It's difficult.
It's not so easy.
私は、Difficult という言葉が嫌いでした。
Not so easy と言って強がっていました。
プロジェクトは、仕事はいつでも困難でした。
投げだしたい気持ちを抑え込んで、歯を食いしばってきました。
ほとんどの人たちがそうして生きてきました。
Difficult と言ったって何にも始まらない。結果を残すしかありません。
囲碁で七冠を達成した井山さんは、選択肢があった時、
「難しい手を選択する」と言われていました。
難しい手ほど、苦しみます。
井山さんは、それが仕事と割り切られているような感じがしました。
誰もが予想できないことをやってのける。これが開拓者です。変人です。
地域おこしの成功例を、金丸弘美さんが、「田舎力」(NHK出版)という本で
紹介されていました。
どれも、切羽詰まったところから出発の地域おこしでした。
主人公は、どの例でも地域の住民でした。
都会から来た人ではありませんでした。
私は、ひたすら歩いて人と話すようにしています。
作物を作る人、加工をする人、販売をする人。
昨日は、文化財を守る人に会いました。
私は、住む人に会わなければなりません。
この地に住みながら、会社に勤めている人のことです。
90%の人は、この住む人です。
ここに住む理由は、人それぞれです。
私は、それぞれの理由を知らなければなりません。
田舎が嫌い。田舎が好き。
言っても始まらない。住むしかないから住んでいます。
DifficultもNot so easyも関係ないのです。
田舎を出た人も田舎を想っています。
私は、ここに真の気持ちが隠れているような気がします。
人が暮らす。生きる。後ろ向きに生きたい人なんていない。
田舎は、言ってみれば「難しい」の連続です。
分業ができない田舎です。皆がいろんな役をこなしています。
やらなければならないからです。
ここにヒントがあるような気がしてなりません。
皆さん、Not so easyと生きておられます。
Difficultなんて言ってられない現実です。
これが魅力です。パワーです。思いやりです。
地域おこしは、詳細から入るより全体から入った方が良いように思います。
詳細には、それぞれの事情があります。
住んでいる人の「こうしたい」から始めたい。
実はそれは代々続いていることです。
だから、田舎は美しい。Not so easy の結集であり連続です。
誰もdifficultと言って暮らしをやめてはいません。
私達は、さらに「難しいを選択」しなければならないのです。
やじろべえ ゆらゆらしても 動かない
2016年5月14日
2015年6月24日投稿記事「前に進もうとする力」を参照してください。