パソコンをのぞいていたら「ホテル鳥羽小涌園」がこの9月に閉館するとあった。
子供が小さかったころの夏、その年は伊豆大島の「小涌園」に数日泊まった。
まだ泳ぎの下手だった子供はホテルの小さなプールで泳ぎ、夜は椿料理を食べたりした。
三原山に行ったり高いところから波浮の港を眺めたり・・・三原山で馬に乗るために
順番を待っていたらすぐ後ろに並んだのが当時の扇雀(今の藤十郎)夫妻だった。
行きは確か熱海から船に乗ったけれど帰路は伊東へ出てそこでⅠ泊、シャボテン公園や
大室山などに遊んだ。
全国各地に「小涌園」があるのを知って全部行こうと思い、その後「箱根小涌園」に
2泊で行き、次は「伊東小涌園」にと2回予約したけれど、2回とも夫の父や母が急に
入院することになりキャンセルしなければならなかった。
2度めなどはすでに荷物を送り明日出発というときに急に母の具合が悪くなって
ホテルに電話して荷物を着払いで送り返してもらったものだった。
老人は元気でいても息子が出かけることになると本能的に寂しいのかよくこういう例
があると言われた。同じ家に住んでいたのではないけれど。取りやめてすぐに
回復したのでやはりそうだったのかもしれない。
その後夫も亡くなって河津桜を見るために伊東へ2泊の1人旅をした時には「小涌園」
には怖くて泊まれなかった。2度あることは3度ある。違うホテルを選んだ。
「鳥羽小涌園」には数年前、息子と行った。高台にあって部屋から美しい海が眺め
られたが、確かに古かった。やはり一抹の寂しさがある。