JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

明日はいいことありますよ

2007年07月20日 | d-f

今日仕事先で、面白いものを観た?聴いた?
いやつまり、その事務所でたまたまテレビがかかっていまして、アレサ・フランクリンの「BRIDGE OVER TROUBLED WATER (明日に架ける橋)」が、聴こえてきたのです。

「テレビでアレサ・フランクリンって珍しいですねぇ」
と、言うと
一生懸命観ていた奥様が
「あら、バブさんこの人知ってんの?」

奥様が仕事もせずに(旦那さんがそういってたんですよ)見入っていたのは、NHKの「世紀を刻んだ歌『明日に架ける橋〜賛美歌になった愛の歌』」という番組の再放送でした。

サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」が海を渡り、アパルトヘイトに苦しむ南アフリカでゴスペルとして歌われていった、云々。といった内容だったそうですが(すいません、私は良く観てないもので)、南アフリカで流行っていたのはアレサのバージョンであったみたいなことから、アレサ・フランクリンの「明日に架ける橋」が流れていたようです。

ジャズばっか聴いているようなイメージのある私ですが、『ソウル・レデイ』アレサ・フランクリンも二枚組CDを2セットだけ持っておりまして、たま~~に聴くのでありますよ。
「明日に架ける橋」は、もちろんサイモン&ガーファンクルも大好きです、でもゴスペルっぽいアレサのバージョンもたまらないのでありまして、
帰宅後、早速聴いてしまいました。

♪ Sail on silvergirl, sail on by,
Your time has come to shine,
all your dreams are on their way.
See how they shine, oh, if you need a friend,
I'm sailing right behind,
Like a bridge over troubled water,
I will ease your mind.
Like a bridge over troubled water,
I will ease your mind.

(出航するんだ、銀色の少女よ
そこへ向けて出航するんだ
輝くべき君の時が来た
君の夢の全てが近付いている
ご覧よ、それらがどんなに輝いているかを
もし友が1人必要なら
僕は君のすぐ後ろを航行しているよ
荒れる流れに架かる橋のように
僕は君の心を安らげよう
荒れる流れに架かる橋のように
僕は君の心を安らげよう) ♪

今がどんなに苦しく辛い時でも、友がそばにいるじゃないの
荒れる流れに架かる橋のように、
友は身を投げ打ってでも君の涙を癒すし、君の傷みを分かち合うんだよ。
だから、安心して舟を漕ぎなさい、そこには必ず輝ける未来があるのだから

てな感じですかね。
「一人じゃないんだ希望を持って明日を迎えよう」
新潟の被災者の皆様にも、届けたいメッセージでもあります。
明日は必ず来るし、それは今日より一歩進んだ、明日なんですから。

ともかく、アレサ・フランクリンの「BRIDGE OVER TROUBLED WATER (明日に架ける橋)」も、なかなかよろしゅうございますので、ぜひともお聴きになってみて下さい。

さて、この流れで行くと今日の一枚も「BRIDGE OVER TROUBLED WATER」にするしかなかんべさ。ポール・デスモンドのイージーリスニングに他ならないといった一枚にしてしまいました。

ハービー・ハンコックのエレピというのも、なんとも私の毛嫌い触覚にビリビリ触れるわけでして、
「何故、バブがこのアルバムを?」と不思議がられてもしかたのない一枚だと思います。

ただね、私も丸くなったんです。私の思うジャズ(これはあくまでも私感ですよ)だとは考えずに聴けば、別に聴くに堪えない一枚ということではないのですねぇ。
先ほども言ったようにサイモン&ガーファンクルの楽曲は好きですし、BGMとして流している分には、ある意味「これほどの最適アルバムも無い」とも思えるわけで・・・・
裏返せば「本当は好きなんじゃないの?」というアルバムなのですよ、きっと。(笑)

でも、どうして「The Sound of Silence」は、入ってないんだろう???????

BRIDGE OVER TROUBLED WATER / PAUL DESMOND
1969年録音
PAUL DESMOND(as) HERBIE HANCOCK(el-p) RON CARTER(b) DON SEBESKY(arr)

1.EL CONDOR PASA
2.SO LONG, FRANK LLOYD WRIGHT
3.THE 59TH STREET BRIDGE SONG
4.MRS. ROBINSON
5.OLD FRIENDS
6.AMERICA
7.FOR EMILY, WHENEVER I MAY FIND HER
8.SCABOROUGH FAIR
9.CECILIA
10.BRIDGE OVER TROUBLED WATER


馬鹿たれ臭い

2007年07月19日 | m-o

今日帰宅すると、ドアを空けた瞬間に
「・・・・・・・・・・!?」
家中に漂う臭い(人によっては香りというのかもしれないけど)
「ううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
まさしくこの臭いは、私の天敵『椎茸の馬鹿たれ臭い』ではありませんか。
「今日、流しの下整理してたら、ちょっと古そうな椎茸が出てきたから、水で戻して煮て食おうかと思ってな」と母
いやいや、お母様が椎茸を煮ようと食おうと知ったことではないのですが、疲れて帰ってきて『椎茸の馬鹿たれ臭い』をかがされる私の不愉快さを、母よあなたは少しでも考えたのかい?

