登校拒否・不登校に学ぶ フレンズネットワーク くまもと  【不登校 命を守る 子の反応】  一人で悩まないで!  

不登校から学んで、子どもたちを取り巻く環境を改善しようと1997年に設立した団体です。その活動や想い等をつづります。

第59回高生研2021オンライン全国大会

2021-07-27 23:10:56 | お知らせ

「第59回高生研2021オンライン全国大会」

8月7・8・9日(土・日・月祝日)の3日間にわたり、Zoomを使って開催


この大会でフレンズネットワークの代表か゛8月9日にスピーチします。

分科会名  不登校の子どもたちとその家族
「ありがとう不登校~苦しみに寄り添い、辛さを分かち合う 親の会の出会いから」
熊本県・江藤 圭子(不登校・登校拒否に学ぶフレンズネットワーク くまもと代表)


スケジュール確認や参加申し込み手続は、以下の申し込みフォームから

https://kouseiken.jp/Taikai/2021%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%b3%e5%85%a8%e5%9b%bd%e5%a4%a7%e4%bc%9a%e5%8f%82%e5%8a%a0%e7%94%b3%e8%be%bc%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%a0/

参加費は無料ですが、申込は必要です。
締め切りは7月28日(水)

参加したいものが選べます。

申込者には、一般分科会、基調討議、映画視聴、問題別分科会、総会

それぞれのZoomURLが送られてきます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会報ふれんず199号より 「中学校の現場から見た不登校」 ②

2021-07-26 15:02:52 | 不登校についての考え

「中学校の現場から見た不登校」  ②  前記事の続き

 

▼それから、厳しい家庭環境の中で育って、暴れたら手がつけられない子どもがいたんです。

私が会いに行くと悪態の数々を吐かれました。それでもこの子に関わっていると、中学2年生の職場体験の前に、その子が「パン屋かな、ケーキ屋さんかな」と言ったんです。だから何とかその子でも行けそうなパン屋さんを探し出しました。それから話が出来るようになっていきました。

その後、校内行事でみんなと一緒にやる喜びを覚えたらしくて、3年生になったら積極的に動き始めました。そして落ち着いて生活をするようになっていきましたが、高校は中退しました。ですが、私は高校を辞めることは良いと思っているんです。その時に「自分は向かなかったんだから、次に行くんだ」と整理さえ付けば良いので、あんまり一カ所に止まる必要はないと思っています。何かあったときは一緒に考えて、次のことを考えようという「気楽さ」みたいなことは必要かなと思います。

▼また別の子は、先生とのトラブルで3年間全く行けてなくて、中学校に入学してきて、私が3年間担任をしました。とにかく、学校に来ると言葉が震えて出ないというか学校恐怖みたいなのがあって、学校に無理矢理連れて行くということが無理な生徒でした。だけど、中学を卒業したらどうする?ということは常に言っていかないといけないし、登校しないとどんなリスクを背負うかということも話をしながら、自分の将来を考えさせました。ですが結論はなかなか出ません。

3年生になって「高校に行きたい」と言ったけど、殆ど学校に来れてないので「続くのか?」と思いました。でも今は不登校でも、ずっとそうかは誰にも分からない。その子が行きたいと言う以上、応援をしてあげたいと思っています。

この子は3年間続いちゃったんです。その後は大学進学。びっくりしました。

▼次は、中学時代は休むことはあったが、うまく3年間来れた子の例です。

卒業後、私立高校に入学。しかし、その高校でいじめに遭い、半年ぐらいで「辞めたい」と相談がありました。

その時は、そのまま状況を見ながら高校をしばらく休んで1年留年する方法と、はっきりと自分はこの高校に合わないと判断して別の学校に転校する方法があるよと話しました。その後「転校したい」と言うので別の高校を紹介しました。その後は続いたみたいです。この子も看護系の大学に進んで今活躍しています。

この時考えたんですが、一人ぐらいそこの学校生活に合わないというのは、至極当然な事なので、もし合わなかったら違う環境の中、状況を変えてみるのも1つの手だと思っています。

▼それから、兄弟全員不登校の子ってよく聞きますよね。私が関わった家庭では、兄弟4人とも全員不登校でした。ただ、私が担任した下の子は人付き合いが上手な子で、ほぼ毎日迎えに行きました。私は日頃から、毎日家庭訪問するのは逆効果で良くないと言っていたんでが、その子の場合は朝から起こして学校に連れて行った方が良いと思ったので、ほぼ毎日家に行って声かけして、学校に来れる状況だったら一緒に行くということを続けていきました。この子は休みながらも3年間ほかの仲間と途切れることなく来てくれたんです。ただ、授業には出てなかったので、進路はかなり厳しい状況でした。この子もまた八代の高校にお世話になったんですが、なんと短大から大学に行くということで、びっくりしました。

▼それから一番最近のことですが、人と会うと緊張してしまって、正門まで来てても担任の先生と会っただけで急いで逃げ帰っていく子がいました。

私は「学校に来るのが嫌だったら、家に行って良いかなぁ?」と聞いたんです。最初は嫌がられましたが「いいよ」と言うから、その後は毎週その子の家で一緒に勉強をしました。

ある時、本人に「どうする?」と聞くと「大学に行きたい」と言うんです。私は「中学校も全然来てないんだけど」と言うと、「そうだけど、僕は行きたいんです」「それじゃ、将来どうしたいの?」「税理士とか・・」と、普通の人でも難しいことを挙げるんです。そして「税理士になるためには大学に行かないといけません。どうすれば高校に行けますか?」と聞いてくるんです。私は、それなりの勉強をしていかないと難しいよと返したら、「高校に行けるかは分かりませんけど、将来はそうしたいんです」と言うんです。その子は2年生の途中から学習ルームに来れるようになりましたが、教室に入ったのは3年間で3日間でした。

その子が「進学校に行きたい」と言いだしたので、(遠いけど)寮のある高校を紹介したんです。でも「寮は嫌だ」と本人が言うので、一緒に勉強を続けました。夏休みも自分から塾に行き始めました。この子は頑張り始めたら寝ないで頑張るんです。だけどそんな状態は長続きはしません。「頑張り過ぎじゃない」と言っても「この位しないと駄目なんです」と言って頑張ってしまうんです。そして12月に進学校に行きたいと言うので、集中的に勉強してきたんです。でもまだ厳しいと思っていたら、合格しちゃいました。でも、私もお母さんも通い続ける事は無理だと思ってたんです。

入学後は順調でしたが、だんだん休みが増えていきました。本人は、あと何日休めば危ないということを計算をしながら、いま頑張っています。現在高校2年生です。これからも相談をしようと話しています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会報ふれんず199号より

2021-07-18 16:00:47 | 会報「ふれんず」から

2016年6月30日発行の会報から 講演の記録の一部です。(現在はもう退職されています)

「中学校の現場から見た不登校」

    熊本市立西原中学校教諭  二見政輝 先生 

 

 私は来年の3月には退職です。よくここまで教員が出来たなぁと思っています。私は理学部出身で、企業に2年間勤め、その後、仕方なく教員になりました。そして「学校に行けない子どもたち」に出会いました。

▼学校に行かないと学力が落ちたりしますが、私は、学校に行かないということが問題ではなくて、学校に行かないことによって、本人や親が傷つけられる状況の方が、もっと問題だと思います。学校に行かないと進路も厳しくなりますが、長い目で見れば遅れて進むことは出来るわけです。

私は、本人の意思を確認しながら共に歩んでいくタイプの教員です。だから、子どもを学校に来させようと最初から思いません。本人が学校に来たいんだったらそのお手伝いをするし、高校に行きたいんだったらそのお手伝いもするし、何もしてほしくないときは一緒にじっと横にいたり、話を聞いたりするだけかなと思っています。

▼最近、特別支援ということが学校の中でよく言われるようになりました。「一人ひとりの子どもに合った計画を立てなさい、その子の状況を確認してどう進めていくのか、そういう情報を共有していきなさい」と国は言ってきています。ですが、障がいっていうのは多かれ少なかれ誰でも持っていて、そこに着目するよりも、その子の一番困っているところを解決することの方が大切で、私は「共に学んでいくような社会づくり」というのを考えています。

それから、不登校になると自信を無くし、自尊感情を無くしていく。すると無力感になって何も手に付かなくなって前に進めないという状況になります。だから、学校に行く、行かないことよりも、自尊感情を高めてやることの方が大事だと思います。

▼学校に来られない子どもに初めて遭ったのが教員5年目でした。私はその時、熊本に唯一活動されてた登校拒否の親の会に行って、どうしたら良いか聞いてみました。でも誰も教えてくれません。結局「こうすれば学校に行けるようになるというものは無いんだ」という事が分かりました。その後「不登校の問題を考える会」を立ち上げました。

その中では教師も親も含めて、一番話題になったのが成績の問題でした。不登校の子どもたちはみな成績に「1」が付けられて、これば差別だということで県教育委員会に交渉しました。その後、教育委員会で検討され、結局出てきたのは「不登校の子どもたちに一律に“1”の評価を振るのは良くないから、評価をするための資料を集めなさい」ということでした。

これは、不登校の子どもに、テストやプリントをさせたりして評価の材料にしなさいということですが、反って「子どもを追い込むこと」になりかねないという心配が出てきました。

それでも、この子は結果的には高校には行けませんでした。結局数年かけて大検を受けて大学に進学をして税理士になりました。

この時私は「学校に行けないという事で進路が閉ざされる訳ではない」と思いました。その子がやる気になれさえすれば大学も行けるし、自分の目指している職業にも就けるんだと分かりました。

▼次のケースですが、クラスの子どもたちが名前は知っているんだけど顔は知らない不登校の子どもっているわけです。担任として、学校を休んでいる子どもとクラスの子たちとの繋がりをどう付けていくかがとっても難しいんです。

結局、その子の持っているものを引き出しながら伝えていく。行事があるときもその子を念頭に置きながら、クラスの子たちに常に話を掛けていくということをしました。でないと忘れられた存在になってしまいます。

私は、出来るだけ家庭訪問に行くようにしてました。その中でその子が詩を書いていたので、それを学級通信で紹介しました。すると、つらい状況を分かってくれるんですね。この子はその後、高校から大学に進み、今は結婚もされています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会報 ふれんず255号 より

2021-07-13 17:21:31 | 会報「ふれんず」から

参 考

◆今年4月7日、岐阜市に不登校児専門の公立中学校が開校されました。その学校の方針はwすべての授業はオンラインも併用のため通学してもしなくてもいい。w担任は生徒側の選択制。w時間割は教師と生徒が相談しながら決める。w職員室は生徒に開放。等、とても革新的なもののようです。

 その学校は出来たばかりでまだまだ未知数ですが、開校除幕式での塩瀬隆之氏(京都大学総合博物館准教授)のスピーチが「会場を涙させた」としてネットにあがっていました。その一部をご紹介します。

▼私が、世界中、それから日本中、理想的な学校がどういうところなのかというのを調べる中で、魅力的な学校に共通すると感じることがあります。それは「学びの選択肢がたくさんある」ことです。好きな場所で学ぶことができたり、好きなことを学ぶことができたり、学ぶ内容を選べたり、さらには学びの設計図である「時間割」を先生と一緒につくることができる学校こそが、子どもたちにとって本当によい学校なのではないか、と思うようになりました。
 しかし、子どもたちがこれを選ぶというのはなかなかに難しく、しかも、そういう環境はほとんどありません。大人は、時間割も、教室も、担任の先生も、9教科も、よかれと思って子どもたちに与えます。子どもたちに必要だと思うから与えるのです。
 でもこれを子どもたち自身が自分で選べるチャンスというのは、どうすれば作ることができるのか。みんな同じように同じペースで学ばないといけない、これができることが大人になるために必要だ、と大人は考えます。そのためには我慢をしないといけないし、耐えなければならない。
 しかし、本当にそうでしょうか!? 我慢して、耐えることだけが、子どもたちに必要なことで、これを6・3・3の12年間、さらに4年間足して16年間耐え続けられた人だけが大人になれるのでしょうか。私は、そうでない場所、を作ることが大事だと思います。

子どもたちが勘違いしている言葉の一つに、「義務教育」という言葉があります。子どもたちのほとんどは「学校に行かなければいけないのは義務だ」と感じています。どんなに苦しくても、どんなにしんどくても、行かなければいけないのが「義務教育」だと勘違いをしています。

大人はここで声を大きくして、それが間違いであることを伝えないといけないと思います。子どもたちが持っているのは「学習権」です。「学びたいと考えたときに、学んでいいという権利」です。義務を負っているのは大人で、その子どもたちが学びたいと言ったときに、(大人は)学ぶ方法すべてを提供しなければなりません。

教室の中に、正方形のタイルのようにまっすぐ並ぶことのできた子だけが学んでいいという、そういう条件付きの学びではなく、子どもたちが、いつ、どこで、だれと、何を学びたいのか、そのすべてを選んでもいいはずで、その環境を提供できることこそが、大人に課せられた使命だと思います。

 

 「義務教育」の意味を誤解しているのは、子どもばかりではありません。まだまだそういう思いに引っ張られている大人は多いと思います。知識として知っているだけでは、よく分かっていることにはなりません。

そして「正方形のタイルのようにまっすぐ並ぶことのできた子」という表現、現状をよく表していると思います。そんな学校で「正方形でない子」が無理やり正方形になるよう個性的な形を削られるとしたら、それはとってももったいないことだと思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月の日程

2021-07-03 16:23:43 | これからの日程

 ä 日 程 ä

※会員の親の会参加費一世帯200円は今年度はいただきません。(非会員の方は一世帯500円です)

☀ フレンズ 親の会

7月10日(土)

午後 (受付1:00~) 

1:30 ~ 4:00

ウェルパル くまもと 1F

あいぽーと奥 会議セミナー室

※熊本県感染リスクレベルが5に

なったら中止します。

★フレンズの親の会

7月22日(木)

午後 (受付6:15~) 

6:30 ~ 8:30

同  上

新型コロナ感染に気をつけてご参加下さい!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする