登校拒否・不登校に学ぶ フレンズネットワーク くまもと  【不登校 命を守る 子の反応】  一人で悩まないで!  

不登校から学んで、子どもたちを取り巻く環境を改善しようと1997年に設立した団体です。その活動や想い等をつづります。

父親との関わり  会報ふれんず131号 より

2020-06-21 22:46:26 | 会報「ふれんず」から

2010年5月8日の親の会の報告から

 

4 父親との関わり

:高3の息子と高2の娘がいます。
  主人は、少しのことでキレて手がでます。自分の機嫌で叩いたり、ここまで言うの!? みたいな感じです。いつそうなるか、家中ビクビクしています。主人のお父さんも厳しい人ですが、今は手を出しません。息子が学校に行けず、布団から出られないときに、おじいちゃんが起こしに来てくれました。
  息子は、なるべく父親と関わらず、卒業まで我慢して家を出たいと思っています。以前、母子3人で家を出て主人と距離をおいた時があって、主人も少し変わってやさしい言葉を言うときもありますが、息子は信じられないようです。別れることにも、主人の両親が反対しています。

:お父さんも苦しいです。去年の4月に父親だけの集まりをしましたが、一番心配されているのが「このまま社会人になって、生きていけるのか?」ということです。でもいろいろみていると、不登校だった子も、いろんな局面の中で何とか生きているのがみえます。

:娘から「産んだのだから責任をとって殺してちょうだい」と言われたときはきつかったです。ベルトをみると首を絞めようとし、24時間、死ぬんじゃないかと思っていました。「なぜ、産んだのか?」とも言われました。

H: 親は答えきれなくて、どうもできませんね。

B: 答えられない親も、真剣に向き合おうとしているのであれば、子どもは親の言葉に詰る生の姿から、何かを感じとるのではないでしょうか。

H: 自分は親に出しきれなかったです。「自分の気持ちを出してくれる子どもは、親孝行をしてくれている」と思ったほうがいいいです。

:親の会に来て、主人が変わり、子どもが変わりました。これは確実です。子どもには、「お父さんがいて家が成り立っているので、大事にしないと」と話しています。「いつか刺す」と言っていた息子が、主人が変わり、一緒にご飯を食べ、テレビを見、玄関まで送る・・・大嫌いだった父親に、ここまで変われるのかと思います。
  以前、阿蘇の青年の家であった親の会に家族で行きました。子どもたちはボランティアの方と絵を描いたり、ケーキを作ったり、みんなで1泊しました。主人には「あなたが変わったから、この家は変わった」と大げさに伝えています。でも、いい人になった訳ではありません。(笑)
  4年経ってこの状態。「自立して、親なしでも生きていける」最後はここです!!

祖母:親の会はいいですね。今日は感激して、聴いていて涙がでました。若い頃に聴いていたら、自分の子育てももっと変わったと思います。

 

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五味太郎さんから「ガキ」たちへ 会報ふれんず243号 より

2020-06-09 13:43:39 | 会報「ふれんず」から

こんな記事みつけました  朝日新聞 2020年4月14日(火)の記事


ごみ・たろう 1945年生まれ。『きんぎょが にげた』『みんなうんち』など        

400冊以上の著書がある。エッセーに『大人問題』など。         

絵本作家五味太郎さんから「ガキ」たちへ

突然の休校から学校再開と思ったら、また休校――。新型コロナウィルスを巡り二転三転する状況に、すっかり疲れている親子も多いのでは。しかし、絵本作家の五味太郎さんは、愛情を込めて「ガキ」と呼ぶ子どもたちへ、「これはチャンスだぞ」と呼びかけます。
 
休校は チャンスだぞ
  ————急に学校が閉められて先の見通しも立たず、大人も子ども不安定になっていると感じます。


  それじゃ、逆に聞くけど、コロナの前は安定してた?居心地はよかった?
 普段から感じてる不安が、コロナ問題に移行しているだじゃないかな。こういう時、いつも「早く元に戻ればいい」って言われがちだけど、じゃあその元は本当に充実してたの?と問うてみたい。
 
本当は何がしたい?問えるとき
 
子どもに失礼
おれはもともと、今の学校や社会は、子どもに失礼だと思ってる。


————失礼、ですか?
 