S君はキムチが苦手、O君は塩辛、Y君はチーズがダメで、Nさんはトマト。そうそう「ゆかりは食べるけど、梅干しは嫌い」っていう私には意味不明のT君もいました。

「こんなに旨いのに、食べられないなんて、可哀相ねぇ~~~~」
なんて言うヤツにかぎって、嫌いなものが多かったりするんですよね。
いずれにしても、誰しも苦手なものの一つや二つはあるものです。
私は茸類が何故かダメで、特に『椎茸の馬鹿たれ臭い』は、何度克服しようとしても攻略できずにいます。

それにしても、臭い、耐えられない、夕食も早々に趣味部屋に待避することにしました。

私の嫌いなもの
茸、仕事・・・・それから、酒と女(ハハハハハハハハハハハハ)

さて、今日の一枚はハービー・ニコルスです。
ジャーナリスでもあったニコルスは、28歳のとき、黒人向け音楽誌『ミュージック・ダイアル』にセロニアス・モンク論を寄稿しました。
当時モンクを研究するほどの人ですから(モンクはまったく売れてもいなかったわけですから)、そのピアノも超俗的な個性あるものでした。アルフレッド・ライオンも幾分躊躇したのでしょうね。曲を送り続ける彼を、かなり無視し続けたようです。
それでも、レコーディングしようとなれば一機にド~~~っていうのは、変わらなかったみたいですけど


これは10インチ盤です。

モンクもそうでしたが、超俗的な個性というものは、当然大衆受けしないわけで、ブルーノートから出た10インチ二枚、そして、今日のアルバムもセールスは燦々たるものであったようです。

椎茸嫌いの私ですが、ニコルスのピアノは好みでありまして(笑)、このアルバムはとても好きな一枚になっています。
とは言うものの、なにぶんレコーディングが少なすぎるニコルス、モンク以上に孤高なピアニストのブルーノートでの録音は、このアルバム以外にも何曲かお蔵入りしたものがあるはずで、ぜひとも全録音を聴いてみたいものだと思います。

おっと、そういえば、4曲目「THE LADY SINGS THE BLUES」は、昨日紹介のビリー・ホリデイが詞をつけて以来、このタイトルになったという一曲です。

HERBIE NICHOLS TRIO
1955年8月1, 7日, 1956年4月19日録音
HERBIE NICHOLS(p) AL McKIBBON, TEDDY KOTICK(b) MAX ROACH(ds)

1.THE GIG
2.HOUSE PARTY STARTING
3.CHIT-CHATTING
4.THE LADY SINGS THE BLUES
5.TERPSICHORE
6.SPINNING SONG
7.QUERY
8.WILDFLOWER
9.HANGOVER TRIANGLE
10.MINE


非常識を常識にしてはいけない

2007年07月18日 | a-c

南九州は梅雨明けだそうで、豪雨の傷跡が早く癒えることを祈っています。一方、このあたりは相変わらずの曇り空、雨も降るんだか降らないんだか分からないような
「まぁ、だれかさんと一緒でハッキリしないわ」
てな、イヤミまで誘う陽気です。

昨晩は『トレーン命日の禊ぎ』のおかげで、全くテレビを見ることもなく、震災の様子も見ずに終わりましたが、今朝、新聞を読んでみて、被害の甚大さに改めて驚いています。
被災者の方々のことはもちろんですが、「原発直下まで断層」との記事になんとも背中のあたりがゾゾッとしたのは、私だけではないでしょう。

首都圏の電力をまかなうため、首都圏以外の地域に発電所が多く設けられていることは、皆さんもご存じでしょう。そして、原子力発電所に関しては、東京電力営業エリアには一基も存在せず、全て他地域(新潟と福島)に造られています。
ここで原発問題を熱く語る気などサラサラありませんが、今回の震災で、仮に柏崎刈羽原子力発電所が閉鎖ということになった場合、こと電力に関して危機を迎えるのは、地元ではなく首都圏にあるという事実。中越沖の揺れが『長周期地震動』の影響で六本木ヒルズのエレベーターを止めてしまうのも驚きですけど、そのエレベーターを動かす電力は中越で作られていた事実。これも直視していただきたいのです。

私も含め、最近はどうも「自分の周りだけ、いや自分だけ、しかも目の前のことだけ良ければいい」的発想が全てに蔓延してきているように思えてなりません。
食糧問題しかり、年金問題しかり、温暖化しかり、ご近所トラブルしかり・・・・・・・・・

「金をやるから、原子力施設をおまえん所に造ってくれ。」
「金を落とすんだから、基地ぐらい我慢しろ。」
そして、そんな理不尽な要求をのまざるを得ないほど緊迫した地方財政・・・・・・・
なんか違うように思えてならないのですが。

まっ、何処かの校長みたいに、自校の予算を増やそうと、学力テストの不正を行うような行為をすれば、それを見た子供たちは「それも有りか」と思うのが当然だし、へたをすればその方が利口だったりする世の中が、今なのかもしれません。

しかし、各地での大きな災害を目の当たりにするとき
「自分たちは一人では生きていけないことを改めて悟れ」と、神様が忠告しているようにも思え、なんの力も持たない私達でも「非常識が常識に変わりつつある現状を見て見ぬふりは止めて、一人一人が身近なことに気を配ることくらいのことを、すべきなのだろう」とは思うのです。(むろん私は無神論者ですが。 笑)

あらら、何だか選挙演説みたいになってしまいました。
おそらく、昨夜トレーンのために空けたバーボンが、まだ残っているのでしょう。(被災者を思えば、じつに不謹慎ですね。)

さて、昨日7月17日は、トレーンだけでなく『レディ・デイ』の命日でもあったわけで、(忘れてませんよ、だって、先日『ドリーム・ガールズ』がらみで『ビリー・ホリデイ物語』を観たばかりですから)今日の一枚は、ビリー・ホリデイです。

生前に見合った評価を受けなかったというミュージシャンは、ジャズの世界にも多数います。ボーカルが苦手な私でも、ビリー・ホリデイもまたその一人であったことくらいは承知しています。それは当時の黒人ミュージシャンに対するアメリカ全体の評価にも起因するところが大であったのでしょう。

1959年7月17日、ビリーはニューヨークのメトロポリタン病院の廊下に放置されたままいました。黒人のまして麻薬患者の扱いは死を前にした状況でもそんなものだったのです。
さらには、葬式が済んでも何ヶ月もの間、墓石も立たず、そればかりか死後になって入ってきた莫大な印税を目当てに、それまでほとんど付き合いもなかった親類縁者がウジャウジャと集まり、争奪戦を醜く繰り広げたという、死んでまでも恵まれぬ生前を引きずったような哀れなものだったそうです。
唯一の救いは、死後二年目にダウンビート誌の「名声の殿堂」に選ばれたことくらいでしょうか。

