昨日は夕方に時間が出来たので、「ちょっと、行ってくる。」と家を出た。
取り敢えず、目的地は無い、ただバイクを走らせるだけ。
いつもの道からバードラインに入る。
マフラーから吐き出される独特の音を聞きながら直線の登りを息の長い加速で距離を稼いでいく。
前の車に追いついたので並走しているとバックミラーにバイクが小さく見えた。
最近のバイクの様だが良くわからない。
直線で見通しを確認して前走車を追い越す、後ろのバイクは追い越してこないみたいだ。
しばらく連休最後の空いた道を流していると、ミラーの隅にヘッドライトの灯りがみえた。
本当はバードラインだけを一周して家に戻るつもりだったのだが、後ろのバイク乗りの乗り方に味がある感じだったので左折せず、真っ直ぐ先を行ってみる。
そこからの2台のバイクの距離もかわらず、つづらおりを昇っていく。
民家やお店の有る所ではスローダウンして走るが車間は変わらない。
奥社を抜けて黒姫までの裏道はとても美しくまた、気持ちのいいカーブが連続している。
スロットルを空ける、新緑の景色が混じり合う様に流れていく。
少し冷えてきたが、今日はまだ暖かい日だ。
後ろのライダーとコンタクトを取ろうか考えながらも止るのがなんだかもったいない気がして信濃町までの交差点まで走った。
信号で止まって初めて後ろのバイクを確認した。
新しいBMWのようだ。横の信号が黄色に変わる。
ここからは田んぼの中の長い直線になる。
交差する道の信号が赤になる。
クラッチを握り、ギヤを確実にローに入れる。
目の前のシグナルが青になった。
スタートするとき、私は彼にちょっと手をあげた。
その後、フルスロットルで加速したから彼が返したかどうかは確認できなかった。
私は右に、彼は左に向かったのでそれがそのバイクを確認した最後だった。
でも、雰囲気があってまた、いつか道のどこかで会えたらそれも楽しいと思う。
まだ暗くなる前に家に帰れるように、オレンジ色の空に向かって思ってもいなかった遠回りを楽しみながら身震いする様なエンジンの鼓動を味あわせもらった。
昨日は写真が撮れなかったので今日のものです。今日は長野は27℃!バイクには最高です。