティングに応用するためには、影響力の大きな爬虫類脳や哺乳類脳から訴えるようにします。

爬虫類脳に訴えるには


爬虫類脳に訴えるには、防衛本能である「安全・支配」のキーワードを利用します。

例えば、勝利を強調することで「安全を確保したい」「支配したい」という欲求に訴えることができます。また、楽ができることを強調することで、現状維持による「安全を確保したい」欲求に訴えることもできます。

さらに、不安や屈辱を強調することで「誰からも支配されたくない」という自由への欲求に訴えることもできます。

ターゲットが男性であれば、性的な欲望に訴えることで興味を引くことができます。

哺乳類脳に訴えるには


哺乳類脳に訴えるには、「好き嫌い・仲間」のキーワードを利用します。

例えば、疎外感や孤独の危機感を強調することで、「嫌われたくない」「どこかのカテゴリーへ所属したい」という欲求に訴えることができます。また、仲間内での特別感を強調すれば、「好かれたい」「カテゴリーの中で優れた存在でいたい」という欲求に訴えることもできます。

ターゲットが女性であれば、「愛される存在になる」ことを訴えれば、興味を引きやすくなります。

爬虫類脳と哺乳類脳に訴えるコツ


爬虫類脳と哺乳類脳に訴えるには、いずれにしても『短期間での解決策』であることを強調することが大切です。この2つの脳は、短絡的な欲求を求めるからですね。

例えば、次のようなキャッチコピーを使います。

例え




  • 「たった2週間で変化が実感できます」

  • 「今すぐ解決できます」



人間脳に訴えるには


人間脳に訴えるには、「成長・成功」のキーワードを利用します。

例えば、問題解決や達成感を強調することで「成長したい」という欲求に訴えることができます。また、新しいことを強調すれば、「新しい知識を手に入れて成功したい」という欲求に訴えることができます。

さらに、効率を強調すれば「失敗したくない」という欲求に訴えることもできます。

人間脳に訴えるコツ


人間脳に訴えるには、『長期間に渡る解決策』であることを強調します。なぜなら人間脳は、未来的な思考をするからですね。

例えば、次のようなキャッチコピーを使います。

例え




  • 「この先行投資が、あなたを一生涯守ってくれます」

  • 「一度テクニックが身につけば、この先、路頭に迷う心配がなくなります」







ポール・D・マクリーン博士の『脳の三位一体論』は、進化の過程によって人間の脳には「3つの脳」が同居しているとした仮説です。

シンプルに言えば、人間の脳は反射的な爬虫類脳と、情動的な哺乳類脳と、理性的な人間脳の三層構造で構成されています。

この3つの脳の特徴をまとめると、人間の三大欲求がわかります。

それは、「生きたい・関わりたい・成長したい」です。

ただし、人間脳の欲求である「成長したい」という願いは、度々、爬虫類脳や哺乳類脳に邪魔をされます。なぜなら、爬虫類脳は変化を嫌う性質を持っていて、爬虫類脳や哺乳類脳の影響力は人間脳よりもはるかに大きいからです。

いかに爬虫類脳と哺乳類脳の影響力を味方につけるか、あるいは無視できるかが、目標達成では大切なんですね。

次の記事では、爬虫類脳や哺乳類脳の影響力がはるかに大きい理由と、目標達成の解決策を解説します。
Next⇒「古い脳 VS 新しい脳|脳の特徴でわかる人生の苦悩と解決策












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

栄養  「白米好きの日本人」を襲ったヤバい病気の正体

2021-03-09 08:31:52 | 健康






白米好きの日本人の命を多く奪った「ある病気」の正体とは?(写真:taa/PIXTA)


白米ばかり食べる日本人を襲った「ある病気」の正体とは? 作家の新晴正氏による『謎と疑問にズバリ答える! 日本史の新視点』より一部抜粋・再構成してお届けする。

最近は健康面を考えて白米に玄米や雑穀を混ぜて炊く家庭も増えているが、やはり食べておいしいのは白米だけで炊いたご飯、すなわち白ご飯だ。炊きたての白ご飯に味噌汁とぬか漬けの一品でもあればあとは何もいらない、という人も少なくない。