ヨーロッパの記者たちは、もっと良く音楽を知っている。彼らは耳を持っていたわ。米国の記者や評論家は、ジャズの中でどんなことが起こったかを、10年もたってから気が付くのよ。
我が国では死んでしまうまでその価値を認めてもらえない。死んだ後に、始めて偉大な存在だったと騒がれ出すんだわ。(ビリー・ホリデイ)

まさに彼女の言うとおりだったのかもしれません。

今日のアルバムは、最晩年の一枚。正直、声はボロボロ、けして「いゃあ上手いねぇ」とは言えぬビリーですが、胸の奥底をかきむしるような感動を与えてくれるのは、まさに『レディ・デイ』彼女だからなのでしょう。


LADY IN SATIN / BILLIE HOLIDAY
BILLY HOLIDAY(vo) RAY ELLIS and his orchestra
1958年2月18~20日録音

1.I'M A FOOL TO WANT YOU
2.FOR HEAVEN'S SAKE
3.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
4.I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL
5.FOR ALL WE KNOW
6.VIOLETS FOR YOUR FURS
7.YOU'VE CHANGED
8.IT'S EASY TO REMEMBER
9.BUT BEAUTIFUL
10.GLAD TO BE UNHAPPY
11.I'LL BE AROUND
12.THE END OF A LOVE AFFAIR


未だ呪縛の中

2007年07月17日 | a-c

台風に地震、この3連休はなんだか重く辛い休日になってしまいました。
昨日は新潟に住む友人K君のことが気にかかり、たまたま我が家に遊びに来ていたS君とともに連絡を取ってみました。幸いにも、皿数枚の破損とガスがストップしているくらいで、ご家族全員怪我一つ無いと聞き安心しましたが、台風、地震双方の被災者の皆様には、心よりお見舞いを申し上げるとともに、これからさらに大変な毎日に直面されることを思うと、ただただ「頑張って下さい。」としか言えない自分が情けなくてしかたがありません。

総理大臣始め、各政治家諸氏も、素早い反応を示されているようです。選挙のための人気取りでも何でもかまいませんので、被災者の方々に少しでも役にたつ対策の早期実行をお願いしたいと思います。



あなたから ほとばしる音楽は
空気のごとく 自在で
それ故に 貴重だった
私は 語り伝えるのだ
まだ見ぬ 子供たちに
むかしむかし コルトレーンという
音楽家が いました

お願いです 子供たちに
音楽を 理解する耳を
                (デボラ・ダミコ)

私がこのブログを始めて、早いもので三度目のジョン・ウィリアム・コルトレーンの命日を迎えました。
昨年は『海の日』、一昨年は『日曜日』と、休日にその日を迎えられたので、一日中コルトレーンに浸っておりましたが、今年は平日、これから新しいウイスキーのボトルを開けて、彼に一杯捧げながら酔いしれたいと思っています。

私がコルトレーンの音楽に陶酔し始めたのは、いわゆる「コルトレーンの音が聴こえないジャズ喫茶など存在しない」とまで言われた状況からは、すでに時は少し過ぎていましたが、それでも「ジャズ喫茶」はまだ全国に点在し、店さえ選べばその時代の風を感じることのできた最終期でもありました。
そして、一度、彼の魅力にとりつかれた私は、以降、現在に至るまで、彼の呪縛から解き放たれることは無かったのです。

私にとって、コルトレーンの魅力とは何なのか?

これが自分でもよく分かっていません。(笑)
しいて言えば「言葉では表せない、他人に分かってもらおうなどと思いたくもない、私の心だけに存在する感動や想い」てなことでしょうか。(分かりずれぇ~~~!)

何も知らない私が、他のジャズメンに関して「この時期はいいけど、この時期はぬぇ」なんて、偉そうに語ったりする時があります。
これは、目に見えた転換があて、音楽性が変わったりすると自分の好みを逸脱してしまうということが間々あるからです。
かのマイルスにしても、電化以降の演奏はほとんど聴くことはありません。

「おいおい、コルトレーンだってターニング・ポイントは間々あるよ」

たしかに、マイルス・バンド以前と以後、「A LOVE SUPREME」を最終ピークとするレギョラー・カルテット、さらにフリーへと傾倒していった「ASCENSION」以降。
ある意味、いたるところでターニング・ポイントが見えると言われればそうかもしれません。
ただ、仮にマイルスと比較するなら、破壊に新境地を求める者と、追求に境地と新地が現れる者という、大きな違いが私には感じ取れるのです。
故に、その流れの中に身を投じるとコルトレーンと同じとは言いませんが、自分なりに境地と新地をかいま見る疑似体験をも味わってしまい、ターニング・ポイントがターニング・ポイントで無くなってしまうみたいな・・・・じつに分かりにくい表現ですね。

音楽に対し、誠実で真剣で、それは時に過ぎてしまうほど真っ直ぐで、野心家で、しかもそれを貫き通してしまった魅力? やっぱり、よく分かりませんね(笑)、こんな言い方をしたら、まるで他のミュージシャンには「それが無い」みたいで・・・けしてそうではないんですよ。

ともかく、今年もまた彼の呪縛から解き放たれなかった私、
誰が何と言おうと、「オレはコルトレーンの全てが好きだ!」を今しばらく通させていただきたいと思います。

さて、今年は命日にこのアルバムを持ってきてみました。
私は「コルトレーンのアルバムでこれが一番好きだ」って人には、一度も会ったことがありません。(笑)

チベット密教の究極の呪文をタイトルに持つこのアルバムは、収録曲も同名の一曲のみ、約30分に及ぶその演奏を、皆さんはどう聴き取るのでしょう?
「OM,OM,OM,」あたりで聴くのを止めたって方、我慢して3分少々から始まるコルトレーンのソロを目を閉じて何度か聴いてみてもらえないでしょうか。(それでも「ダメだ」というひとが大半かもしれませんが・・・)
少しでも、胸のあたりがクイクイって絞り上げられるというか、身体がくねってくるというか、そこに逃げられない何かを感じたら、それですそれ、そこんところを味わってみてはもらえないでしょうか(笑)

