2016/10/23(日)
福知山城の石垣に面白いものがあることを知り
散策してきました。
福知山城は、天正8年(1580)丹波を平定した
明智光秀が築城したとされています。
以前、ハート型の石垣のことを書きましたが、
築城当初の面影を残す石垣は、
野面積み、乱石積み、などと呼ばれる未加工の
自然石をそのまま使用しています。
その石垣の一部に五輪塔を始め、石臼、灯籠、
石仏までを転用石として使用されています。
資金不足で揃えられなくてその代りに
石臼、灯籠、石仏までかき集めたというのは、
領主にとって名誉なことではないです。
それならば、見えない部分の地面に使用すれば
良いと思うのですが、多くはわざわざ目立つ
正面中央部や角の部分に使用されています。
その目的は、ウィキペディアでは、次のように説明されています。
「多くの人の力を結集したという事実に基づく
呪術的な強さが必要というのが戦国時代の考え
方であり、領民から集めた石を石垣にしたのは
その現れである。
墓石や石仏には人々の先祖代々の思念や信仰の
力が籠もっているため、石垣の素材としては
最適という考えが成り立つ。
転用石をよく見える場所に置くのは、領主と
領民が一体となったことを誇示するものであり
石を提供した領民へのサービスであったという
見方もなされている。」
石垣は、天守ほど目立った存在ではないですが
その時代背景を垣間見ることができる奥深い
ものがありますね。
福知山城
自然石を使用した石垣は不揃いで味わいがあります。
その中に転用石と呼ばれる石垣が見られます。
石臼や灯籠が沢山、目立つ角に使用されています。
石垣の真ん中にも一つ。
調査で見つかった転用石
五輪塔、灯籠に
石仏までも
転用石の大量の使用例は他では大和郡山城で
機会をみて行きたいと思います。