かつては「ごちそう」だった白ご飯


そんな日本人になじみ深い白ご飯だが、一体いつごろから食べられているのか調べてみると、意外なことがわかった。実は一部の大都市圏を除き、常食するようになったのは明治時代に入ってからなのだ。

たとえば江戸時代、江戸に住む人たちに限っては長屋暮らしの八っつあん熊さんたちでも日に3度、白ご飯を食べていたが、一歩江戸の郊外に出ると、米農家であっても作った米の大半が年貢として取られてしまうため、白ご飯を食べることができたのは祭礼の日などに限られた。まさに「ハレ」の日のご馳走だったのである。

したがって大方の日本人は白米を常食するようになってまだ百数十年しかたっていないのだ。本稿ではそんな白米食の歴史と、なぜ江戸っ子だけが白ご飯を食べることができたのか、そしてそれによって生まれた「江戸患い」と呼ばれた白米食の弊害についても語ってみたい。

玄米を精米して食べるようになったのは奈良時代のことらしい。精米によってビタミンという栄養を含んだ胚芽部分やぬか層を捨ててしまうことになるのだが、もちろんそんな知識は当時の人たちにはない。胚芽やぬか層が残っていると、たんに食べたときに味や食感、消化も悪くなるからそうしただけのことである。

しかし、この精米作業はなにぶん重労働なので、庶民は玄米を軽く精米したものを蒸して食べる「強飯(こわいい)」を長く常食してきた。白米は貴族など一部の特権階級に限られていたらしい。

室町時代に入ると農業技術の進歩や新田開発もあって、全国的に米の生産量が増大する。しかし、庶民が日常的に白米を食べるまでにはまだ至っていない。それが少しずつ改善してきたのは江戸時代になり、世の中が安定して米の生産量が一段と増大するようになってからである。

中国から足踏み式精米が伝わり、精米作業が大幅に省力化されたことも大きかった。それまでは餅をつくように臼と杵で精米していたのだが、これは大変な重労働であった。

その点、シーソー式の足踏み精米なら労力は半減するうえ従来より大量の玄米を短時間で精米できた。さらに江戸も中期になると、水車を動力にして精米する技術が広がり、精米がより簡単に、より大量にできるようになったのである。こうして精米された白米は、大消費地である江戸にどんどん流れ込んだ。

白米ばかり食べる人を悩ます「江戸患い」とは?


江戸っ子は元来が見栄っ張りである。おかずを削ってでも白ご飯を食べることを好んだ。水道で産湯をつかったことと、日に三度白ご飯を食べられることが、何よりの自慢だったという。

これは江戸が急造都市で肉体労働者が多かったことと無縁ではないだろう。日々、肉体労働に汗を流すと、どうしても塩気の多いおかずが欲しくなり、そうしたおかずには分づき米で炊いたご飯よりも断然白米で炊いたご飯のほうが相性は良かった。

もう一つ、江戸っ子に白ご飯が好まれた理由に、当時の食習慣が関係していた。当時の家庭はどこでも炊飯は朝一回きりで、昼も夜も朝炊いた残りを食べた。そうなると玄米に近い分づき米だと、夜ともなればご飯がプーンと不快なにおいを放つようになる。夏場なら尚更だ。それが嫌で極力白米を選んだわけである。

ところが、大好きな白米を買うと、それほど稼ぎがあるわけではないので、おかずを買うまでの余裕はない。そこで自然、ご飯だけをたくさん食べることになる。

その結果、ビタミン不足が原因で中枢神経が侵されて足元がふらついたり倦怠感や心不全、いらいらなど様々な脚気症状を招いてしまった。この病気は参勤交代で江戸に暮らす勤番侍に多かったことから「江戸患い」とも呼ばれた。

日本史上、「脚気」が原因で亡くなったと思われる有名人は少なくない。徳川将軍家などは3代家光、5代綱吉、13代家定、14代家茂とまさにオンパレードである。

なかでも14代家茂の場合は特にかわいそうだった。家茂は20歳かそこらで長州征討のさなかに病死するのだが、相思相愛だった夫人の皇女和宮もその後32歳の若さで亡くなっている。夫婦そろって脚気が原因とみられている。

脚気は「贅沢病」だった?