OM / JOHN COLTRANE
1965年10月1日録音
JOHN COLTRANE(ts,ss) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds) JOE BRAZIL PHAROAH SANDERS

1.OM

私は、雨が降って欲しいと思ったらすぐに雨が降ってくるための方法を見出したい。友人が病気になったら、私が何かの曲を演奏すればその病気が治るようにしたい。友人が無一文になったら、別の何かの曲を吹けばすぐに必要な金が彼のもとに入ってくるようにしたい。だが、どんな曲なのか、どういう道を辿ればそれを知ることができるのか、私には分からない。音楽の真実の力を、まだ人は誰も知らない。それをコントロールできるようになることが、あらゆるミュージシャンの目標だと私は信じている。(ジョン・コルトレーン)


セント・ピーターズ教会で追悼演奏を行うアルバート・アイラー

追伸、
コルトレーンの葬儀は、4日後の1967年7月21日、ニューヨーク、レキシントン街のセント・ピーターズ・ルーセラン・チャーチで行われました。カルヴィン・マッセイが 「A LOVE SUPREME」を朗読し、アルバート・アイラー(ts)が 「LOVE CRY / TRUTH IS MARCHING IN / OUR PRAYER」 をドン・アイラー(tp)、リチャード・デイヴィス(b)、ミルフォード・グレイヴス(ds)と共に、オーネット・コールマンは、チャールズ・モヘッド(ds)、デヴィッド・イゼンゾン(b)、チャーリー・ヘイデン(b)らと「HOLIDAY FOR A GRAVEYARD」を追悼演奏しました。
葬儀後、ロング・アイランド、ファーミンデールのパインローン・メモリアル・パークにジョン・ウィリアム・コルトレーンは埋葬されたのでした。

ちなみに、この時のアイラーの演奏は、超豪華(?)9枚組CD BOX「HOLY GHOST」の6枚目に、コールマンの演奏は、こちらはCD化されていないと思うのですが「HEAD START / BOB THIELE EMERGENCY」という2枚組アルバムにそれぞれ収録されています。興味のある方はどうぞ。


事件です!

2007年07月15日 | g-i

このあたりでも西日本とは比べものになりませんが、台風の被害は多少あったようです。しかし、おかげさまで我が家での被害は確認されず、夕方あたりから風は強くなったものの何事もなく過ぎそうです。ほっとするとともに被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

そんなわけで、一日のんびりと趣味部屋で過ごすことができました。

ところが・・・・・・事件が・・・・

夕方、いつもの日曜日恒例『料理当番』の仕込みをしていると、Mさんより電話が入りました。
「バブ君、悪いんだけどちょっと来てくんないかなぁ」
飲みに行く誘いの電話ではありません。
「ああ、いいですよ。(いったい何事????)」

はははは、なんて事はありません。以前、このブログでも紹介したことのある高校教師O君が来ておりまして、彼が「ブログを開設してみたいので、教えて欲しい」との相談でありました。

「俺も詳しいわけじゃないけど、開設方法ぐらいは・・・簡単だから」
ともかく、開設方法を説明し、
「ほら、これでもう開設できんでしょ」
すると横で見ていたMさんが
「おおう、これで出来ちゃうんだぁ・・・・・・俺もやってみんかなぁ」
てんで、実際にgooブログを開設することに
「ブログタイトル何にします?」
「う~~~ん・・・・・・」

こうして、ついにMさんもブロガーのスタート地点に立ったのでありました。
「更新、頑張ってやって下さいね。」
内容が落ち着きましたら、皆様にも紹介させていただきます。

おっとそうそう、事件の話でしたね。
「事件は、Mさんの所で起きてるんじゃないんだ!自宅で起きてるんだ!!!」(笑)

そんなんで自宅に帰ると、
「○△(息子です)が、電話欲しいって」
「なんだよ、不気味だなぁ~~~金送れって言っても、ねぇぞ」

ともかく、電話をしました。
「なんだ、なんかあるんだったら別にお父さんに直接言わなくても・・・・」
「いやぁ、ちょっとね。相談があって」
(きたきた、金の話なら無理だぞ)
「おやじ、来月お盆休みにでも、会ってもらいたい人がいるんだけどなぁ」
「・・・・・・・・・・!?」
「そっちに、おじいちゃんの墓参りを兼ねて、連れて行くからさぁ、いいかなぁ?」
(・・・・それって、結婚したい相手かなんか????おっおまえいくつだと思ってんだよ!・・・・でもまぁ、私もおなじ年の頃すでに同棲状態だったし・・・・)
「なんだ?それって結婚したいってことか?」
「うん、そのつもり」
「・・・・・・・・・・!?」

考えたくはありませんでしたが、今の世の中ですから
「○△、まさか、相手のお嬢さんにもう結婚しか無いようなことをしたとか、なっちゃったとか、てんじゃないだろうな?(なんだか意味不明ではありますが)」
「あっ、出来ちゃった何とかじゃないよ」
(「ほっ」ってほっとしちゃいけない。)
「・・・・・・いつ連れてくるって?」
(かなり、動揺していました。)
「だから、お盆に連れて行くから、会ってやってね。」
「あああぁぁぁぁ、わかった。来る前に、また連絡よこすんだろ?」
(ほんとは、分かっちゃいませんでしたが)

落ち着いて考えられたのは電話を切ってからでした。
「おい、知ってたの?そんな相手がいること?」
「うん、まぁ」
「・・・・・・・・・・!? なんだぁ?知らぬはおやじばかりってかぁ?」
「べつに、会ってくれって言ってるだけなんだから、子供ができたとかって話でもあるまいし、そんなんで△△(娘です)の話だったらどうなっちゃうんだろね。」
「バカ言ってんじゃありませんよ、△△は、まだ高校生だよ。まったく」

事件です!

来月、私はそのお嬢さんにどんな顔をして会えばよろしいのでありましょう?
「あ~~~~なんてこった!!!!!いや、こういう時こそ、おやじらしくデーンと構えてなくちゃいけないなぁ、そうそう、落ち着いて落ち着いて・・・・・、ひよっとしたら、私の新しい娘になるかもしれない人に会うわけだし・・・・かわいい娘かなぁ・・・・」

「まったく今からソワソワしてどうすんの、それより早く晩ご飯にして」
「えっ!?・・・・・・・」

 さて、そんなこんなで今日の一枚ですが、 ちょっと気分を変えないと・・・・グラント・グリーンです。
正直、しょっちゅう聴いているアルバムではありません。私の中では軽い乗りのいいBGM的存在だからです。

・・・・・
あああああ、ダメだ、事件のショックからまだ解放されません。
ともかく、このアルバムを聴いて、少し気分転換しましょう。
「・・・・音楽好きの娘だといいなぁ、わりとうちの息子はケバイの好きだったりするしなぁ、まさかヘソピアスなんてしてる娘じゃないだろうなぁ、ヘソはいいとしても舌にピアスしてるとか・・・・・・・あっ!相手の歳を訊くの忘れちゃったよ。・・・・」

やっぱりダメです。今日はアルバム内容の紹介だけにさせていただきます。

THE LATIN BIT / GRANT GREEN
1962年4月26日録音
GRANT GREEN(g) JONNY ACEA(p) WENBELL MARSHALL(b) WILLIE BOBO(ds) POTATO VALDEZ(conga) GARVIN MASSEAUX(chekere)

1.MAMBO INN
2.BESAME MUCHO
3.MAMA INEZ
4.BRAZIL
5.TICO TICO
6.MY LITTLE SUEDE SHOES

おまけ、
動揺の中、作った『料理当番、今日の一品』です。
家族用には、これに揚げの煮物、サラダを添えました。

酒を飲まずにいられよかってんで、珍しく自分専用つまみを作り、食べました。それがこちら

ちなみに袋の中身は、納豆、大葉と炒めたゴボウ、モヤシが入っています。
肉に添えてあるのは、大根と人参の甘酢漬けです。

・・・・・だけど、まぁ、孫ができるって話じゃありませんから、この歳でおじいちゃんだけは・・・免れた~~~~い!!!


それでいいのか私!

2007年07月14日 | p-r

台風は日本列島縦断の勢い、このあたりにはまだ大きな影響は出ていませんが、明日以降警戒が必要なそうであります。

「○○、雨ひどくなんないうちに、買い物行ってきた方がいいかねぇ」
と母。たしかに、明日どんな状況になるか分かりませんからそれにこしたことはないでしょう。
「そうだねぇ、台風の中、買い物じゃ大変だろうから」
「ほんじゃ頼むわ」
「???????えっ?俺が行くの?しかも一人で?・・・・他にも行ける人が・・・・・行ってきまぁ~~す。」
結局は素直に従ってしまう自分が、情けないったらありゃしない。

まぁ、いいでしょう。そのかわり午後からは、遅ればせながらではありますが「ドリームガールズ」を、誰にも邪魔されずに鑑賞するぞ!!

ふむふむ、なかなか楽しめました。
観ているとやはりモデルとなった「シュープリームス」のイメージと多いにダブりますが、そこはあくまでモデルであって、実話とは大きく違っていますね。あたりまえではありますけど。

ビヨンセ演じたディーナが、さしずめダイアナ・ロス、アニカ・ノニ・ローズ演じたローズがメアリー・ウィルソン、そしてジェニファー・ハドソン演じたエフィーがフローレンス・バラード、ふむふむ、ジェイミー・フォックス演じたカーティスは・・・『モータウン』の創設者ベリー・ゴーディ・ジュニア?

実際、フローレンスは退団後、アルコールに溺れ、神経症のすえ亡くなったわけですし、横暴で態度がでかいと評判だったのはダイアナ・ロス、そのままを物語にするのも問題があったのでしょう。

そうそう、そういえば、『モータウン』では、ジャズ・レーベルを立ち上げたことがありましたっけ、ノーマン・ブラウンの「JUST BETWEEN US」が第一弾アルバムだったと思いますが、たしか6年ほどで止めちゃったんですよね。

観終わってそんなことを考えていたら、シュープリームスが聴きたくなってしまいました。かといって、レコードというのもなんですから『エド・サリバン・ショー』のDVDを

明日は、台風で何処へも出かけられないだろうから「ビリー・ホリディ物語」でも観ちゃおうかなぁ。あっ!でも停電したらどうしよう????JAZZを聴きながら読書?MP3プレーヤー充電しておかなくっちゃ

って、全く危機感のないバブ君でありました。(それでいいのか私!)

さて、今日の一枚は、ダイアナ・ロスでも、ノーマン・ブラウンでも、モー・ジャズのアルバムでもありません。ソニー・ロリンズの初リーダー・アルバムを選んでみました。

プレスティッジにおけるロリンズ最初の彼名義の録音は、1951年1月17日。この日はプレスティッジと契約を結んだばかりのマイルス・ディビスが、録音を行う日でした。4曲レコーディングを済ました後(「MILES DAVIS AND HORNS」に収録)。
この録音現場にはプレスティッジ社長、ボブ・ワインストックも立ち会っていたそうですが、
「ワインストック旦那、新進気鋭のサックス奏者を逃す手はありやせんぜ」
とマイルスが言ったかどうかは別としても、ともかく、マイルスの勧めもあり、この日録音に参加していたロリンズをリーダーとするセッションを1曲録音したのでした。

それが「I KNOW」ということになるのですが、どうしてマイルスがピアノで参加したのか?
私は、ジャンキー仲間ロリンズ売り込みには、いかにマイルスといえども少々時間がかかったのではないかと思っています。
つまり、その間にすでに録音を済ませたジョン・ルイスなんかは帰っちゃったんでしょう。だから試しに1曲だけってんでマイルスがピアノを弾いたのではないかと・・・

