喪中はがきを受け取って

喪中はがきの季節になってすでに何枚か届いた。

そのご家族が亡くなったという知らせは寂しいだろうなという気持ちは抱くけれど、年賀状の

やり取りをしていた当の本人が亡くなったという知らせは、本当に辛い。

納戸の掃除をしていて古いアルバムを見ていたところへ新卒の頃一緒だった人の奥様から

悪性リンパ腫で１０月に亡くなったとのはがきだった。

お互いにその土地を離れてから結局一度も会う機会はなかったけれど年賀状のやり取りだけは

続いていた。

わずか２年の同僚だったけれど、お互いに若かったので若い仲間とピクニックの行ったり

食べたりしてよく遊んだ。

知り合いが亡くなるのは寂しい。

アルバムの中の夫はいつもタバコをくわえている。最後の５年間はお医者様に止められて

いやいや吸うのを辞めていたけれど、本当は吸いたかったのだ。

どうせこんなことになるのなら吸わせてあげればよかったのかとアルバムを見ながら涙がこぼれ

た。