は~ふたいむ

仕事帰りにカフェに寄り道して、一緒にコーヒーなど飲みながら、
他愛のない話をして過ごしたい。そんな時間。

祈りの日 2009

2009年08月06日 | weblog
今日は「原爆の日」。
いつもなら、数日前くらいから旅行者らしき人を多く見かけるようになるんだけど、今年は何となく少なめ。
不景気のせいかな?

でも、当日の朝は大混雑。
会話から、麻生さんや増添さんを見に来たらしい人が多数。
原爆ドーム周辺には機動隊と、横断幕を持ってヘルメットを被った人たちが対峙。
デモ行進は「田○神を叩き出せ!」なんて叫んで抗議してるし。
毎年おなじみの光景ではあるけれど、今年は何となく殺伐とした雰囲気。

何となく・・・なんですけどね。
「冥福を祈る」とか「平和を希求する」という感じではなかったような気がしました。

毎年、出勤前には平和公園に立ち寄って、8時15分の黙祷を捧げています。
今年もそのつもりで家を出たのですが、着いた時には8時を回っていて、いつもの場所(モニターが設置してある木陰)に行き着けず、原爆の子の像の前で、死没者名簿の奉納の音楽に耳を傾け、静かにその時を待ちました。



黙祷のアナウンスの後、人々の足が止まるのが音で分かります。
その最中も、デモ行進の声は相変わらず止まないのですが。

何でしょうね。
この日にここに来ると、目頭が熱くなり、こみ上げるものがあります。
たくさんの人が集まっているということに、感動をおぼえるからでしょうか。

仕事が終わった後は、慰霊碑にお参りをして帰りました。
夕方になると、灯篭流しや水辺のコンサートが始まるなど、朝とは違ってイベント的なものが増えてきます。
私もコンサートを聴いて帰ろうかと足を止めたのですが、前に割って入って、大声で喋りながら写真を撮り始めた親子にイラッとしてしまい、すぐに帰ってしまいました。
灯篭流しの写真を撮りたいのは分かるけど、ちょっとは周囲に気を遣ってほしいなぁ。



その灯篭流しも、灯篭を買うのに長い行列ができていて、どんなのを描いているのかと思ったら、祈りの言葉ではなく、ポップな模様や恋愛成就なメッセージが描かれていていたり・・・。

何だかなぁ。

と、思わず声に出してつぶやいた、祈りの日でありました。

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2 コメント

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Unknown (たつた)
2009-08-06 22:58:13
「平和とはそのことを意識しないですむ状態である」
駅のホームにて黙祷。

仕事で平和の大切さを伝えられるのはありがたいことです。

大き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨あつまれり

正田篠枝さんの詩です。
栗原貞子さんの「生ましめんかな」も心に響きます。被爆直後の廃墟の地下で人々は一人の赤子の出産に力を尽くします。一人の産婆が名乗り出て、赤子を夜明けともにとりあげます。自分の命をかえりみずに。
大野充子さんの「かあさんのうた」も胸をうちます。自分の親とはぐれた女学生が,閃光で視力をうしなった小さな男の子を抱きかかえます。しきりにお母さんを呼び続ける男の子に、その女学生は思わず「母さんはここにいるよ!」と語りかけ抱きしめます。女学生の心は母さんの心になります。男の子は安らかに永遠の眠りにつき、女学生も朝を待たずに息絶えます。
どの作品も戦争の悲惨さとその中でもなお輝く人間のすばらしさが心を打ちます。あの悲惨な状況を目にした作家ですら、戦争の愚かさに絶望しつつ、それでも人間の可能性を信じています。
人間がつくったものなら人間の力でなくせるはずです。

今日TVでみていて一番印象に残ったのは次の言葉。
「ここは平和公園と呼ばれとるけど、原爆が落とされるまで公園ではなかった。人々の暮らしがあった。町があった。」
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今年は (奈々)
2009-08-07 21:11:40
帰宅してテレビを付けたら、
ニュース番組で色々と原爆の日にちなんだ特集がありました。
おかしな話ですが、
昔よりも「戦争」や「核」の恐怖というものが、
身近に感じられるような時代になったように思います。
フィルムや写真、CGなどの映像資料が増えてきたせいでしょうか。
伝わり方が、より具体的になったようで、人々の関心を呼びやすいのでしょう。
ただ、それがバーチャルなものだと勘違いされるという危惧もあります。
そんな時こそ、
原爆文学の重要性を感じます。
恐怖は目で見て感じるものではなく、頭で考えてこそ感じるものだと。
平和も同じで、ひとりひとりが考え、意識することで維持されていくのだと思います。

私が一番強く記憶しているのは、峠三吉の「原爆詩集」です。
あらためて読んで、強く心を打たれました。

http://home.hiroshima-u.ac.jp/bngkkn/database/TOGE/TogePoems.html
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