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*2014年5月25日撮影
アカシアの花が咲きました、というとき大抵はこの花のことです。
和名をハリエンジュ(針槐)といい、またの名をニセアカシアといいます。
ニセアカシアというからアカシアに似た樹木なのかと思えば、まったく違う樹木なのです。
ハリエンジュというからにはエンジュの仲間かというと、分類上は全然違うとされています。
北アメリカ原産で明治時代に渡来し、砂防などの目的で積極的に植えられました。
正式の学名の後半部分(種小名)を直訳するとニセアカシアなので日本でもそのように命名されました。
各地で増えていき親しまれるにつれニセアカシアでは言いにくいので、アカシアと省略されるようになったと思われます。
特に歌の歌詞にうたわれるときにはほとんど「アカシア」とされたので、アカシアという名が広まりました。
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*2014年5月25日撮影
アカシアはオーストラリアを中心に熱帯から温帯にかけて分布する樹木。
日本では「ミモザ」と呼ばれ黄色い細かい花がたくさん咲くフサアカシアや、黄色い花が小さい球状になるギンヨウアカシアなどが植えられています。
ネムノキに似た葉が特徴です。
ニセアカシアの和名をハリエンジュというのはエンジュに似た花で枝に刺があることによります。
外来の植物は名前も混乱することがあるという見本です。
ハリエンジュは外来種として在来種の生存に悪影響があるという見解があり伐採されることもあります。
一方でハリエンジュの花が蜂蜜の主要な蜜源となっている養蜂業者は保護を訴えていて、ここにも外来種問題の難しさが現れています。
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*2014年5月25日撮影
これは通称をベニ(紅)アカシアという、花が赤いニセアカシアです。
ベニバナハリエンジュとも言うようです。
たいへん珍しいという意見もありますが、けっこう目にするような気がします。