近年の研究では、豊臣秀吉も脚気で亡くなったとする説が有力視されている。晩年の秀吉が悩まされていた、下痢や失禁、精神錯乱などはまさにビタミン不足によるものだという。してみると、秀吉が晩年になって甥の秀次に切腹を命じたり、朝鮮出兵を言い出したりしたことも、脚気のせいだったと考えると、少しは同情したくなるのだが、これは筆者だけだろうか。

この脚気は、いったん患うと数日で亡くなることも珍しくなかった。飽きやすく何をしても長続きしない人のことを嘲って「三日坊主」というたとえがあるが、この言葉は本来、脚気を患ってたった3日で亡くなってしまい、坊主(僧侶)を手配しなければならなくなった、という意味だとも言われている。真偽は定かでないが、それほど江戸の人々にとっては怖い病気だったということである。

脚気が江戸患いとも言われ、勤番侍に罹患する者が多かった。これは、国元では滅多に食べられない白ご飯が江戸ではいくらでも食べられることに感激し、在府中に白ご飯ばかり食べ続けたからである。

したがって、国元に戻っていつもどおりの玄米に近い分づき米に雑穀や大根などを混ぜて炊いたご飯(「かてめし」という)を食べていると、いつのまにか体調不良がケロッと治ってしまった。このことから「贅沢病」と言われたりもしたという。

こうしたことを江戸時代の人々は体験的に知っていたのである。とりわけ江戸っ子たちにぬか漬けやそばが好まれたが、ぬかは精米時に玄米から取り除いたものだし、そばも現代ではビタミンをたっぷり含んでいることがわかっている。こうした食べ物から、精米で捨ててしまったビタミンを無意識のうちに補っていたわけである。

この脚気という厄介な病気は、江戸時代が終わって、明治、大正時代になっても日本人を悩ませ続けた。特に明治から大正時代にかけては江戸時代よりもはるかに多くの患者を出し続けたとみられており、肺結核と並んで二大国民病とも言われた。

脚気による死亡者数がピークとなった大正12年にはなんと2万6796人もの人々が1年間に亡くなっていた。

明治・大正期に脚気が蔓延した大きな理由は、「軍隊」にあった。明治の世となり、政府は西欧列強に追いつくため「富国強兵」と「殖産興業」をスローガンに掲げたことはご存じのとおり。

特に富国強兵策として明治6年に「徴兵令」を公布し、全国の農村から若者を集めた。その際政府は、若者たちに対し軍隊に入れば1日6合の白米を食べさせると約束したのである。

この条件は当時の農村の若者たちにとっては実に魅力的だった。御一新を迎えるまでは年貢年貢で締め付けられ、ほとんど白ご飯を食べられなかっただけに、それが毎日腹いっぱい食べられるとあって農家の次三男坊は喜んで軍隊に飛び込んだ。そして、白ご飯を食べまくった。このことが脚気患者を著しく増やす原因となった。

日清戦争(明治27年)では約20万の兵を動員したが、その2割までが脚気患者だった。これは公式に認定された数字で実数はもっと多いとみられている。しかも、患者の大半は陸軍の兵であった。海軍のほうはビタミンの存在にこそ気づかたよいていなかったものの、偏った栄養摂取が脚気の原因であると考え、早くから兵食改革に乗り出していた。そのことが功を奏したのである。

一方の陸軍は、脚気は伝染病の一種で空気感染によって起こるという東大医学部が唱えた説を頑なに支持していて、その後も兵らに与える食事に対しなんら対策を講じなかった。

脚気を食い止めなかった森鷗外の失敗


その結果は10年後の日露戦争でもはっきり表れた。戦病死者3万7200余人のうち、脚気による死者は実に約75パーセントに当たる2万7800人を数えた(『医海時報』明治41年10月)。

この数字から逆算すれば脚気にかかった陸軍兵士の総数は30万人を超えていたとみられている。一方の海軍はこの日露戦争での脚気の罹患者は87人で、亡くなったのは3人にとどまっている。

ここにきてさすがの陸軍も兵食改革に着手するかに思われたが、世の中全体が戦勝ムードに浮かれていたこともあり、改革どころか陸軍幹部の責任も一切問われなかった。その責任を負うべき中心的人物に、当時は陸軍省医務局の幹部だった森鷗外(のちの文豪)がいたことは記憶にとどめておきたい。

