友人のお父さんが亡くなられました。
座椅子に座りひっくり返ったままのお父さんのことです。
友人が、起き上がれないのかと問いました。
起き上がっても何もすることがないから、このままでいた。
との答えでした。
いろうだけで生きておられました。
食事が細くなり、入院されてからのことです。
いろうを始めてから、めきめきと元気になったように見えた。
お父さんにもやることがありました。
亡くなられました。
友人は、正直ほっとしたとポツンと言いました。
お母さんは大丈夫ですかとの私の問いに、
何かぶつぶつと言っていると教えてくれました。
今日のテーマは、「善行を積む」です。
私達は、人を憎み嘲り(ばかにして笑う、広辞苑より)生きています。
少しでも、自分は人より偉いんだと思い込みたいからです。
情け深い人を見て、そこまでしなくてもと思います。
ボランティアに、よくやるなと感じます。
外国に行くと、トイレの前の行列やエレベーターから出る時に、
''After you''(あなたの番よ)と誰からともなく声がかかります。
ごちゃごちゃと並んでいるのに、
外国のご婦人はちゃんと順番が分っていらっしゃいます。
善行。(道徳にかなった行い、広辞苑より)
免許証の裏に、「臓器提供」の誓いを書きます。
自分にできる唯一の善行かなとも思います。
人は、死んだ時にその人の「ひととなり」が分かると言われます。
生きている時に、お礼が言えなくて伸び伸びとなった人達が、
最後の別れを告げます。感謝の言葉とともに。
きれいな人は、存在するだけで幸福感を人に与えてくれます。
よく笑う人は、周りを明るくします。
こんなことが、善行かなと感じます。
働く(傍を楽に)ことが、善行かなとも思います。
特別なことではありません。
背負われて 息子のためと 枝を折る
2016年5月27日