仁阿弥道八 色絵御福香合
(クレマンソーコレクションより)
お茶を楽しみに来ている友達が、
孫のためにお雛祭りの茶会を開きたいと、盆略点前を復習して帰りました。
男の子ですが、幼稚園の友達を招いて楽しませてあげたいと思ったそうです。
「お雛祭りはどうでしたか。」と私がその様子をきくと、
「それが、楽しかったのだけど、人には言えない大失敗をしたの」と。
人には言えないと言われると、聞きたくなりますよね。
話によると、
「美味しいお菓子を一緒に選んで買ってきて、お友達も呼び、
あとはお茶を点てるだけというところで、さあ大変、茶筅がない。
どこかにあるはずなのだけれど、どうしても見つからない。」
お茶を点てるのに、これだけは代用できないという唯一の道具が茶筅です。
それは困ったでしょうね。
そこで仕方なく、小さめの泡だて器があったので、
それてかき回したのだそうな。
もちろん泡は立たなかったし、お茶も点たなかったと。
でもみんな美味しいといって飲んでくれたそうです。
楽しいひな祭りになったということで、
それは一まず良かったと思いますが。
初体験のお子さんたちの脳裏には、「お茶を点てる道具は泡だて器だ」
と残ってしまったらとうしましょうと、それだけがちょっと心配です。
ひとには言えない話というので、誰の話とは明かしませんが、
社中の新たな伝説となる事は確かです。
ブログのネタになる事は了承済みですけれど。