東国原・宮崎県知事が衆院選には出馬しない意向を表明したと言われるが、まったく当たり前のことだ。少なくとも、任期を全うしなければ極めて無責任だし、県民を欺いたことになる。
知事は、「県民から国政で汗をかけと言われれば意見交換する」「県民のためになるのであれば」「宮崎県の緊急事態」「一知事がどんなに頑張っても日本のシステムを変えられない」など、色々言っているが、「どげんかせんといかん!」と言って県民の大きな支持を得て知事になった以上、マニフェストの実行を目指して知事職を務めあげなければならない。
いくら、緊急事態だからといっても説得力に欠けるし、任期半ばで放り投げて国政に出ていったとしても、日本のシステムを変えられるほどの力をつけるには相当な時間を必要とするだろう。それどころか、あの永田町独特の流れに呑み込まれる確率のほうが高いだろう。人気があるからということで国政に引っ張り出され、使い捨て同然にされて消えて行った人たちは数知れない。
確かに、宮崎県知事としては、よくやっているとは思うが、いくら国政へのチャンスだとはいっても腰を浮かせることなく、しっかりと実績を積み上げ、今までにない新しい知事像を確立させることこそが東国原知事の本来的な進むべき道だ。
地方から日本を変えるという視点や、新しい発想による県政の推進に全力で取り組んでいるという姿勢が見えるからこそ、高い支持率を得ているのである。そこを勘違いしないでほしい。
そうでなければ、知事職は単に国政へ進出するための腰掛けにしたにすぎないということになり、一気に県民の信頼を失うことになる。
また、東国原知事を衆院選に担ぎ出そうと考える自民党も安易すぎる。なりふりかまわず人気のある候補者を出そうということだが、知事選で自民党は他の候補を支持した経緯があり、いくら想定外の事態とはいえ、こんなことをやるようじゃ誠に情けない。
東国原知事は「今のところは出るつもりはない」というようなコメントを繰り返しているが、キッパリと不出馬宣言を行うべきだ。