機動画報日誌 Mk-Ⅱ

英 浩史の日々徒然を記すブログ

◎フューリー

2015年01月02日 | 映画
どうもです。

 前評判が悪かったのか単にカドカワが悪乗りしただけだったのか、
秋山さんのナレーション&ガルパン・艦これ・スト魔女の前売り特典
には疑問の嵐で、むしろ観に行く気を失いかけていたんですが、観に
行った知人の勧めで観に行くことに。絶対あのCM、逆効果だって。

 少数精鋭で死線をくぐり抜けてきた部隊に欠員補充で入ってきた
のが、書類上の手違いで実戦経験も訓練経験もない新兵で、部隊長
他から、いじめ半分からかい半分で交流しつつ、厳しい作戦状況の中
徐々に部隊の戦力が削られていきます。途中、制圧した街でのこと
とか、これでもかってくらいに戦争の悲惨さが描かれてます。
 確かに、知識としてだけでもこういうのを知っている人間にとって
は、『ガールズ&パンツァー』なんて軽くて、軽すぎて観てらんない
んだろうな、とは思います(*1)。個人的には第1話ラストでヒロイン
達からズウゥーッとズームアウトしていって、最後に学園艦の全景が
写った瞬間に大あら・・・もとい大笑い(*2)して、それまで「なんじゃ
コレ?」な目で観てたのが全てOKになったんですが。そんなこと
言ったら「そういう世界なんだ」という前提抜きに、将来的な技術論
の話としても戦術的な用途の話としても人型兵器の話なんてできなく
なるやん?と思う訳で。

 まあそれはともかく、ベテラン部隊に新兵が配属されて悲惨な
ラストを迎えるというストーリー(*3)、ガノタ的には某作品を思い
起こさせます。まあ、某作品のように新兵が「ミンチよりひでぇ」
状況にはならないんですが(そういう意味では小説版の方か?)。

 まあ勧めてくれた人との会話でも出てきた(当然自分は観てなくて、
実際に観てあらためて思った)んですが、今どきの戦争映画って
すぐ《戦争賛美》と捉えられることを回避するためでしょうかね、
戦争の悲惨さを「これでもかっ!!!!」とばかりに描き続けて、
カタルシスのようなものが殆どないですね(全くない訳でもないん
ですけど)。

 カタルシスを得つつも戦争賛美に繋がらない演出法の出現が待ち
望まれます。

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  *1:件の人曰く「戦車ってのは泥まみれで油まみれで臭くって、女の子が乗って
    どうにかなるもんじゃないんだよ(注:けっこう前のことなので朧げな記憶
    の中から意訳)」とのこと。確かに主演のブラッド=ピットも(偶々TVで
    やっていた映画紹介番組のインタビュー映像で)似たようなことを言って
    ました。他にも「砲塔の旋回で足を切断したり、蓋の開閉で指を骨折したり
    普通にある」とか、劇中にあった「理想は平和だが、歴史は残酷だ」という
    セリフ、ブラピがアドリブで言ったらしいんですが、それが彼が個人的に
    会って話を聞いた退役軍人の言葉からだったこととか。『フューリー』の
    部分だけでも録画しとくべきだったと軽く悔やみ中。
  *2:面堂終太郎って言って何人の人が解るだろうか?
    しかしまあ、大洗の地がこれほどオタク方面で有名になろうとは・・・・ねェ?
  *3:他にも、新兵が敵国の女性と淡い恋心を抱き合うとか、新兵に一番つらく
    当たっていた上級兵も、ちょっと偽悪が過ぎただけで、けっこう新兵のこと
    を思いやってのことだったことを吐露したりとか。



◎宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟

2015年01月01日 | 映画
 機動画報日誌をご覧の皆さま、明けましておめでとうございます。
本年もまた、全日本絵画と『Mobile Graphix』をよろしくお願い
いたします。

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 いやぁ、いくら着込んでも寒気は止まらないし、食欲が湧かなくて
何にも食べられないし。もう最低最悪の大晦日でした。予告して
あったから意地で書き上げた前回エントリー、今見てみたら案の定
誤字脱字の嵐だし。