ともかく、これがきっかけで時間はかかったもののワインストックは、ロリンズのリーダー・アルバムを、その後の2回のセッションを加え、発売したのでありました。

このアルバムなんかを聴くと、コルトレーン好きの私としては、「やっぱりこの頃コルトレーンとロリンズは喧嘩にもならないほどの差があったんだなぁ」と思えてなりません。
ちなみに、このアルバムの中で私の好みは、同年の12月17日の録音、ケニー・ドリュー、パーシー・ヒース、アート・ブレーキーとのセッション、特に「TIME ON MY HANDS」「THIS LOVE OF MINE」あたりがいいですねぇ。

SONNY ROLLINS WITH THE MODERN JAZZ QUARTET
1951年1月17日[13], 12月17日[5~12],1953年10月7日[1~4]録音
SONNY ROLLINS(ts)
MILT JACKSON(vib) JOHN LEWIS(p) PERCY HEATH(b) KENNY CLARKE(ds)[1~4]
KENNY DREW(p) PERCY HEATH(b) ART BLAKEY(ds)[5~12]
MILES DAVIS(p) PERCY HEATH(b) ROY HAYNES(ds)[13]

1.THE STOPPER
2.ALMOST LIKE BEING IN LOVE
3.NO MOE
4.IN A SENTIMENTAL MOOD
5.SCOOPS
6.WITH A SONG IN MY HEART
7.NEWK'S FADEAWAY
8.TIME ON MY HAND
9.THIS LOVE OF MINE
10.SHADRACK
11.ON A SLOW BOAT TO CHINA
12.MAMBO BOUNCE
13.I KNOW

おまけ、
映画「ドリームガールズ」を観て、どうしても分からないのは、ジェニファー・ハドソンが賞を総なめしたのは『助演女優賞』ですよね?そこんところです。
どう観ても主演女優に思えるのですが・・・・・
あっ!それって、4曲しか入っていないのにMJQの名前を保証に打ち出す、みたいなのとどっか似てる?
ははははは、それとは違うか。


嘘つき人間の大風呂敷

2007年07月13日 | m-o

今日、7月13日は「ナ(7)イ(1)ス(3)の日」なんだそうですが、どう周りを見渡してもナイスなものは見つかりそうもありません。
季節外れの大型台風はほぼ全国に影響を及ぼす状況ですし、そうでなくても豪雨被害甚大な九州地方にはさらなる追い打ちをかけることになりそうで、ひたすら被害が拡大せぬよう祈るしかありません。(そもそも、3がスっていうのも納得いかないんだけど)

やはりこれも地球温暖化に起因するものなのでしょうか?
いや、『参院選突入』を受けて、『嘘つき人間の大風呂敷』が一斉に開かれたのを天気の神様がみて、天罰とばかりにもたらした災いかもしれません。
「ならば神様、嘘つき野郎だけにくだる天罰をお願いいたします。」

先日、私もそうであった『宙に浮いた年金対象者』にブログ仲間のくっちゃ寝さんも引っかかっていたそうでありまして、私も「お仲間ができた。」なんて軽口をたたいてしまいましたが、やはり転職組、Uターン組は、確認が絶対に必要なようですね。

今度の『参院選』でも、年金問題は最大の焦点、「我々有権者がどのように、何を基準に投票するのか」選挙とは、議員を選ぶだけでなく、私達の質をも問われる場であることを忘れてはいけません。私もよくよく考えて投票しようと思っています。

ところで、あの『政党マニフェスト』ってヤツですが、選挙に勝った党がそれを実行しようとしなかった場合、あるいはそれに反することをした場合、給料と年金を全員半額にするってな法律が出来ないかなぁなんて思うのは私だけでしょうか?
本来、政党会派から独立すべき参議院ではありますが、選挙方法も実際の運営も衆議院とさほど大きな違いも無くなっている今、せめて『有言実行』を党派に罰則付きで約束させるくらいのことはあっても良いような気がするんですよねぇ。
そうすれば『嘘つき人間の大風呂敷』も減って、神様の怒りも少しは収まると思うのですが・・・・・・

ははははははは、ともかく、私が持っている一票は『ナイスの日』が本当にナイスになるように、『嘘つき人間の大風呂敷』などに惑わされることなく、大切に使うことにしましょう。
ちなみに、私の年金問題解決には、まだまだ時間(いや期間)がかかりそうです。

さて、今日の一枚は、ジャッキー・マクリーンです。
私的には「ハービー・ハンコックが入っているのに好きなアルバム。」という、「何じゃそりゃ」と怒られそうな分類のアルバムです。(笑)

この時期のマクリーンに、いわゆる往年のマクリーン節を期待してはいけないと言う人もいますが、私はけしてそうは思っていません。例えば「DAS' DAT」の冒頭のソロなど聴くと、まぎれもなくマクリーンですし、出所後(麻薬所持で捕まってました 笑)「新しい世代に再び刺激された」と言った彼でも、同じ出所後にコルトレーンに感化されたアート・ペッパーの晩年のようなものでは無かったように私はとらえています。

ここでのハンコックは、言いたくありませんが、なかなか良くて・・・好きです。(笑)ロイ・ヘインズとの息がとても良く合っているように思うのですが、そんなことはありませんかね?

残念なのはセシル・マクビーのベース音が、イマイチ聴こえないように思うのですが、これは録音のせいなのか?ドラムが強すぎるのか?そもそもマクビーのせいなのか?