その後、明治43年になり、農芸化学の鈴木梅太郎博士が、ぬかの中からビタミンを抽出することに成功する。しかし、鈴木博士は医学者ではなかったため医学界からは何年も黙殺された。これも脚気患者を増やす一因となった。

日本人の永い永い脚気との戦いにようやく終止符が打たれたのは大正時代も末期になってからであった。

 
:












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の運勢  3月9日  Today's fortune March 9

2021-03-09 08:09:46 | 運命学










吊るし人
正位置・・・自己犠牲。自己放棄。試練。修行。難行。殉教者。幽界(潜在意識の世界)からの導き。身動きのとれない状況。服従。復活。再生。心の柔軟性。
逆位置・・・我欲のとりこ。わがまま。自己主張がすぎる。つかみ難い態度や状況。敗北に導く精神的葛藤。
ウェイト解説
正位置・・・英知。慎重。洞察力。試練。犠牲。直観。占術。予言。
逆位置・・・利己主義。民衆。国民。国家。政治団体。




八白土星の日


 内輪もめが起こりやすい。格別慈悲心が大切の日。もうけ話は損失となりやすい

何かを始めるのに適した日。
リスクのあることや、躊躇していたことにも果敢にチャレンジすることで、良い結果が現れます。
全く未知の分野であっても積極的に挑戦してください。
自分に自信をもって、少しオーバーなくらいの気持ちで臨むとよいでしょう




Hanging person
Positive position ... Self-sacrifice. Self-renunciation. trial. Training. Difficulty. Martyr. Guidance from the ghost world (the subconscious world). A situation where you cannot move. Obedience. Revival. Regeneration. Flexibility of the mind.
Reverse position ... Captivity of selfishness. Self-indulgence. Too much self-assertion. An attitude or situation that is difficult to grasp. Mental conflict leading to defeat.
Weight commentary
Positive position ... wisdom. Be careful. Insight. trial. Sacrifice. Intuition. Fortune-telling. Prophecy.
Reverse position ... selfishness. people. The people. Nation. Political organization.





Yashiro Saturn Day


Inner ring wrinkles are likely to occur. A day when special mercy is important. Making money is easy to lose

A good day to start something.
Good results can be achieved by boldly challenging things that are at risk or hesitant.
Please challenge positively even in a completely unknown field.
It's a good idea to be confident in yourself and feel a little overkill.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の運勢  3月9日  Today's fortune March 9

2021-03-09 08:09:46 | 運命学











吊るし人
正位置・・・自己犠牲。自己放棄。試練。修行。難行。殉教者。幽界(潜在意識の世界)からの導き。身動きのとれない状況。服従。復活。再生。心の柔軟性。
逆位置・・・我欲のとりこ。わがまま。自己主張がすぎる。つかみ難い態度や状況。敗北に導く精神的葛藤。
ウェイト解説
正位置・・・英知。慎重。洞察力。試練。犠牲。直観。占術。予言。
逆位置・・・利己主義。民衆。国民。国家。政治団体。




八白土星の日


 内輪もめが起こりやすい。格別慈悲心が大切の日。もうけ話は損失となりやすい

何かを始めるのに適した日。
リスクのあることや、躊躇していたことにも果敢にチャレンジすることで、良い結果が現れます。
全く未知の分野であっても積極的に挑戦してください。
自分に自信をもって、少しオーバーなくらいの気持ちで臨むとよいでしょう




Hanging person
Positive position ... Self-sacrifice. Self-renunciation. trial. Training. Difficulty. Martyr. Guidance from the ghost world (the subconscious world). A situation where you cannot move. Obedience. Revival. Regeneration. Flexibility of the mind.
Reverse position ... Captivity of selfishness. Self-indulgence. Too much self-assertion. An attitude or situation that is difficult to grasp. Mental conflict leading to defeat.
Weight commentary
Positive position ... wisdom. Be careful. Insight. trial. Sacrifice. Intuition. Fortune-telling. Prophecy.
Reverse position ... selfishness. people. The people. Nation. Political organization.





Yashiro Saturn Day


Inner ring wrinkles are likely to occur. A day when special mercy is important. Making money is easy to lose

A good day to start something.
Good results can be achieved by boldly challenging things that are at risk or hesitant.
Please challenge positively even in a completely unknown field.
It's a good idea to be confident in yourself and feel a little overkill.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする