10年前の会報から
親の会に 参加して思うこと
進路を決める前に
石井嘉寿絵
今回、進路のことで悩まれている方が多く、受験の時期なのだなぁと感じました。
どの学校なら子どもが行く気になるのか、通えるのか、続けられるのか、卒業できるのかと親は心配します。そして私たちも「こんな学校もあんな学校もありますよ、見学してみませんか」と教えたくなります。
だけど、その前に忘れては行けないことがあるように思います。子どもが何を望んでいるのか、心の傷は癒えているのか、体の準備は出来ているのか、何か親に訴えたいことがあるのではないのか、等々。子どもを支援する人は、そこをしっかり確認して、次の一歩を踏み出してほしいと思います。そうでなければ、なかなか子どもの笑顔は見られないのではないでしょうか。そして、再び学校へ足が向かなくなった子を見て「情けない子」と思うのは間違いだと思います。そんな時は、時が熟していなかったか、選択が間違っていたか、頑張り過ぎたか、いろいろなことが考えられます。
また、どこにも所属しないでいることは、見た目よりエネルギーのいることだと、私は最近感じるようになりました。ある方が「今うちの子は、最近することがあって忙しそうにしています。嬉しそうです」と言われました。今の私にもあてはまる言葉で、苦笑いしてしまいました。何かしていないと不安なんですよね。何かしていないと生きていてはいけないような、「働かざるもの食うべからず」そんなことを言われているようで。不登校やひきこもりがちな子どもなら、なおさらそんな感じを持つのではないでしょうか。学びたくても学べない、学校へ行きたくても行けない、行きたい学校が無いなど、子どもの気持ちはなかなか晴れないと思います。
子どもが子どもらしくいられるためにも、子どもたちが行きたくなるような学校があちこちに出来たらいいなぁと思います。