あらかると one day

小さな旅とetc・・・。

時が滲む朝(楊 逸 著)

2008-12-08 18:33:39 | 読書
 2008年 第139回芥川賞受賞作品
主人公 浩遠(ハウ・ユェン)の大学入試前後の話から民主化運動に加わり、
天安門事件の後、居酒屋で口論の末傷害事件を起こし、大学も退学になり
そして中国残留孤児の娘と結婚し日本で暮らし始める。
日本に来てからも民主化とは・・・?という思いが頭をよぎる。
日本で暮らす中国人の人たちの話とか、民主化運動で海外追放になった人など
私の知らない中国の社会を改めて知らされた。

(抄録より)
梁浩遠と謝志強。天安門事件から北京五輪前夜まで、2人の中国人大学生の成長を通して
中国民主化勢力の青春と挫折を描く。中国人の心情をえぐった一冊。
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お腹召しませ

2008-11-29 17:47:12 | 読書
 表題の「お腹召しませ」の他5篇の時代小説の短編集です。
時代は維新前の武士のしきたり(切腹、女敵討など)が死語になりかかった頃だ。
作者が小説の糸口になった話なども添えられていて、すべてが史実に基づいた
話ではなく創造によるものもあるということだ。
現代の話を糸口にして書いてあるものもあるが、それは幕末の人の心にも通じた
物があるからだろう。

(抄録より)
入婿が藩の公金に手を付けた上、新吉原の女郎を身請けして逐電。
お家を保つために御留守居役が出した名案は「腹を切れ」-。
二百六十余年の太平で、武士の本義が薄れてきた幕末から維新にかけてを舞台に描く侍たちの物語。
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月島慕情 (浅田次郎 著)

2008-11-16 13:38:07 | 読書
 何といったら言いか見える表面だけでなく、人間の心の中までさらけ出してくる珠玉の7話の短編集です。

浅田次郎さんの作品は映画では見ていたが(ぽっぽや・壬生義士伝)意外と本では読んでいなかった。
又 しばらくは浅田次郎さんの本にのめりこみそうだ。

(抄録より)
30を過ぎた吉原の女郎・ミノにふってわいた"幸運"。自分にふさわしい幸せを見つけた彼女の人生の選択とは?
表題作のほか「供物」「インセクト」「めぐりあい」など、時代を超えて語りつがれる7つのストーリー。
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こころ 6/8 拍子(鈴木綾子著)

2008-11-02 11:53:05 | 読書
 小松島市在住でピアノ教師でもある著者が音楽の第一楽章から第三楽章に例えて書かれているエッセイ集です。

第一楽章には徳島新聞の「ぺんるーむ」や「読者の手紙」に投稿した文で構成され、
第二楽章は白血病で亡くなられた息子さんのことを書いて「とくしま随筆大賞」の大賞を受賞したものなど、
数々の受賞を受けた作品などで構成されています。

第三楽章は「戯曲集」として「海部花さん」「海野十三氏」の伝記で作られいます。
海野十三氏については徳島中央公園の記念碑で知ったので興味を持って読みました。

最初は新聞の投稿をされていて、こういう随筆集を出されるなどの活躍に目を見張る思いがします。
すばらしい方ですね。
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冒険家(三浦雄一郎著)

2008-10-18 16:31:03 | 読書
 75歳エレベスト挑戦記
プロスキーヤーの三浦雄一郎さん、1985年「世界七大陸最高棒スキー滑降達成」
2003年「70歳 史上最高齢エレベスト登頂」そして75歳の今年5月再びエレベストを目指す。
今回は心臓不整脈を抱えての挑戦。

オリンピック聖火リレーのチョロランマ(エレベストの中国名)登頂と重なりルート変更、愛息豪太氏の病気による下山、あらゆる障害を乗り越えて登頂を実現する意思と体力、この飽くなき冒険心にはただ感嘆するばかりだ。

山登りの経験が余りない私にも、山の厳しさがひしひしと感じられた。

(抄録より)
70代で2度目のエベレスト登頂成功! 不整脈を患い、2度の心臓手術を経てエベレストに挑戦した冒険スキーヤー・三浦雄一郎が、究極のアンチエイジング・プロジェクトの全てを語る。次男・豪太「奇跡の生還」体験記も収録。
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幻色江戸ごよみ(宮部みゆき 著)

2008-10-03 15:37:36 | 読書
 宮部みゆきさんが雑誌のインタビューの中で、好きな短編集にあげていた本で、江戸の庶民の暮らし、その中での心のさざなみ、それに宮部さんの特徴の摩訶不思議な出来事も絡まって、興味深く読むことが出来た。

