登校拒否・不登校に学ぶ フレンズネットワーク くまもと  【不登校 命を守る 子の反応】  一人で悩まないで!  

不登校から学んで、子どもたちを取り巻く環境を改善しようと1997年に設立した団体です。その活動や想い等をつづります。

会報 ふれんず126号より ②

2019-12-27 22:58:19 | 会報「ふれんず」から

10年前の会報から


親の会に 参加して思うこと


             進路を決める前に

                                                                  石井嘉寿絵

今回、進路のことで悩まれている方が多く、受験の時期なのだなぁと感じました。

どの学校なら子どもが行く気になるのか、通えるのか、続けられるのか、卒業できるのかと親は心配します。そして私たちも「こんな学校もあんな学校もありますよ、見学してみませんか」と教えたくなります。

だけど、その前に忘れては行けないことがあるように思います。子どもが何を望んでいるのか、心の傷は癒えているのか、体の準備は出来ているのか、何か親に訴えたいことがあるのではないのか、等々。子どもを支援する人は、そこをしっかり確認して、次の一歩を踏み出してほしいと思います。そうでなければ、なかなか子どもの笑顔は見られないのではないでしょうか。そして、再び学校へ足が向かなくなった子を見て「情けない子」と思うのは間違いだと思います。そんな時は、時が熟していなかったか、選択が間違っていたか、頑張り過ぎたか、いろいろなことが考えられます。

また、どこにも所属しないでいることは、見た目よりエネルギーのいることだと、私は最近感じるようになりました。ある方が「今うちの子は、最近することがあって忙しそうにしています。嬉しそうです」と言われました。今の私にもあてはまる言葉で、苦笑いしてしまいました。何かしていないと不安なんですよね。何かしていないと生きていてはいけないような、「働かざるもの食うべからず」そんなことを言われているようで。不登校やひきこもりがちな子どもなら、なおさらそんな感じを持つのではないでしょうか。学びたくても学べない、学校へ行きたくても行けない、行きたい学校が無いなど、子どもの気持ちはなかなか晴れないと思います。

子どもが子どもらしくいられるためにも、子どもたちが行きたくなるような学校があちこちに出来たらいいなぁと思います。

 

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会報 ふれんず126号より

2019-12-22 16:13:49 | 会報「ふれんず」から

10年前の会報から・・・・

 

2 転校などの進路変更は・・・

 

:高1の長男が10月から行ったり行けなかったりで、11月から行けなくなりました。日曜の夜までは元気にしていますが、月曜の朝になると布団を被って、頭が痛いと言います。子どもを見ていると、学校に行きたがっているし、勉強もしたいと思っているように感じるのですが、進級の問題もあり悩んでいます。

農家での体験など、自分を見つめられる時間を作ってやったらいいのかなぁ、転校もあるのかなぁ、今の学校を続けたらいいのかなぁ、などと考えています。

学校と相談していても「ずれ」を感じます。先をどう考えていったらいいのか、とても悩んでいます。皆さん、どうされているのでしょうか?子どもがどうしてもイヤなら転校をとも、あらたに受験をとも考えています。どうなんでしょうか?

 

:学校との相談は母親だけで行くと、なかなか難しいです。できるだけ男性の方と一緒に行くと対応が違うと思います。実際、母親だけだと「ですが、お母さん」と言われていたけど、私がついて行くと「分かりました」と、学校の対応が違いました。

   何か訴える時は一人で向かうのは大変です。子どもにとっても学校に向かうのは大変だけど、親にとっても大変なことだと思います。

 

:うちは高校2年の11月末で決めました。通信制の秋学期の始まりを考えると、ギリギリの時期でした。子どもに「どうする?」と聞いたら「移りたい」と答えたので決めました。子どもさんに「どうしたい?」と聞いてみられたら・・。

 

