旧ソ連軍の設計技師『ミハイル・カラシニコフ』が、1947年に開発した自動小銃がAK47である。AKはロシア語の『アフタマート・カラシニコフ』(カラシニコフ自動小銃の頭文字)で、別名「小さな大量破壊兵器」とも呼ばれている。
この本ではAK47が設計者の『カラシニコフ』によって、どのようないきさつで製造されたのか、またAK47が途上国で使用されたことによって、どのような悲劇が起きてしまったのか、人間はどこまで野蛮になれるのか、国家とはどうあるべきか、指導者とはどうあるべきかが描かれている。
☆シエラレオネの内戦では、反政府ゲリラが子供達を誘拐して少年兵・少女兵にして、AK47を持たせた。AK47は子供でも重くなく、使いやすかったからだ。反政府ゲリラ兵は山刀で村の住民の手首を切り落とすという「手首切り」を行った。手首を切られた者は「長袖」と呼ばれた。そしてひじから切り落とされた者は「半袖」と呼ばれた。15歳前後の元少女兵は1回2000レオン(日本円で約100円)で売春していた。
政治指導者達がダイヤをめぐって利権を争った結果、自国の国民を守るどころか大勢の命を奪い、悲劇を生んだだけに過ぎなかった
☆失敗した国家では、警官・兵士・教師の給料が支払われていないという。
モブツ政権下でのザイールでは政治が腐敗して、経済が崩壊し兵士の給料が支払われずにいた。1994年ルワンダで大量殺害事件が起こり、ルワンダの難民がザイールに逃げ込んだ。しかしザイール兵は、ルワンダの難民から貴重品を奪い、そして殺した。
☆ソマリランドで司法研修生をしているホダン・アブディの言葉
『国家が崩壊した苦しさは、戦乱を生きてきた私達にはよくわかります。だからこそ私達は、銃などで壊れない国家をつくりたいのです』
☆国家とはどうあるべきか
他の国に干渉されることのない自由な意思を持つ国家・国民を守る国家・言論の自由のある国家・真の資質を持っている政治家が存在する国家
最後に自分達の意思で国と国民を守るという、誇りを胸に秘めている国民が存在する国家。