北の旅人

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東京都知事選挙ー誰を選ぶか?

2016-07-16 14:14:41 | Weblog

主な候補者が3人出揃った。果たして東京都民は誰を選ぶのか?僅か17日間で選択をしなければならないのは大変ではある。しかし、その中でベターな候補は誰か。都民ではないのでテレビや新聞などを通じてしか分からないが、いずれにしても、舛添氏、猪瀬氏が「政治とカネ」の問題で任期途中に辞めてしまったということを大前提として考えなければならない。

その上で、日本の顔である東京都知事として相応しいのは誰かということだ。これからの東京に対する確たるビジョンを持っているか、16万都職員の上に立ってリーダーシップを十分に発揮できるのか、激務をこなせるだけのバイタリティを持ち合わせているかなど、しっかり見極める必要がある。

3人の候補の印象を記しておきたい。

<鳥越俊太郎氏(76)=民進・共産・社民・生活推薦>

いかにもドタバタの末に出馬が決まっただけに、肝心な政策は実に心もとない。「住んで良し」「働いて良し」「環境に良し」というスローガンを掲げているが、野党4党の統一候補が先にありきで、しかも、都知事出馬の動機が参院選の結果に衝撃を受けたというのは少しピントがずれているのではないか。(全く関係ないとは言わないが)都知事というポジションを得て、安保法制や憲法改正問題などにも発言していこうということらしいのだが、具体的な政策の発言はあまりしていない。

しかし、一番の懸念は、健康問題だ。選挙スタート初日の街頭演説が、JR新宿駅の一か所だけだったというのは選挙戦略上のことかもしれないが、ちょっと気にかかる。ネット上では、鳥越氏が記者会見で「終戦時、20歳だった」と発言し、その後もTV番組(報道ステーション)で同じ発言をしているので、健康上に問題があるのではないかと指摘されている。氏は昭和15年生まれなので、明らかに辻褄が合わない。

また、自らはガンを克服し、今が一番元気なくらいだと強調し、ガン経験者でも都知事が出来るところを見せたいと意欲を見せるが、現実的には、残念ながら激務をこなすのは無理と言わざるを得ない。万が一、任期途中での退場となったら、またまた、50億円という膨大な選挙費用が掛かるのだ。そう考えると、リスクは非常に高い。

野党4党は、ジャーナリストとしての高い知名度を優先させて推薦したのだが、行政手腕はゼロだ。確かに今までの経験を生かして、新しい発想を吹き込むことも必要ではあるが、都政の推進には大きな危惧を感ぜざるを得ない。

<小池百合子氏(64)>

元環境大臣・防衛大臣の経歴を引っ提げて自ら名乗りを上げた。しかし、自民党都連に所属しながらルールを無視して出馬したため、混乱を引き起こしたが、常識的には理解し難い行動だ。都知事を目指すという意欲は買うが、やはり組織内で先ず意思表示して事を進めるべきではなかったか。マスメディアは「小池劇場」や「百合子の乱」などと表現し、元キャスターだけあってメディア戦略が上手い!と褒めたりしていたが、参院選の最中にもかかわらず連日メディアに登場。「女一人の戦い様を見てほしい」「たまには女性知事がいてもいいのではないか」と意欲満々だった。しかし、自民党の推薦を得られなくなると、今度は「悲劇のヒロイン」を演じているようで、どうも鼻につく。「策士、策に溺れる」と言えそうだ。

その発言にも違和感を持つ。当選したら、いきなり冒頭解散すると。知事には解散権がないにもかかわらずだ。都議会側から不信任案が出されなければ解散出来ないのだ。しかも、選挙となれば、先にも記したとおり50億円もの費用がかかるのだ。都議会自民党をブラックボックス呼ばわりしているが、こんな不満は組織内で論じることであって、見当違いではないか。

舛添氏は、若い時からテレビにも多く出演していただけに、パフォーマンスに長けていたが、そういう政治手法故に「政治とカネ」の面で疑惑まみれとなってしまった。小池氏も、パフォーマンス先行型のきらいを多分に感じさせる。マスコミでは、すでに幾つかの「政治とカネ」の問題が指摘されている。果たして、これらの点について明快な説明がなされるのだろうか。

<増田寛也氏(64)=自民・公明・こころ推薦>

鳥越氏、小池氏と比較してみると、結局は増田氏がベターな候補と言えるのではないか。岩手県知事、総務大臣を務め行政経験があるのは強みだ。今のところ、「政治とカネ」の問題はなさそうだし、パフォーマンスもあまり得意ではないようだ。どちらかと言えば、実務型であり、着実に政策を前進させる能力を有しているのではないか。

3期12年間の岩手県知事時代、就任前の2倍、1兆4千億円の借金を残したと批判する向きもあるが、全て知事の責任ばかりとは言えまい。チェック機能を果たすべき議会にも責任があったのではないか。都議会においては、その機能をしっかり果たせば、そうした懸念は払拭できるはずだ。

また、かつて「地方の人口減」について、東京の一極集中を是正するべきと強調していたことについて、都知事の立場としては矛盾するのではないかと指摘されている。しかし、これとて、日本全体のことを考えれば当然のことであって、豊かな都の財政を考えれば、そう心配するほどの事ではないだろう。

今回の都知事選挙は、舛添氏の「政治とカネ」に端を発していることを考えれば、決して知名度や人気ばかりに焦点を当てるのではなく、「住みやすい東京」をつくる政策を着実に推進できるリーダーを選ぶべきだ。一票を有しないが、息子や知人・友人が住む東京だ。無関心ではいられない。



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