脳卒中に手術は不要と、独自の治療法で話題となりつつある医者。都知事がもくろむ湾岸国際医療都市構想の目玉として、招かれるとの情報で取材に当たる若手記者絵里子。その記事を巡っての、猛反対する名物女性記者との衝突、別権力も混ざっての社内での綱引き・・・結果記事は掲載されたが、その医者の治療で家族が死亡したとのネットへの書き込みが・・・そして何故か沈黙する「他の医療関係者たち」・・・荒れる雲行き、利権の絡み合い、お仕事、プライドその他もろもろ・・・果たしてあの医者は名医か疑医か？？・・・そんなお話。
思い返せば実は展開に「トンデモな意外性」は無いんだけど、トラブルの詰め込み方が絶妙で、ほど良くぐいぐい引き込まれる。トリッキーでは無いから、本筋に入り込みやすいし。ミステリィとしてもしっかり成立してるけど、お仕事小説感の方が強く個人的には受け取りました。正攻法でしっかり書かれた小説で、かつきっちり読み易いし、各キャラの際立たせ方も「それ先行」にならない程度にちゃんと出てて程よいし・・・何よりストーリーも好きだったし。
非常に面白かったです。