青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

レンヒーフォとレンプクソウ

2024-07-06 21:28:21 | 雑記 報告


朝起きてすぐに机に向かい、深夜までひたすらパソコンとスキャナーに向かってフィルムの整理をしている。パソコンの画面を凝視し続けているからか、猛烈な吐き気と眩暈に襲われる。それとともに、左足のくるぶしが激痛。別にどこかに打ち付けたとかではない。疲労骨折では?と思いレントゲンを撮ったが問題なし。痛風かも知れないのだけれど、どうも感じが違う。やがて左足全体がパンパンに腫れてきた。10年前のチベット高原での左足切断危機から続いている一連の症状である。余りの激痛と吐き気で病院に行った。血圧を測ったら、測れないと。上限の240?を振り切ってしまっているのだそうだ。で、3時間ほど点滴。座薬などを処方してもらい、なんとか収まったが、この一週間ほどは連日その繰り返しである。吐き気と眩暈のほうは、パソコンに10分ほど向かった後、隣のベッドで10分ほど休む、を繰り返していたら、すこしは良くなった。左足の激痛は相変わらず続いている。朝起きると激痛→痛み止めと座薬(あるいは病院での点滴)で昼間は何とか遣り過ごす、夜になるとパンパンに腫れて来る→朝方脹れは引くが激痛、その繰り返し。痛風でも疲労骨折でもなく、血栓が原因かも知れない、とのことで、一昨日総合病院で詳しい検査をしたのだけれど、それも異常なし。原因が分からないので、お手上げ状態である。まあ、いつの間にか収まるのがいつものパターンなので(今日は少しは痛みが和らいできているし)、時が経つのを待つしかない。



レンヒーフォ、やっと規定打席に達して、首位打者に躍り出たのは良いが、去年終盤のデジャブ、よくわからない手首の炎症(バットを振った途端の激痛)で、戦線離脱だ。DLに入ってしまった(復帰は一週間後)が骨折ではなかったようなので、不幸中の幸い、早期の回復を祈るしかない。今回の突然の首位打者登場は、流石に「大リーグで最も過小評価されている選手」(僕が言っているのではなくネットのあちこちでも指摘されている)といえども、相当の話題になっている様子。なんせ、ジャッジ、スタントン、(リーグは違うが)大谷ら、錚々たる超ビッグネームを従えて、打撃成績トップに名前が鎮座している。嘘みたいな話である。僕のようなコアな(まともな)ファンはともかくとして、エンゼルスファンの多くにとっては、まさか、あのヒーフォーが?と信じられない思いでいるようだ。多くのファンは、打率は低く(→実際は首位打者)、ホームランは打てず(→実際はここ数試合連発)、足は遅く(→実際は盗塁王を争っている)、守備は下手(→実際はMLB有数のユータリティ選手)、と何故か思い込んでいるわけで、その取るに足らない存在の(ほぼ大谷の遊び相手としてしか認識されていなかった)ヒーホーが、シーズン途中とは言え、なんと首位打者なのである。それも、ジャッジ、スタントン、大谷の上に、、、。エンゼルスファンとしては、驚きと戸惑いと誇らしさが入り混じったような思いであろう、あの「小間使いにしか過ぎなかったヒーホーが堂々表舞台に」「記念にランキング表をコピーしておこう」と、結構盛り上がっていたのだが、今回のアクシデントで、案の定、一瞬の「栄光」と化してしまいかねないわけだ。