:初め、私は今の学校に拘っていました。「2年生からは自分で選択した授業になるよ」と話しました。その後、転校などもあるなぁと思い直し、子どもに聞きました。子どもの反応は「うーん」とはっきりしません。子どもの性格を考えると、今の学校に残るのはきついと思いますが・・・。子どもは自分の思いを言えないのか、高1だから分からないのか・・。子どもに、どう話していいか分かりません。思いが決まればよいのですが・・・。

 

:うちの場合、単位について「3年に上がれるかどうか、危ない」と先生に言われましたが、学校をやめた後「まだ大丈夫だった」とも聞きました。先生は忙しいし、高校は義務教育ではないから丁寧な対応はないと思います。

 

教員:確かに忙しいです。耳が痛いです。「高校は義務教育ではなく子どもが選んで来たのだから」と、待ちの姿勢の先生が多いと思います。自分の場合は、こちらから連絡を取ろうと動いています。子どもの笑顔を大切にしたいと思っていますが・・。

 

祖父:うちの孫は、1年余り昼夜逆転の生活をしていました。10月に「卒業はできない」と先生が家に来ておっしゃいました。孫は「友達が転校したところに自分も行く」と言って転校しました。転校して2ヶ月あまりになりますが、昼夜逆転も直り、元気に登校しています。学校について時々話してくれます。勉強に興味が向いているかどうかは分かりませんが、このまま行ってくれればと祈っています。

 

 

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会報ふれんず237号より

2019-12-17 14:59:46 | 会報「ふれんず」から

参 考  会誌ACADEMIA No.172から  

心理臨床から見た登校拒否 ―登校拒否は自立への生みの苦しみー つづき

立命館大学名誉教授  高垣忠一郎

2.「高速道路」の様相を強める子どもたちの生活

 

筆者自身は登校拒否が急増し始めた1970年代半ば頃から、登校拒否の子どもやその親と、カウンセリング面接や「親の会」活動を通じて付き合ってきました。また教師の教育研究集会のなかで、この問題に悩む教師の取り組みの苦労を共同研究者として目のあたりにしてきました。そこから浮き上がってきた子どもたちの生活のイメージは、まさに「高速道路」でした。そのイメージの背景には、すでにみた「閉じられた競争」「生き残り競争」の様相を強める社会と学校の状況と、その学校を中心とした生活に子どもたちが囲い込まれていく状況があることはいうまでもありません。

「高速道路」の最大の特徴は自分のペースで走れないことです。前後左右車が密集して走っており、その車の流れに乗って走らなければなりません。緊張してストレスが溜まります。しかしだからといってスピードを緩めることはできません。そうするとドライブインに入って、一服し、体勢を立て直す必要があります。筆者には登校拒否の子どもがそれと全く重なるイメージで見えてきました。「高速道路」を走るような毎日の生活のなかで、「もうこれ以上同じペースで走っていると、自分が自分でなくなってしまう」と感じるところまで追い込まれる子どもがたくさん出てきたのです。

その子どもたちが「自分をとりもどす」ために一服し、体勢を立て直そうとする試みが登校拒否なのだと見ることができました。彼らが登校の意図を持ちながら腹痛や頭痛、発熱などの身体症状を呈し、登校不能に陥るのは「高速道路」化した生活に対する彼らの追い込まれた心や身体の示す「拒否反応」であると、理解できました。ですから、筆者はこの論稿でも「不登校」ではなく「登校拒否」という言葉を使っているのです。

そしてこのような見方や理解を、個々の面接の場面や「親の会」の集まり、あるいは教育研究集会で折りに触れ語ってきましたし、書いてもきました。むろんこのような理解は大雑把で概略的な理解であり、個々の登校拒否の「ケース」を臨床心理学的にきめ細かく理解するには十分ではないことは重々承知しています。にもかかわらず、そうした理解を語り、書いてきたのは、その理解が「登校拒否」の多発と社会的な背景との結びつきを理解するうえではわかりやすく、かつ欠くことができないものだと確信してきたからです。

そしてまた、こうした理解が少なくとも二つの意味で重要な意義をもつと考えていたからです。まず第1に、こうした理解が、今日の社会や学校のあり方に目を開き、広い視野のもとに自分たちの抱える問題をとらえなおす視点をもたらし、ひいてはそのような社会システムを改善していく行動や運動につながっていくことを可能にするからです。

