同じ病院で1日違いに生まれた小学生二人が奨励会で再開する。一人=京介は才能ある一流棋士と人気の女流棋士の息子として恵まれた環境で育ち、もう一人=千秋はその二人とも親交のあった女流棋士の息子としてただし母子家庭のハングリーな環境で育ってきた。共に同年代では図抜けた将棋の才を発揮する二人は、自ずと友人になる。そんな二人は、出生時に互いの取違いが起こっていたかも知れない「放火事件」について知る。才能を決めるのは遺伝子か環境か・・・千秋に今一歩届かない京介はそんな思いも抱き・・・そして二人は親たちには内緒でDNA鑑定を進めることに・・・そしてその結果は・・・その後の二人の進み道は?そして親子とは・・・そんなお話でしょうか。
幾層にも仕掛けられたミステリィ要素と、登場人物たちの心情の機微、そしてカッコよかったりもがいたり美しかったりな人間ドラマは作者の特徴が今回もビシッと決まってますね。結構グイグイと引き込まれ、読み切った印象です。
非常に面白かったです。
同じく将棋物のこちらとの少しリンクあり(未読でも本作は楽しめますが読んでるとおまけ感があって吉)↓
「盤上に君はもういない」