マクリーンとともにフロントを担う、チャールズ・ドルヴァーですが、なかなか生きが良くてよろしいんじゃないでしょうか。

ともかく、全体的に悔しいかな私好みの一枚であります。
ちなみにジャケットの「!」は、全部で217文字+タイトルに付いている1っだそうで・・・・どうでもいい話ですね。(私が数えたわけじゃありませんよ。)

IT'S TIME / JACKIE McLEAN
1964年8月5日録音
JACKIE McLEAN(as) CHARLES TOLLIVER(tp) HERBIE HANCOCK(p) CECIL McBEE(b) ROY HAYNES(ds)

1.CANCELLATION
2.DAS' DAT
3.IT'S TIME
4.REVILLOT
5.'SNUFF
6.TRUTH

おまけ、

苦労しながらも『茶運び人形』が、完成しました。
えっ出来ですか?・・・・・・・
ドラえもんの手じゃなくて、道具があればねぇ。


器用な手が欲しい

2007年07月12日 | g-i

さすがにそろそろ働き者の肝ちゃんもストでも起こしそうですので、今日は『休肝日』おとなしく夕食を済ませました。

アルコールを口にしないと、夕食後の時間がへんに長いものですね。(笑)
そこでこんな時のために、なにげに本屋で買ってしまった「大人の科学」の『茶運び人形』を作り始めました。

それにしても、その仕掛けをよくよく見るに、西洋から渡来した時計技術を応用したものとはいえ、鎖国時代にこういった精密なからくりを作った技術というものに驚かされます。

これは、雑誌内に載っていた「からくり半蔵」こと細川半蔵が、寛政8年(1796年)に署した、「機巧図彙(からくりずい)」なる日本最古の機会設計書(全三巻)の上巻に書かれた『茶運び人形』の設計書です。
半蔵という人は息子に郷土の職を譲り、「天下に名をあげなかったら二度と故郷に帰らない」と村境の橋柱に書き残し江戸へ出てきたという強者。天文暦学者としても優れた学者であったのだそうですが、半蔵の資料はほとんど残っておらず、ある意味『謎の人』でもあるのだそうで、

「ふむふむ、大人の科学もたまには読んでも面白いかもしんない」

からくり部分は、早々に出来上がったのですが、紙の着物を作るのがちとめんどくさい感じ。
元来、「ドラえもんの手」と呼ばれる我が手、けして器用とは言えないわけで、完成まではもう少々かかりそうです。
ちなみに「生命情報科学の源流」という連載記事もけっこう面白かったですよ。

さて、今日の一枚は、以前はかなり調子に乗っている時じゃないと聴かなかったアルバムです。(笑)

ブルーノート時代のハバードはちょくちょく聴いていたのですが、いわゆるフュージョン系に走っていくハバードは見たくないという偏見があったのだと思います。
このアルバムが、その後、私が毛嫌いする方向へ向かって行く、一つの分岐点になったように今も感じますし、ブルー・ノートを離れアトランテックに移った、そのことがすでにそれを表しているのかも、なんて思っちゃったりしてたんでしょうね。

でも今は、こうしてノリノリで聴いてるんですから、偏見や思い込みはダメだということでしょう。

リー・モーガンの「THE SIDEWINDER」と並び、ジャズ・ロックの代表アルバムのように扱われることもありますけど、ロックというよりソウルっぽい?

ともかく、今となってはけっこう好きな一枚に変わってきています。

BACKLASH / FREDDIE HUBBARD
1966年10月19,24日録音
FREDDIE HUBBARD(tp,flh) JAMES SPAULDING(fl,as) ALBERT DAILEY(p) BOB CUNNIGHAM(b) OTIS APPLETON(ds) RAY BARRETTO(cga,bog)

1.BACKLASH  Backlash
2.RETUM OF THE PRODIGAL SON
3.LITTLE SUNFLOWER
4.ON THE QUE-TEE
5.UP JUMPED SPRING
6.ECHOES OF BLUE


一人で出来るもん!

2007年07月11日 | y-その他

2連チャンの酔っぱらいの夜が終わり、少々充血した目を気にかけながらも、朝食をガバガバ食べていると、
「今晩、だれもいないから、夕ご飯は適当に食べちゃってね。」
「????????? え~~そんなの聞いてないよ」
「話そうにも、毎晩帰りがお昼過ぎじゃ、話す間もないでしょうが」
「・・・・・・・・・・」
「あっ、そうだ、何だったら今晩もおもてで飲んで来ちゃえばぁぁぁぁ」
「・・・・・・・・・・」

そこまで言われれば、意地でも自分で美味しいものを作って、一人宴会をやってやる。まして今晩は、テレビをあまり見ないボクちゃんが、これは見てみようかと思っていた、カワイコチャン綾瀬はるかちゃんの主演ドラマが始まる日、見逃すわけにはいきませ~んからね!!(笑)

それで作りましたよ。
昨晩、美女二人(おーくママと常連さん)と飲みに行った一軒目のお店で出た料理をちょっとだけパクってみました。さらに米は食べませんから、ペンネなんか入れちゃったりしてね。
これがなかなか美味しかったんですよ。ビール→バーボンコースにピッタリ、

「ヘンだ、俺は一人でも生きていけるんだよーーーーだ。あとは、はるかちゃんに癒されながら、ゆっくり飲もうっと」

さて、今日の一枚は、はるかちゃんのドラマが始まるまで、料理を食べながら楽しんだアルバムにしました。

当時のガレスピー楽団のメンバーが、親分抜きで頑張っちゃった一枚で、厳密にはリーダーは存在しないセプテットの盤ということになります。ところが日本では「リー・モーガン=ウイントン・ケリー・セプテット」なんていう、まるでモーガンとケリーの双頭バンドみたいな扱いで販売されました。
でも、ジャケットに写っているのはアル・グレイとビリー・ミッチェルですし、中身を聴いてもモーガンもケリーも頑張ってはいますけど、ミッチェルのテナーがなんといっても抜群です。「OVER THE RAINBOW」のテーマ部分なんて「美しい、美しすぎる」てな感じ(笑)
中身を聴けば、モーガンとケリーの双頭バンドなんていう人は誰もいないと思います。(どこのどなたなんでしょうね「リー・モーガン=ウイントン・ケリー・セプテット」なんて銘打った方は)
それからね、「親分がいなくて良かったね」なんて・・・・・私は思っています。

