北の旅人

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死刑執行は当然のこと

2012-04-01 13:41:21 | Weblog

3月29日、3人の死刑が執行された。2010年7月28日に、2人が執行されて以来で、民主党の政権になって2回目だ。これにより、現在の死刑確定者は132人だという。小川敏夫法務大臣は、執行後の記者会見で、「刑罰権は国民にあり、その国民の声を反映する目的で導入された裁判員裁判でも死刑が支持されている。反対はあっても職責を果たすべきだと考えた」と語った。

 新聞の見出しは、「3人の死刑執行」「死刑1年8か月ぶり執行」「死刑 裁判員支持で決断」「法相『国民が支持』」「裁判員の厳罰傾向重視」「死刑反対派『法相、聞く耳ない』などと書いているが、死刑は、至極当然のことなのだ。遺族らも「一つの区切り」「当然」と語っている。

 日本弁護士連合会の宇都宮健児会長は「民主党が公約で死刑存廃の国民的議論を行うとしていたことに対し、[議論が尽くされるどころか、方針も立てられていない中で死刑執行が再開されたことは、極めて遺憾]という声明を出した。ここにも、民主党が政権交代するために、バラ色のマニフェストを掲げてはみたものの、ことごとく破綻していることを実証していることの一例がある。

 また、超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香・国民新党代表)や人権団体のメンバーが執行を強く批判した。議連の村越祐民事務局長(民主党)は、「死刑は国民に支持されている」と強調したことについて、「執行という重い判断を国民に転嫁している」と批判し、社民党の福島瑞穂党首も「政権交代で日本も死刑廃止に踏み出すべきだが、自民党政権と全く変わらない」と述べた。

NPO法人監獄人権センターの田鎖麻衣子事務局長は「国民の支持があるというが、ごく基本的な情報すら出ていない」と死刑に関する情報公開の遅れを批判した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本の若林秀樹事務局長は 、「死刑は生きる権利を侵害する残虐で非人道的な刑罰。たとえ8割の国民の支持があっても、それに押されて執行すべきでない」と訴えた。 

 しかし、反対派の話はどうしても理解できない。反対の最大の理由は、「死刑は生きる権利を侵害する残虐で非人道的な刑罰」というものらしいのだが、ならば、何の落ち度もない人間が、残虐な行為によって殺された場合は、まさに生きる権利を侵害されたことになるのだ。それだけに止まらず、被害者の家族にとっても人生を大きく狂わされてしまう事になるのだ。その被害者や家族を差し置いて、殺人を犯したものを擁護するということは、何の説得力もない。

 死刑廃止論者、人権派の皆さんに声を大にして言いたい!

「生きる権利を侵害する残虐で非人間的な殺人」を犯した人間は、「自らが人権を放棄した」ことになるということを。事件によっては、冤罪ということを十分に考慮しなければならないことは当然のことだ。

従来の日本の裁判は、被害者の立場よりも加害者の立場にたって、如何に更生させるかに重点が置かれてきた。本来、被害者の立場から考えなければならないのに、全くおかしな状況が続いてきた。そういう意味で、今回の死刑執行は、粛々と受け止めるべきだ。テレビなどでは、「今後、論議を呼びそうです」などと、無責任なコメントを発していたが、ほんの一部の死刑廃止論者に媚びることは止めるべきだ。

裁判員裁判が始まって、少しずつ常識的な判断が下されるようになってきたが、まだまだ理解し難い判決も多い。国民が納得できる裁判を強く望みたい。