近日中にインターネット上でも刊行を予定しています。目次と、あとがき(付記)を紹介しておきます。
週刊/Weekly Magazine 【2022年2月5日号】
中国(および東アジア)の蝶 Butterflie of China(and Eastern Asia) 中国(和东亚)的蝴蝶
Limenitis mimica 拟缕线蛱蝶 アサギイチモンジ(2010.6.15 雲南省梅里雪山西当~雨崩)
イチモンジチョウ族Limenitidini线蛱蝶族 【タテハチョウ科Nymphalidae蛱蝶科】
Junzo Aoyama 【Photo office萌葱】
线蛱蝶 White Admiral Family Nymphalidae, Subfamily Limenitidinae, Tribe Limenitidini
イチモンジチョウ族Limenitidiniに所属する全ての種を広義のイチモンジチョウ属Limenitisに含めたうで、
( )内に亜属名を示した。ただし、各亜属への帰属は慣例によるもので、系統関係は反映していない。中国名も“线蛱蝶”で統一し[]内に中国で使用している名を添えた。
はじめに P.2
目次 P.3
Limenitis(Limenitis)populi 红线蛱蝶 オオイチモンジ(ウスグロオオイチモンジ) P.6
Limenitis dubernardi 蓝线蛱蝶 ミヤマアオイチモンジ P.7
Limenitis(Litinga)mimica 拟缕线蛱蝶[拟缕蛺蝶] アサギイチモンジ P.8
Limenitis(Litinga)cottini 缕线蛺蝶[缕蛺蝶] ヒメゴマダライチモンジ P.9
Limenitis(Ladoga)helmanni 扬眉线蛱蝶 ナガサキイチモンジ P.11
Limenitis doerriesi 断眉线蛱蝶 デリースイチモンジ P.12
Limenitis(Ladoga)homeyeri 戟眉线蛱蝶 ホソオビイチモンジ P.13
Limenitis(Ladoga) camilla 隱线蛺蝶 イチモンジチョウ P.14
Limenitis(Ladoga) glorifica 戈线蛺蝶 アサマイチモンジ P.15
Limenitis(Ladoga)sulpitia 残锷线蛱蝶 タイワンホシミスジ P.16
Limenitis recurva 倒钩线蛱蝶[倒钩帶蛱蝶] カギモンイチモンジ P.17
Limenitis(Athyma)opalina 虯线蛺蝶[虯帶蛺蝶] ヒラヤマミスジ P.18
Limenitis(Athyma)jina 玉杵线蛺蝶[玉杵帶蛺蝶] ニトベミスジ P.19
Limenitis ciocolatina 巧克力线蛺蝶 チョコレートイチモンジ P.20
Limenitis(Athyma)puncutata 六點线蛺蝶[六點帶蛺蝶] ニセメスアカムラサキ P.20
Limenitis(Parasarpa) albomaculata 白斑线蛱蝶[白斑徘蛱蝶] オオニセメスアカムラサキ P.21
Limenitis(Patsuia)sinensium 黃葩线蛺蝶[中華黃葩蛺蝶] キモンイチモンジ P.22
Limenitis moltorechiti 橫眉线蛺蝶 ヨコマユイチモンジ P.23
Limenitis(Athyma)nefta 相思线蛺蝶[相思帶蛺蝶] ツマアカイチモンジ P.23
Limenitis(Athyma)ranga 離斑线蛺蝶[離斑帶蛺蝶] ゴマダライチモンジ P.24
Limenitis orientalis 三帶线蛺蝶[(No Chinese name)]ミスジイチモンジ P.25
Limenitis(Athyma)selenophora 新月线蛺蝶[新月帶蛺蝶] ヤエヤマイチモンジ P.26
Limenitis(Athyma)cama 雙色线蛺蝶[雙色帶蛺蝶] タイワンイチモンジ P.27
Limenitis(Athyma)asura 珠履线蛺蝶[珠履帶蛺蝶] ナカグロミスジ P.32
Limenitis(Sumalia)daraxa 青肃线蛱蝶[肃蛱蝶] アオスジタテハ P.33
Limenitis(Parasarpa)dudu 丫纹线蛱蝶[丫纹俳蛱蝶] ムラサキイチモンジ P.34
Limenitis(Auzakia)devana 奥线蛱蝶[奥蛱蝶] アズキイチモンジ P.35
