どうもです。
食い扶持稼ぎの方がポッカリ空いて、思いがけずお休みになった
ので、三日遅れのAniversaryという訳でもないですが、ちょっと外出
して来ました。行き先は再びの上野。目的は…えー、全部ひらがな
で書くと「
うめてんてーてん」ということにでもなるんでしょうかね。
上野の森美術館で開催されている「蒼樹うめ展」です。先々週まで
の「大河原邦男展」とは、真逆と言っていいくらい傾向の異なる内容
ですが、両方好きな人間は少なからずいるようで、「先週(とか先々週
とかこの間とか)もココ来たよ」という声が周りでチラホラ。
というのも、先々週の状況から考えれば即入場できるだろうと嵩を
括っていたら結構な行列になっていて。30分強待たされている間に周り
の会話が漏れてくる訳で。でもまあよく考えてみたら、前後に土日
(+祝日)を配した1週間ちょいしか開催されないので、平日でも
動ける人は行くだろうな、と。実際いかにもな大学生とか、会話の
内容から察するに漫画家だったり、勤務時間に融通が利くのか午後
から出勤(ヲイ)というサラリーマンだったり。
まあ、そんなこんなな流れの後ようやく入場して。基本的には
「ひだまりスケッチ」と「魔法少女まどか☆マギカ」の展示が主体
で、その前後にそれ以外の展示品がまとめられているという構成。
序章になるのが漫画家デビュー前の作品群。美大時代のデッサン
とかはまだ解かるんですけど、子供の時のクレヨン画とか絵日記の
1ページとか、学校の授業で作ったものであろう木版画とか、独特
過ぎるというより「よく残っているな」というのが率直な感想。
こういうのってお母さんが大事に取ってあったんだろうなァ・・・
とちょっとホンワカした気分に(*1)。
その後は「ひだまり・・・」コーナー。掲載誌の表紙になったイラスト
とか漫画原稿の下書きとか、アニメ用の描き起こし設定画とか。
うめ先生自筆の補足解説文も読んでいて面白いんですが、それと
は別に、展示用の壁(パーテーション)に直描きされたものを見つける
のも密かな楽しみといえるでしょう。壁の色に近いマーカー(?)で
描かれていて近づかないと見えにくいのとか、隙間にこっそり描かれ
たのとか(*2)。
ゆのの部屋が再現されてまして、そこだけは写真撮影可だったん
ですが、あくまでも部屋の中だけであって、部屋の外はNGだった
のはちょっと解せません。部屋の外のインターホンの脇に書かれた
「ピンポ~ン」とか撮影したら怒られてしまいました(苦笑)。
これも【再現・ゆのの部屋】の一部ではないんですかね。
大河原展でもありましたが、展示会用に描き下ろしたイラストが
どういう風に描かれているのかを撮影したVTRが上映されていて、
そこは特にすごい人だかりでした。しかも今回は【下描き編】【ペン
入れ編】【彩色編】の3本立て(というか分割構成)だった上に
それぞれの尺がバラバラだったので、下描き編の途中からスタート
して、1回半観て次に移動してもまた【ペン入れ編】の途中から
ってことになって、【彩色編】までひと通り観るのに本来の尺の
倍ぐらいかける必要があり、人の流れが滞りまくってました。
一本にして入替制にした方がよかったんではないかと思ったり。
続いて「まどか…」の展示コーナー。TV用、劇場用、小説版の
挿絵などさまざまなイラストも美麗で眼福だったんですが、まどか
たちのデザインが出来上がる過程とか、どういう意図でどういう
パーツが配されているのかとか、けっこう細かく解説されていて、
非常に面白かったです。
最後は「ひだまり」「まどか」以外のお仕事コーナー。諸事情で
ペンディングになっている(らしい)企画の設定とかカットとか、
「絵師100人展」用に描き下ろしたイラストとか、色んなアニメ作品
用に描かれたエンドカードとか(*3)。勿論コミックマーケット75で
使用された表紙と森林保護募金ポスターもありましたよ。
ひと通りの展示を観終わって、出口に向かう通路にまたすごい
行列がありまして。要は物販コーナーに並ぶ人たちだったんですが、
そういえば入場前の待機列とは別の行列があったな、と思い出して
これがそうなのかと。自分たちよりも前から並んでいるっぽいのに
ほとんど動きがなく、こちらがけっこうサクサク進んで入場して
いくのが不思議だったんですが、そういうことだったんですな。
図録だけは順路から少し外れた場所で別に売っていたのを買った
し、展示会用に描き下ろしたイラスト(3点)を使用したクリアファイル
も《本日分完売》となっていたので、物品購入は早々に諦めて、その
まま会場を後にしました。
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*1:図録には本人や新房監督へのものと並んで、お母さんへのインタビュー記事
が掲載されていたり。これもそうそうない展開ではないかと。
*2:前を歩く女性二人連れが、少し隙間の空いた壁の間を指差しつつクスクス
笑っているので、「壁の向こうの展示で何か面白いのがあるのかな?」と
思って覗いてみたら「うっ、気付かれた!」と呻いているうめ先生の自画像
が小さく描かれていたり。
あと等身大ゆののパネルの隣に一本線が引いてあって「私の身長」とか(笑)。
*3:ちょっと意外だったのは、リスアニのイメージキャラってうめ先生デザイン
だったんですね。いわれてみれば、なるほどとは思えるんだけど、ちょっと
気付きませんでした。