子どもにとって教育は「権利」だと憲法に書いてあるのに、6歳になったら必ず学校に行き、しかも学校も先生もほぼ選べない。おれの娘は2人とも途中で学校に行くのをやめたけど、学校に向いてる子と向いてない子、あるいはどっちでもいい子がいる。
学校に行きたくない子どもに親が行きなさいというのは、子どもが「お風呂が熱い」って言ってるのに、親が「肩までつかって100までかぞえなさい」というようなもので・・・。


————耳が痛いです。


そうでしょう。これに耐えれば卒業証書、修了証書、退職金と続いていく。で、疲れちゃって、考えるのをやめていく。それを繰り返しているうちに、自分が何がしたいかわからなくなっていく。わくわくしながら仕事に行ってる人ってどれくらいいるのかな。


————子どもの邪魔をしないように、大人が気をつけることは何でしょう。


例えば、子どもが絵を描いてるわきに言って「なに描いてるの?上手ね」なんて言わないこと。ピカソに対してはそう言わないでしょう。それはその子個人の絵なんだから。
そんな大人にいっぱい来られて、「お花かわいいわね」と言われたりしてると、めんどうくさくなって、ウケるものを描いてしまう。大人がやりがちなミスです。
ガキたちには、むしろこれがチャンスだぞって言いたいな。心も日常生活も、乱れるがゆえのチャンス。

本質はっきり


————チャンス?


だって、学校も仕事ね。ある意味でいま枠組みが崩壊しているからふだんの何がつまらなかったのか、本当は何がしたたいのか、ニュートラルに問いやすいときじゃない?
働き方も国会も、色んなことの本質が露呈しちゃっている。五輪延期も、オリンピックより人の命って結構大事なんだなとやっと再確認したんだろうし、優先順位がはっきりしてくる。
感染者が何人、株価がどう、と毎日ニュースで急カーブのグラフばかり見せられて、グローバルと言っても、心でグローバルしてたんじゃなくてお金がグローバルしてただけなんだなとしみじみ思うよね。
こうなると、世界の全体像は誰もわからない。せっかくなら、前よりよくしましょうよ。


————そうわかっていても毎日ギスギス、オドオドしてしまいますが・・・。


いまは、子どもも大人も、本当に考える時期。『じょうぶな頭とかしこい体になるために』という本を書いたことがあるけど、戦後ずーっと「じょうぶな体」がいいと言われてきた。それはつまり、働かされちゃう体。「かしこい頭」っていうのは、うまく世の中と付き合いすぎちゃう頭で、きりがないし、いざという時に弱いからね。今こそ、自分で考える頭と、敏感で時折きちんとサボれる体が必要だと思う。
心っていう漢字って、パラパラしてていいと思わない?先人の感性はキュートだな。心は乱れて当たり前。常に揺れ動いて変わる。もっと言えば、不安とか不安定こそが生きてるってことじゃないかな。
 

(聞き手・田淵紫織)
 
 

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お便りコーナー

2020-06-04 13:58:57 | 会報「ふれんず」から

会報より一部

お便りコーナー 会員さんから嬉しいメールが届きました。(少し省略してあります)

 

Eさん

うちの息子は通信制の高校を卒業しました。レポートを仕上げて持って行く、という通い方でした。同級生と逢うことも、行事に参加する事もありませんでした。卒業式もです。
卒業文集に息子が書いてました。「通信制でも高校に行けているという心の余裕ができたため、今まで引きこもりだった自分も外に出たり、人と接したりするのが少し楽になりました。仕事も見つかり、少し前に進めた気がします」と。
息子は4月から週に3日、支援事業所で指導員として働いてます。
不安に思う事は山ほどありますが、息子のペースで少しずつ進んで行くのが一番だと思ってます。

▼Fさん

こんにちは。今回もコロナ禍で大変な時に通信を送って下さり、ありがとうございました。毎回楽しみにしています。
おかれた環境、年齢は違いますが、自分たちの事のように読ませて頂いています。
昨年10月より不登校になった息子(現高校2年(休学2年目))が挿し絵を描いたので、使えるかわかりませんが、送らせてもらいました。
先日、本人から通信制の高校に行きたいと言われ、今親子で調べているところです。積極的という感じではありませんでしたが、とても嬉しいことでした。あまり一喜一憂せず、見守りたいと思っています。
私と長男は普段から家ごもりをしているので、今回のことも差程苦痛は無いのですが、主人と次男はストレスを感じている様子です。色々な意味で、命の守り方というものを考える機会になっているなと感じています。皆様どうぞご自愛下さい。                  2020.5.6 

※挿し絵はご両親のもあるそうです。今回表紙その他に使わせていただきました。

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