「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

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出典探しが面白い

2016年03月11日 | お茶三昧

 

            
                     野馬釜

銘一覧に「野馬」という言葉があり、
読み方はという話題になりました。

以前も聞かれたことがあったのを思い出しましたが、
「のま」とか「のうま」と読ませますね。
そして「やば」と読むことも。

「のま」というときは、野生の馬また、野飼いの馬の意味ですが、
「やば」と読ませると、陽炎( かげろう)のことにも。
なんとなくわかる気がしますが、出典をたどっていくと、

和漢朗詠集の46番目に
 「 翅(つばさ)を低(たる)る沙鷗(さおう)は潮(うしほ)の落つる曉
絲を亂る野馬(やば)は草の深き春」という漢詩の一節があります 。
意味は、
「暮春の暁、潮が引いたあとの沙州に鴎が翅をやすめている。
草深い春の野原ではかげろうがゆらゆらと糸を乱してゆらめいている。」
ということですが、難しいですね。

ひょんなことで、「和漢朗詠集」に触れることになり、
その中にお茶とは切り離せない言葉も見つけたりして。
「雪月花」という言葉を文学作品中に用いたのは、
白居易( 白楽天)が最初で、
その一節はやはり『和漢朗詠集』に載っていました。

ちなみにこれからよく目にする、
「梨花一枝春」も白居易の有名な「長恨歌」から。
あの美女、楊貴妃の悲しみの姿を形容した言葉。

出典探しは面白いです。

蛇足ですが、「梨花一枝春」には私の名前が入っています。
楊貴妃のように美しくないけれど、
"私の春ですよ~"と見るたびに嬉しくなります。

 

 

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