Sydney Yajima


GSM会員希望者は下記のURLへお進みください。
http://www.gsm.jp/

クラ運河事情

2016-06-05 13:21:23 | 経済
ここは、カテゴリー的に経済になるのか、政治になるのか、すこし惑った。
が、とりあえず経済の視点から見てみたい。

クラ運河計画というのがある。

現在、石油タンカーのほとんどがシンガポールのマラッカ海峡を通り、日本へ来ている。

中国は、マレーシアとの関係を良くして、(つまりインドネシアとの関係も良くすることにつながる)マレーシアのクラという地域に海峡をこしらえる計画を持っている。
これで、マラッカ海峡をとおる船の80%はクラ海峡を通ることとなり、シンガポールは枯渇するかもしれない。
との読みだ。

今の段階だと、アメリカがシンガポールに中国へのタンカーを止めろ と指示を出したら、中国の石油はあっというまに枯渇してしまう。
もちろん、中国も指をくわえてみているわけではないだろうから、様々な手を打ってくる。

クラ海峡を作るとなると、まずイスラム教徒との関係を良くしなければならない。
マレーシアはイスラム教徒の国である。

中国は国内にウイグル地区を持ち、共産党との関係は絶望的に悪い。
このことを、マレーシアの人々が知らないわけはなく、さらに長年、華僑にしいたげられてきたマレー人が良い顔をするとは到底思えず、この計画は、スムーズには進まない。
だが、マレーシアにとって魅力的なのは、運河通行料が手に入るという事だ。
これは、説得力があるビジネスモデルになる。

アメリカが現状の変更を認めるのかどうか
という点にも注目しなければならないだろう。

なにしろマラッカ海峡を通らないで上海まで直接石油タンカーが来るというのは、中国に取って大きな価値をもつからだ。