「屋久島の植物」は、全4巻800頁予定(サブタイトル「大和と琉球と大陸の狭間でPartⅡ」)、結構自信作と成りそうである。第一巻が8割がた完成、ちょうど「ガマズミ属(ムシカリ/サンゴジュ/ミヤマシグレ)」を編成し終えたところである。科名は、これまでに所属していた馴染の「スイカズラ科」ではなく、聞き慣れない「レンプクソウ科」。APG分類で劇的な変動が為されたのが、被子植物中の基幹近くに位置するユリ科群と、末端近くに位置するシソ科群である。後者は、シソ科、ゴマノハグサ科、クマツヅラ科、(群は異なるが比較的近い位置付けにある)スイカズラ科等々、一般に良く知られたメジャーな科が、“ガラガラポン”で大幅な組み直しが行われている。ブログ連載一時保留中のシオガマギク属(ゴマノハグサ科→ハマウツボ科)などもその一つ。再編後の所属科が(よりポピュラーな)「シオガマギク科」ではなくて(余りなじみのない)「ハマウツボ科」に(事務的な手続き上)なったわけで、戸惑いを感じている人も多いと思う。それでも旧ハマウツボ科には、オニクとかナンバンギセルとか、ユニークな著名種も含まれていたわけで(それにシオガマギク属自体が半寄生植物であることを再確認するためにも)ハマウツボ科を科名に冠することは、それなりに意味があることと思われる。しかしながら、「レンプクソウ科」、こちらは予想だにしなかった。オミナエシ科がスイカズラ科に吸収された一方、ガマズミ属がスイカズラ科から弾き出されてレンプクソウ科に移ったわけだが、流石に違和感満載と言える。従来のスイカズラ科の中心メンバーであるガマズミ属(とニワトコ属)が、そっくり別科に移籍するわけだから、新たにガマズミ科を設置(再導入)すれば納得がいきそうに思える。それが、ガマズミ、コデマリ、ムシカリ、サンゴジュ、ヤマシグレ、、、といったスター樹木からなるガマズミ属を差し置いて、よりによって、マイナーもマイナー、ほとんどの人の脳裏にはかすりもしないであろう、1属1種(中国産を数種に細分し、ほかに近縁数属を追加する見解あり)の、究極の地味でかつ余りにちっぽけなレンプクソウを科名に戴いた「レンプクソウ科」に移籍。レンプクソウは、僕も確かにどこかで撮影した覚えがある。けれどうっかり写したことさえ忘れてしまっていて、スリーブのまま写真を切り離してさえいない(慌てて探したけれど見つからなかった)。存在を無視していたのである。なんせ学名Adoxaからして「栄光に値しない」「取るに足らない」の意味である由。十両に一場所かすっただけのほぼ無名の関取が、横綱大関人気三役力士たちを部屋付き親方に差し置いて一門の長に祭り上げられてしまったようなものである。それもこれも、「ガマズミ科」より「レンプクソウ科」のほうが(地味とは言え広くヨーロッパまで分布すること、どの科に入れて良いのか分からなくて取り敢えず独立の科が設置されていたことなどから)先に記載済みで優先権が与えられるという事務的なルールに従わざるを得ないことに拠る。似たような例が以前にもあった。ミカン科は一時「マツカゼソウ科」として示されていた。やはり違和感満載ではあったが、いつの間にか「ミカン科」に戻されている(経緯については未チェック)。こちらも「ガマズミ科」にしちゃって良いのではないだろうか。学名は事務的な呪縛から動かせないとしても、和名は自由である。細かい事を言えば、例えばアゲハチョウ科は「キアゲハ科」(もしくは「セイヨウキアゲハ科」)でなくてはならないわけで、流石にそこまではと、「アゲハチョウ(種としては東アジアに固有)科」の慣例表示が為されているわけだ。しかしながら、「ガマズミ科」はそこまでポピュラーな名ではないわけだから、お上に従うとなれば、「レンプクソウ科」でなくてはならない。教科書や図鑑の表記は、APG分類(第2版)に従って、一斉に「レンプクソウ科」と書き換えられた。ところが、この問題は、あっけなく(二転三転)解決してしまったのである。改めて調べ直したところ、「ガマズミ科」のほうが「レンプクソウ科」よりも先に記載されていることが判明し、APG分類第3版では、無事?「ガマズミ科」と表示されることが決定、教科書や図鑑は慌てて再訂正が為されるわけで、滑稽なこと極まりない。「科学的」であることなど、まあその程度の意味合いしかないのだと思う。いずれにせよ、「レンプクソウ科」は、超マイナーな存在から、突然表舞台に登場するという思いもよらぬ栄光に晒されたのち、一瞬の間に名もなきマイナーな存在に逆戻りという、なんとも皮肉な運命を辿っているわけだ。水原一平氏やレンヒーホーの航跡とも重なるような(むろん彼らにはそれぞれの再復活を期待しているが)。レンプクソウも、地味でマイナーではあっても、魅力に富んだ存在ではあるのだと思う。表舞台からの退却はちょっと残念ではあるが、一瞬と言えどもその存在が知れ渡ったわけで、それはそれで良かったのではないかと思っている。「屋久島の植物」でも、「ガマズミ(レンプクソウ)科」として、名を残して置きたい。





ムシカリ(オオカメノキ)

屋久島花之江河-黒味岳 2006.4.26





Viburnum sp.

湖南省南山村-広西壮族自治区芙蓉村 2009.5.18





Viburnum sp.

テネシー州ラ・コンテ山中腹 2005.5.18















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