前回の絵を描いた翌日もアンコールワットへ出掛けました。 寺院の前庭は広く、聖池などもあって、観光客の人たちがゆったり憩っていたりする中に小さな建物(多分経蔵?)がありました。 その建物の中に入った時に見つけた数珠を繋いだような形をした連珠窓が面白くてこれを入れてスケッチしたいと思いました。
この窓は連子窓と言われ、一般的には細長い木材を連続的に縦または横に、連ねた状態(連子)の窓のことを言い、寺院や神社で用いられることが多いそうです。 日本では、法隆寺、薬師寺、春日大社、大極殿の回廊等に用いられているとのこと。 仏教とともに遥か日本にもこの連子窓が伝わったのでしょうか・・・数珠を繋いだような形の連子窓は、アンコールワット独自のもののようです。
スケッチポイントを探していたところ、家族連れがやって来ておやつを広げて楽しそうに食べ始めました。 中学生くらいの可愛い女の子が前の方に座ったので、チョッとモデルになってもらって描きました。 少し離れた地域からアンコールワット見物に来たのだそうです。 恥じらう様子がとても可愛かったです。
ついでながら・・・
アンコール・ワットは、現在は上座部仏教寺院となっていますが、元々はヒンドゥー教寺院として建てられたものだそうです。 その歴史は古く、9世紀初頭に成立したクメール王国の王がアンコール周辺に都城を建設して王都にしたのですが、12世紀前半に即位した王(スーリヤヴァルマン2世)は、それまでの都城に代わり隣接地に新王宮を建設し、その南隣に国家鎮護のための新しいヒンドゥー教寺院を30年を越える歳月を費やして建設したそうです。 そして、それがまさに、アンコール・ワットなのですが、クメール建築の傑作とされるこの寺院は、16世紀後半にアンチェン一世の孫のソター王によって仏教寺院に改修されたという、長くて壮大な歴史を持ちながら現在に至っているそうです。
クメール語でアンコールは王都、ワットは寺院を意味するそうです。