 でもまあ、着込んだまんま(*1)布団の中に籠って、寝汗だけは
たっぷりかいたからでしょうか、翌日には何とか動けるレベルまで
復旧したので、一時期あきらめかけてたんですが(*2)せっかく予約
したんだし・・・ということで観てきました。

 イスカンダルからの帰途、TV版本編にもチョイ出していたガトラン
ティスがいきなりヤマトに襲い掛かってくる訳ですが、野蛮な戦闘
種族的なニュアンスが込められた設定になっているのに、なんで
宇宙艦艇なんて持ってんだろうか?と思っていたら、征伐した先々
で有用な技術者は《科学奴隷》として生かして使ってるとか。原理
とか解からんが使用法さえ解かれば、威力のある武器だし、細けェ
ことはいぃんだよ!ということなんでしょうかね。もしかして艦の
保守なんかの要員にガミラス人(*3)が乗ってたりするんでしょうか。

 それにしても、原作(というか旧作アニメ)から外れるオリジナル
ストーリー(*4)ってこういう幻惑ネタばかりですな。脚本家・出渕裕
の作風ってことなんでしょうかね。救難信号を受けてやって来た古代
たちがバーガー達(ドメル艦隊の残党)にはザルツ人に見えたり、
美影とネレディアで同じ本が別物に見えたり、いろいろ芸コマな部分
もあるんですが、その割にアマゾンのジャングルとか戦艦大和とか
大和ホテルとか、美影の認識が他のヤマトクルーに反映されている
(古代たちが行く先々で見るものすべてが美影には見覚えのある、
あるいは知識として知っているものばかり)のはどうなの?と思わ
ざるを得ません。物語前半の、まだ幻惑であることが明らかに
なってない時点でそういう演出が難しいとは思いますが、決して
できないことではないと思うんですよね。

 あと一番気になったのが、ガトランティス艦艇が進行軸線を中心
に高速回転しながらワープアウトする点ですかね。わざわざ回転を
相殺するための逆噴射もしてるし。
 ヤマトともガミラス艦とも違う表現をしたかったんだろうなという
のは解かるんですが、それにしたって・・・・・ねぇ?というところ。科学
奴隷に作らせたワープ装置とガトランティス艦(これも多分、別の
種族から連れて来た科学奴隷に設計・建造させた?)との相性が
悪くて、超空間を移動する過程で自然と(跳躍距離に比例して)回転
運動が加わってしまうとか、そういうことなんでしょうか。
 ただ今回、それ以外の艦艇の動きなどで「はァ?」ってなるシーン
が少なかったんですが、今西隆志氏が3DCGプロデューサーに
《出世》したこと(*5)と何か関係あったりするんですかね(苦笑)?

 またぞろ、文句ばっかり言っているように見えるかも知れません
が、オープニングのヴァイオリンアレンジ(奏者:葉加瀬太郎)は
素晴らしいと思いましたし、バーガーのキャラが凄くいい方向に
膨らんでるのが良かったですね。出渕ソーカントクが続きを作る
つもりは無さ気なんで無い物ねだりということになる可能性高し
なんですが、旧作の、古代との好敵手としてのデスラーの立ち位置
に立っていてもいいんじゃね?ってくらいに良いキャラでした。


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  *1:寝間着2枚重ねに靴下、外出用上着を着て布団に潜り込んだ訳ですが、
    モノも喰わず薬も飲まず、よくここまで戻れるもんだと自分で驚いております。
  *2:ネット予約でクレジット清算だとキャンセルが効かないみたいなんで、料金
    分を捨てることになるんですかね?
  *3:ガトランティスの火焔直撃砲がガミラスの物質転送装置と近似の技術を応用
    したエネルギー転送システムと、別の種族から手に入れた大出力ビーム砲を
    組み合わせたものという新設定には(笑いながらも)納得できたり。
  *4:まあ幻惑ネタも、松本零士版まで広げれば《原作》にあるんですけどね。
  *5:エンドクレジットで確認して「ああ、そうなのか」と妙に納得できた(笑)から
    間違いないと思うんですが、プログラムでもWikipediaでもCGディレクター
    :上地正祐とあるのみで、今西氏の名前が出てこないんですよねぇ。