DIZZY ATMOSPHERE
1957年2月18日録音
LEE MORGAN(tp) AL GREY(tb) BILLY BITCHELL(ts) BILLY ROOT(bs) WYNTON KELLY(p) PAUL WEST(b) CHARLIE PERSIP(ds)

1.DISHWATER
2.SOMEONE I KNOW
3.D.D.T.
4.WHISPER NOT
5.ABOUT TIME
6.DAY BY DAY
7.RITE OF SWING
8.OVER THE RAINBOW


四万六千日

2007年07月10日 | a-c

今日はこんな時間の更新です。
それは何故か?
じつは今晩いつものバーのママと、同じく同店の常連さんと、三人での飲み会が控えてるものですから(笑)そうっと周りの目を気にしつつ、仕事場での更新であります。

7月7日は七夕、そして、昨日今日はたしか浅草浅草寺の四万六千日の縁日『ほおずき市』ではなかったでしょうか?
これも江戸時代から続く伝統行事ですね。私はもう何十年出かけていないことか。
あの赤いほおずきは「鬼灯」なんても書きますが、鬼の灯りと呼ぶには可愛すぎますよね。小さいときには実の中身を抜いて「ブーブ、ブーブ」鳴らしてました。今の子はそんなことしないんだろうなぁ。(笑)

四万六千日は暑さもさかり、混んだ蔵前通り歩くのは辛かろうから、参詣は舟にかぎると、いやがる連れを伴って馴染みの客が船着き場へとやって来ます。

落語『船徳』です。八代目桂文楽の十八番でありました。
道楽者の若旦那「徳」が、居候していた船宿の船頭姿に憧れて、よせばいいのに大川に漕ぎ出してんやわんや。じつに楽しい古典です。ぜひとも一度お聴きになってみて下さい。

「あれ?浅草に大川なんて川ありましたっけ?」
まったく、私がそっと分からないように更新作業をしているというのに、O君がのぞき込んでそんなことを、
「バカだねぇ、大川ってえのは隅田川のことにきまってんじゃん」
「あれ?隅田川は隅田川でしょ、支流かなんかですか?」
「え~~~い、めんどくせぇ、東京湾の河口から吾妻橋あたりまでを『大川』、浅草周辺を『浅草川』『隅田川』って言って、そのまた上流を『荒川』って呼ぶんだよ」
「へぇ~~そうなんだ」
そんな知識も落語が教えてくれたんでしたねぇ、
「若者よ、落語をもっと聞きなさい。」

さて、これ以上、隠れて更新するのもなんでしょうから、こんヘンで今日の一枚。
「CHET BAKER SINGS」のヒットに気をよくしたパシフィック・ジャズのオーナー兼プロデューサー、リチャード・ボックは、ポップな路線でもチェット・ベイカーは売れるとふんだのか、ストリングスを加え4曲を録音しました。さらにレギュラー・バンドで6曲、これを収録したのが今日のアルバムです。
「シンガー、チェット・ベイカー」を「CHET BAKER SINGS」と今日のアルバムで確実なものにしたかったのでしょうね。

ベイカー自身は、「シンガー、チェット・ベイカー」を、どう考えていたのか?
ある話によれば、1955年初頭には人気ナンバーワン・トランペッターであったベイカーは(ダウン・ビート誌、メトロノーム誌、いずれもトップ)、「男性ボーカル部門でも四位のナット・キング・コールに並びたい」などと言っていたそうですので、そう悪くは思っていなかったのかなぁ。だけど、「シンガーと見られたり呼ばれたりすることに、一時は強い抵抗があった。自分はトランペッターなんだ!ってはっきりと言ったこともある。」とも言っていますので、揺れる心がそこにはあったのだと推測できます。

このアルバムですが、ちょっとばかり商業主義的な要素が、露骨に現れすぎて、ベイカーの評価を落とした作品でもあります。歌が難しすぎたのか録音時間も大幅に延長して行ったものの、ベイカー自身、満足感を得られる内容ではなかったようですし、ボックが必至に編集したのでしょうけど、つなぎ目はめちゃくちゃ、録音・レベルも不安定、じつに雑な仕上げになってしまったのでした。
ともかく、このアルバムが「ジャズ界ではチェット・ベイカーなど真剣に取り上げる値打ちのあるアーティストではない」との認識を広めた問題の一枚だったことは確かです。

さぁ、ここまでこけ落とされたアルバム、あなたは今聴いてみてどう思いますか?

CHET BAKER SINGS AND PLAYS
1955年2月28日, 3月7日録音
CHET BAKER(tp,vo) BUD SHANK(fl) RAY KRAMER, ED LUSTGARTEN, KURT REHER, ELEANOR SLATKIN(vlc) CORKY HALE(harp) RUSS FREEMAN(p) RED MITCHELL(b) BOB NEAL(ds) FRANK CAMPO,JOHNNY MANDEL, MARTY PAICH(arr)[2,4,6,9]
CHET BAKER(tp,vo) RUSSFREEMAN(p) CARSON SMITH(b) BOB NEAL(ds)[1,3,5,7,8,10]

1.LET'S GET LOST
2.THIS IS ALWAYS
3.LONG AGO AND FAR AWAY
4.SOMEONE TO WATCH OVER ME
5.JUST FRIENDS
6.I WISH I KNEW
7.DAYBREAK
8.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
9.GREY DECEMBER
10.I REMEMBER YOU

おまけ、
ボックがこのアルバムを制作しようと考えた最大の要因は、パシフィック・ジャズの市場調査で、ベイカーのファンの大半が若い女性で占められていたことにあります。
ベイカーのセクシーなTシャツ姿の写真をコラージュし、イニシャル入りのハートがあったり、ピンクのキューピットまで貼り付け、まるで古き時代の女子高生の部屋の壁みたいなジャケット・デザイン。う~~ん、心意気が感じられますね。(笑)