「5A73」 詠坂 雄二

 

「暃」と言う幽霊文字(JISコード「5A73」)のタトゥーシールを残しての連続自殺。刑事部別室の山本&早川はその幽霊文字の謎から連続自殺の事件性を探る。自殺者のそばに現れるヘッドフォンの男＝韮澤へとやがてたどり着くが・・・そんな感じでしょうか？

 

テイストはミステリィだけど、そっちと言うよりは乾いたホラーですかね。怪異物。幽霊文字一個からこれだけ話を膨らませ、不思議なまま納得感もありで回収すると言う不思議なお話。この一連の事件が小説化される(メタな？)経緯も含めて不思議と優しい読後感・・・いや優しくはねえか(笑)　難解と言うより思考実験的な感じもして、ガツガツと読み進める感じでは無かったけど読み難いとも言えず(どっちだ・・・)・・・その辺も作者独特の手触りな作品でしょうかね。個人的には嫌いではないです。

 

面白かったです。

 

尚、サーガ？と言うか世界観を共有している作品が他にもあるけど、単独作品できっちり楽しめます。ちなみに見えないものが見える韮澤君はこのあたりに出てきますね。

「君待秋ヲは透きとおる」

「電気人間の虞」

他にも出てたかな・・・