(抄録より)
怪異・怨霊、そして人の情。江戸の片隅で、貧しくも精いっぱい生きた人々の喜びと悲しみを、四季折々の風物とともにミステリータッチで描く珠玉の12篇。*
 
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小美代姐さん花乱万丈(群ようこ 著)

2008-09-06 12:40:27 | 読書
 読んでみたいと読みだしたら面白いが重なったら、私の悪い癖、一気読みをしてしまった。
いつもの寝る時間に寝なかったせいか、なかなか寝付かれず、とうとう今朝は朝寝坊。

 大正14年生まれの浅草育ちの美代子さんの半生記。
学校はきらいだが三味線は大好きの美代子さんが、花街の芸者さんの姿にあこがれて、芸者として生きるお話。母親に芸者になると「結婚は出来ないよ」と言われながらも結婚もし、子供も生まれ、夫の死で再び芸者生活に復活する。
こう書いたら苦労の半生記みたいだけど、群ようこさんのユーモアと軽快な文章で、時には笑いちょっと涙も浮かんで楽しく読んだ。

 読みながら美代子さんの役、フラガールの山崎静代さんが演じたらぴったりじゃないかなど、勝手にプロデュースしてみたり一人で面白がっていました。

(抄録より)
芸を極め、恋に生きる大正生まれの人気芸者・小美代。あるときは駆け落ちし、またあるときは東京大空襲を擦り抜ける。どんなときも明るく前向きに、激動の昭和を駆け抜けた女の半生記。書き下ろし。

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それ行け!トシコさん(群ようこ 著)

2008-08-31 12:58:15 | 読書
 群さんには珍しく重いテーマを選んでいるなと思ったら、中身はユーモラスで軽いタッチのまさしく、それ行け!トシコさん。

不倫の清算、デキタデ結婚、不幸な出来事で夫の5男が跡継ぎに、姑との確執、新興宗教、舅の介護、娘の非行化への心配、受験、ありとあらゆる現代の課題が盛り込まれて、徐々にトシコワールドを広げてがんばるトシコさん。

フレーフレートシコさん。
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あの戦争から遠く離れて(城戸久枝 著)

2008-08-29 21:57:18 | 読書
毎年8月15日頃になると太平洋戦争に関するドキュメンタリーとかドラマが放送される。
私も戦争のことは忘れてはならないという意識があるので、いつも何かは見るようにしている。

この本もT新聞で書評を見て、ぜひ読んでみたいと思った。
図書館へ検索を入れてみると運よく貸し出し可能になっていたので、さっそく借りて読んでみた。

第一部、第二部に分かれていて全部で460頁ある。

第一部は著者の父親で、中国残留孤児だった 城戸幹 氏(中国名 孫玉福)の中国で孤児になったいきさつ、文化革命のとき日本人の意識の芽生え、それによって大学進学も不可になり、一層日本への帰国を熱望するようになった過程。
長い根気のいる帰国への道のり、そして日本に帰ってからの生活が書かれている。

第二部は著者自身が中国にだんだんかかわっていく話になっている。
毎日夜遅くまで読みふけって、胸の詰まるような思いになった。
時々、はぁ~とため息をつきながら城戸幹氏の人生に思いをはせてしまった。
感動の一冊です。

  第39回大宅荘一ノンフィクション賞  受賞
  2008年度 黒田清JCJ新人賞  受賞

(抄録より)
日中の国交が断絶していた1970年に文化大革命のさなかの中国から命懸けで帰国を果たした28歳の日本人戦争孤児。
それが私の父だった。旧満州に飛び込み、10年がかりの旅の中で、娘がまるごと受け止めた運命の物語とは。

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しいちゃん日記(群ようこ)

2008-08-25 15:32:04 | 読書
 「ヒヨコの猫またぎ」ででてきた愛猫しいちゃんと隣の友人のシャム猫ビーちゃん(オス18歳)との日常を描いたものだ。
しいちゃんはひょんな事で群さんと生活をするようになったのだが、ねずみを捕るのが好きで、群さん以外の人には抱かれるのを嫌がるわがままな性格。

ビーちゃんとしいちゃんの仲間付き合い、ビーちゃんが最後に天国へ召された様子など、
猫のこともよくわかるし、まるで子供と付き合っているような心のぬくもりも伝わってくる。猫好きの人には心温まるエッセイです。

(抄録より)

ネコと接して親馬鹿ならぬネコ馬鹿になることを「ネコにやられた」という。
女王様ネコ{しい」と御歳18才の老猫「ビー」。今日もわが家はてんやわんや。
「クロワッサン」連載を単行本化。
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