Limenitis各種の♂交尾器図 P.36
「中国のチョウ」解説文再掲 P.38
雲南省梅里雪山のイチモンジチョウ類 P.50
ベトナム・ファンシーパン山のイチモンジチョウ類 P.68
フォトギャラリーほか P.76
Seokia prattii 锦瑟蛱蝶 ベニホシイチモンジ/Chalinga elwesi 艾维线蛱蝶 ウラアカイチモンジ P.81
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付記Ⅰ
それまではイチモンジチョウの仲間だと考えられていたChalinga elewsiについて、その処遇に疑問を呈した吉田徹也氏(コムラサキ研究のオーソリティの一人)は、筆者に標本とともに再検討を委ねられた。♂交尾器を検した結果、Seokia prattiiと、基本的な構造が完全に一致することが判明、両者をイチモンジチョウ亜科その他から切り離した、独立の分類群に所属せしめるべきであることが判明した。しばらくして、某氏との電話での会話中に、その話題を告げた。「吉田氏からの依頼ゆえ発表は暫く控えてほしい」と添えて。しかし、某氏は、我々が発表する前に、学会誌での報告を(僕が教えたことも記さず謝辞も添えずに)行なってしまった。私はそのすぐ後に刊行した「中国のチョウ」で、発表する予定だった♂交尾器の比較図と詳細な解説を紹介した。その際、「同様の見解はすでに発表されている、なぜその報文を引用しないのか」というお叱りを受け、2重の意味で辛い思いをした。実は、このような例は、枚挙にいとまない。筆者が、蝶愛好家の世界と距離を置いているのも、その辺りに要因がある。
付記Ⅱ
2年前、著者の持つハードディスク2台が、相次いでクラッシュしてしまった。ちょうど、パソコンやハードデスクから、別のハードディスクに移す作業をしていた途上である。運悪く、そのうちの1台に、これまでに撮影した蝶のほとんど全ての写真を移動し終えた直後である。もう一台には、2011年~2012年撮影の全てのオリジナル写真が入っていた。この両年は、梅里雪山を中心に積極的に蝶の撮影をしていた年だ。したがって、多くの蝶のオリジナル写真が消失してしまうことになった。パソコン内部や他のハードディスク内に残ったのは、送信のため極端に軽く処理した写真と、ブログに張り付けた写真がほとんど。「梅里雪山の蝶」ほかの自主制作本は、それらの残った写真を利用して作ったものである。小さなサイズの本を作ることは可能だとしても、大きく引き伸ばした写真は使えない。ただし、原稿の作成と写真の整理の真っただ中だったシロチョウ科(ことにAporia各種)の写真は、その大半の原版を、 ちょうどパソコン内部に一時保管していたときだったので、多くのカットが難を免れた(それで「梅里雪山および中国西南部の蝶ⅡAporiaとPierinae」を作成しえたのである。その対極がタテハチョウ科(ことにLimenitis各種)。写真の整理を終え、ほとんどすべてのカットをパソコン内部からハードディスクに戻し終えた直後のクラッシュ。しかも、この仲間は多くの写真が2011年~2012年度の撮影なので、原版写真は皆無に近い、という状況になってしまった。幸い、というか、テスト制作用にワードに張り付けたものが何組かある。「梅里雪山の蝶」に利用したカットや、今回準備した資料は、それからの転用である。クオリティの低いことは、ご了解頂きたい。また、オリジナル写真を見ることが難しいので、データの確認作業にも手間がかかる。(ごく僅かではあるが)一部の写真については、日付に若干の誤記が成されている可能性がある。正確なデータが確認出来次第、訂正を行いたいと考えている。ご了解頂きたい。
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中国大陸周辺地域産イチモンジチョウ族27種(+関連種)の生態写真の紹介(本文は日本語・英語・中国語)。それに「中国のチョウ」(1998)の解説文(主に雄交尾器の形状比較によるsectionの分類)の再録などを加えた。表紙・裏表紙を加えて88頁。
2022年4月15日
青山潤三
Photo office 萌葱MOEGI
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