『晴れた日には・・・』

日々の雑感を綴ります。

「自助努力せよ」ということか?

2024年06月09日 | 雑感

隣の地区で、大きな火災があった。

隣の地区、といってもうちの常会と隣り合わせ、

地区は違っても当然顔見知りだし、

隣接している(と言っても100メートルほど離れているが)家同士は当然交流もある。

我が家からも、数百メートルほどしか離れていない。

 

お昼時、街からの帰りに

我が家の方角から、大量の、異様に黒い煙が立ち上るのを見つけ

「あれは、絶対火事!」と、大急ぎで駆けつけたが、

人は誰も出ていない。

消防署に連絡はしてあるのだろうか?

どうして、人っ子一人いないのだろう?

 

「ねえねえ、119番したほうがいいよねえ。」

「もう、誰か、しているだろう?」

「だって、誰もいないじゃん!!」

 

そんなやり取りを主人としていると、

ようやく広報がアナウンスされ、

それを聞いた人たちが、慌てたように家から飛び出してきた。

すぐ近くの家の人ですら、「全然気づかなかった。」と言っていた。

古い木造住宅のせいか、あっという間に火が広がる。

 

広報が鳴れば、通常、近くの在宅している消防団員が駆けつけるのだが、

運が悪いことに、今日は団員たちの訓練の日で、

どこかに集まって、訓練中なのだという。

まだ、消防車は一向に来ない。

サイレンの音すら聞こえない。

 

数年前、天竜川沿い(国道沿い)にあった市の消防署は、

手狭になり、老朽化したこともあって上の段に移転した。

移転する際、消防署は広く上伊那地区をカバーする

上伊那広域連合管轄になって規模が大きくなり、

あらためて、各市町村に存在する消防署の出動する地区、範囲が定められた。

その際、うちの地区(天竜川から東、三峰川から南)は「高遠消防署」の管轄となった。

(大規模火災の時は、東伊那からも来る。)

以前の消防署からだったら、10分もあれば到着したものが、

高遠からは、優に20分はかかるのである。

 

広報を聞いて家から出てくるのは、じいさん・ばあさん、

それにお休みの子どもたち、母親たちが多く

そんな私達では、手の施しようがないが、

消防自動車はまだ来ない、消防団員も誰もいないとわかると、

何人かの「元消防団員」のおじさんたち数人が集まってきて、

Tシャツ・Gパン、あるいはスウェット、サンダル履き姿のままで

常会敷地外れに設置されたホース格納庫を開け、消火栓につなげ

昔取った杵柄、現役さながらの号令や合図で、消火を始めてくれた。

 

だが、たった1本のホースからの消火では、到底間に合わない。

 

私達が駆けつけてから20分ほどして、ようやく消防車が来て本格的な消火活動が行われた。

 

「火災発生」の広報第1報は、12時14分、

鎮火のお知らせは、15時47分だった。

 

「家のベランダから見守る」

 

もし、我が家が火事になったら・・・・・、

 

戦後まもなく、この常会には3つの貯水池が作られたが、

汲み上げるポンプは、ポンプ小屋から団員が持ってくるほかなく、

その作動は、知識のある団員しかできない。

 

手っ取り早いのが、消火栓だけれど、

今日のような土曜日や日曜日ならいいけれど、

若い団員や経験を積んだ中年元団員も、今はまだ働き盛り。

ポンプの出し方も、消火栓へのつなげ方も知らない

老人達ばかりの平日だったらどうしたらいいの?

 

「こりゃあちょっと、何か考えなくちゃあいけないねえ。」

「消防車が来るまで、自分たちでなんとかしなきゃあ、かねえ。」

「まずは、火を出さないこと!」(もっとも!!)

 

見守ることだけしかできなかった、じいさん、ばあさんたちの会話なのでありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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