長崎市の伊藤一長市長が銃撃された夜、安倍首相は「捜査当局において厳正に捜査が行われ、真相が究明されることを望む」とコメントを発表した。その翌日のテレビで、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(日頃は、あまり好きではないが)が「一国のリーダーが出すコメントとしては弱い」という意味のことを言っていたが、まったく同感だ。
多くの政府関係者や与野党の幹部がコメントを出したが、いずれも「民主主義を揺るがす行為だ、絶対に許すことは出来ない」「政治家の言論の自由を封じる行為は許されない」というように、断固たる強いコメントを発表している。
それに比べ、安倍首相のコメントは誠に頼りない、弱いものだった。その後は強いメッセージを出してはいるが、やはり最初の段階での発言が大事なのだ。
小泉前首相と比較すると、こうした時の発信力が弱い。これでは国民の心に響かない。一身を賭して日本と国民を守るという覚悟が伝わってこないのだ。
首相になる前から気になっていたが、安倍首相が発言する際、
「○○であろう~」という言い方をすることが多い。しかし、どこか決断力のなさや、逃げの姿勢を感じさせ、あまり感心しない印象を受けていた。現代社会においては、マスメディアを通じて、こうしたマイナスの印象は即座に国民伝わっていくものだ。今後は、一国のリーダーに相応しい、的確な強いメッセージを発信してもらいたい。