中国大陸(附:日本列島)のハマウツボ科(シオガマギク属を中心に) 10
Orobanchaceae (mainly Pedicularis) from China (and Japan) 10
1-1-2-2-2-2-2-2-2-2-2花は茎の上部や茎頂に密生する
1-1-2-2-2-2-2-2-2-2-2-1下唇は波打つ【Group Ⅶ】
1-1-2-2-2-2-2-2--2-2-2-1-1上唇は白色
〖16〗 Pedicularis rhinanthoides subsp.labellate 拟鼻花马先蒿
*无枝群 Grex Apocladus 无枝亚群 Subgrex Apocladus 拟鼻花系 Ser. Rhinanthoides
写真⓵
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/27/573e4ac76ba72458c9e37be3dec3e1ba.jpg)
四川省巴朗山alt.4500m付近. Jul.31,2010
〖17〗と同一分類群。葉は重鋸歯を伴った羽状中裂、高さ10数㎝の茎頂に濃赤褐色の斑点をもつ淡黄褐色の紡錘状萼筒が5~10ほど束生、その先に短い花筒部を伴った花が咲く。下唇はピンク色で、3片とも幅広く広がって重なり会い、若い時点から萎れ気味に波打ち、青紫色の細脈をめぐらす。嘴状上唇は純白、基部から立ち上がり、中央が膨れて、先半は極めて細い管状となって内側へ曲がりながら下伸する。
1-1-2-2-2-2-2-2--2-2-2-1-2上唇は下唇と同じピンク色
〖17〗(same as the 16)
写真⓶-⓻
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/78/ddd8fc609758a1a76c8c7faf86818b19.jpg)
四川省巴朗山alt.4500m付近. Jul.31,2010
写真⓼-⑩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/27/b7d70c481c247806f203fd3679fed9bf.jpg)
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四川省雅江~臥龍峠間(渓流源頭部の草地)alt.3700m付近. Jun.7,2010
写真⑪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/33/a1553899c8e76819941a67c55703f968.jpg)
四川省塔公~八美間(日当たりの良い高山草原)alt.4200m付近. Jul.24,2010
〖16〗と同一分類群。葉は羽状中裂、重鋸歯の先端が鋭く尖る。高さ10~数10㎝ほどの茎頂に、膨らんだ紡錘状の萼片が5~10ほど束生(詰まった総状~輪状)、その先に余り長くはない花筒部を伴った花が咲く。上方から見ると、5~10程が丸く輪生する。下唇は3片が余り分離せず幅広く広がり、若い時点から萎れ気味に波打ち、ピンク~濃ピンク色、数本の赤褐色の脈があり、中央付近は白い。上唇は〖16〗に比べ、基半部の立ち上がりや中央部の膨れは顕著ではなく、先半の細い管状部は、より捻れて曲がりくねる。萼筒は、巴朗山産で最も濃く濃赤紫褐色、雅江産では疎らな斑点を生じ、塔公産では斑紋を欠き全体が淡緑色を呈する。
1-1-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2下唇は平坦
1-1-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-1下唇は径3㎝超、苞葉は合着【Group Ⅵ】
〖18〗 Pedicularis superba华丽马先蒿
*斗叶群 Grex Cyathophora 华丽系 Ser. Superbae
写真⑫⑬
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/21/1dcc98d8678f61374523b648eeec53ed.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/67/14b708d820a40e3da2b7bc100c80a0fb.jpg)
雲南省白馬雪山alt.4200m付近. Jul.30,2015
茎の高くなる種では最も大型の花をもつ種の一つ。茎高数10㎝。葉は重鋸歯の羽状全裂、4~5枚が輪生し、基部が合着して大型の碗状となり、葉腋に4~5個の花をつける。萼筒は碗状の苞葉の内側に収まって外からは見えにくいが、苞葉と似た姿をしているように思われる。下唇は薄紫がかったピンク色で、径3~4㎝、左右に幅広く、背縁は盛り上がる。中央裂片は側裂片より小さく、重なり合わない。上唇は嘴状で、強く内側に湾曲し、尖端は濃色を帯び鋭く尖る。シャクナゲや針葉樹の灌木を交えた急斜面の高山礫地に、ぽつんと生えていた。
**大型種で、葉の基部が合着して箱状になることなど、〖56-58〗Pedicularis rexとの類似点が多い。本書では上唇の形状から両者を遠い類縁に位置づけたが、「中国植物志」では両者を(本書で紹介した他の全ての種とは異なる)同一グループ(Grex Cyathophora斗叶群、ただし別Siris)に置いている。