第2に、そのような視野が「世の中についていけない自分がダメだから、学校に行けなくなる」とか「自分が親としてダメだから、子どもが登校拒否になってしまう」という見方に立って、もっぱら自分を責める「自責感」や「負い目」(それにとらわれ続ける限り、子どもも親も元気になれない。そうした「自責」の念や「負い目」から自分を守ることに精一杯の心理状態にとどまり続ける)から子どもや親を解放する支えになるからです。

筆者自身はこうした意義を追求し、実現していくことを無視した心理臨床実践は、重箱の隅をつつくような「請負稼業」的な実践へと自らを閉ざしていくことにつながる危険性をもつと考えています。

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子どものウソが可哀想で  会報ふれんず237号より

2019-12-10 21:00:06 | 会報「ふれんず」から

2 子どものウソが可哀想で

 

E母: うちは高2の男の子。3週間前から学校に行かなくなりました。ある時、担任の先生から「まだ、高熱ですか?」と 電話がありました。うちの学校はスマホから欠席の連絡をしています。本人が勝手に連絡してました。

 

E父: 3日目にバレました。学校に「休ませます」と本人が連絡をしていました。たぶん、誰が送信したのか学校ではわからない。3日目の朝、提出物の連絡も兼ねて担任から電話がきて発覚しました。

 

E母: その間は学校から早めに帰って来てると思ってました。先生から連絡がきて、どこにいたか尋ねたら、最初は図書館などをぶらぶらしていたそうです。それが可哀想で。

E父: ウソを責めたり叱ったりはしていません。母親が学校に行って話をしてきました。本人は塾に行ったり、朝早くゴミ出ししたりしています。養護の先生はご飯を食べたり、風呂に入って普通の生活が出来ているので安心していいと、おっしゃっています。ただ、60日を超えると、進級の心配があるので、どこかに60日、60日ということが引っかかっています。本人も分かっているのだろうけど、そのことは話しません。

 

B : 食事はどうですか?

 

E母: 体調を整えたがいいと思い、「基本的な生活に戻して」と子どもに伝えたら、考えたようです。夜は11時に布団に入り、朝は起こしてます。学校に行かないでいい時は夜1時30分とかになってたけど、体調的にはいいのかな。主人が「弁当を作ってやったらと」と言うので用意してると食べています。弁当箱を自分で洗ってあります。

 

C母: 私も作っているけど、うちは洗わない。上の子(高2)が朝起きれなくて。Eさんの子どもさんはいま、どうされているんですか?

 

E母: どこにも行ってないです。

 

E父: それまでしていたカードゲームをやめさせたら、自分で紙のカードを作って弟と一緒に畳の上でやってます。9月の半ばからスマホを持たせてます。

 

B : 手作りお好きなんですね

 

E父: 机に向かって学校の勉強はしていません。時々弟とカード作りの情報をスマホで得ています。週一の学習塾以外は何もしていないです。今のところ、これでいつまで待てるのかと…。

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今後の日程

2019-12-08 10:43:37 | これからの日程

Ì 日 程 Ì

 

☀ フレンズ 親の会

12月14日(土)

午後 (受付1時10分~)1:30 ~ 4:30

ウェルパル くまもと 1F

あいぽーと奥 会議セミナー室

運営委員会

12月28日(土) 午後1:30〜

パレアルーム 鶴屋東館9F

発送作業

2020年

1月4日(水)  午後1:30〜  

パレアルーム 鶴屋東館9F

☀ フレンズ 親の会

1月11日(土)

午後 (受付1時10分~)1:30 ~ 4:30

くまもと県民交流館パレア 会議室8 (10F)

★ フレンズ 夜の親の会

※途中からの参加、歓迎!

1月23日(木)

午後 (受付6時15分~)6:30 ~8:30

ウェルパル くまもと 1F

あいぽーと奥 会議セミナー室

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