このところ漫画家の原稿料が安いという話題でネットの一部で盛り上がっていたりいなかったり、それを読んだり読まなかったりで僕もいろいろ考えさせられました。
昨日、飲み会で漫画家さんと話をしました。「5,000円はないよ」など。そして僕は、ある恐ろしい疑念に襲われたのです。
安い原稿料を提示される漫画家は、プロ扱いされていないのではないか?
つまり、ちゃんとしたプロの漫画家ではなく、アマチュアとプロの境目にいる微妙な立場の漫画家に対して、そういう超安い原稿料を提示するのではないか?という事です。内容にしたって、この漫画家さんでなくてはいけないというモノはないのです。誰が描いてもいいような、絵さえかければいいような内容で、とうぜん原作つき。「コレをこのまま描いてください」的な作品です。
要するに、プロ漫画家ではなく、ちょっと絵の上手いアマチュア漫画家さんに対して、原稿を依頼しているつもりなんじゃないだろうか、と思ってしまったのです。ちょっと怖いです。今まで自分では、いちおうプロ漫画家だと思っていたんですが、そういう考えを持ってからは、本当はどうなのか分からなくなりました。実際、あまり仕事もしてないしね。漫画家の証である「週刊連載」だってやった事がないし、オリジナルの自分のキャラが動き回り、自分の考えたテーマを語る、そういう漫画なんて最近は描いたことないし…。
それなら原稿料安くても、まあ分かります。そういうつもりならね。
今は、昔と違って漫画の仕事はたくさんあります。昔だったらデビュー前のアマチュア漫画家のような人でも、今なら端っこの仕事くらいはもらえるかも知れません。でも逆に言うと、危険な罠でもあるかもしれないと思うんですよね。そんな「端っこ」で安定なんてしようものなら…その人の漫画家人生、そこで終わりです。すぐに「プロ漫画家」と呼ばれたい!というあせりが、何年も…下手したら10年以上…あるいは一生をも左右する迷い道へと…。っていうか、僕の話ですよ!僕もヤバイなぁ。もっと大きく見ていかないと。大局を見誤ると大変なことになる気がします。
しかしまあ、まだ僕は幸せかも知れません。漫画描けるから。世の中には仕事がなくて困ってる人がたくさんいますからね。
そして、労働力が無くて困ってる人もね。今、農家では人手不足。中国人留学生の力を借りないと何もできない状態らしいです。留学生と言っても大学生というよりは、日本で農業を学んで、本国に帰って農業をやりたいって人たちね。今、農村には驚くほどたくさんの中国人が働いているのです。
やっぱり、ただ、人間さえいればいいという訳ではないって事でしょうかね。
ちゃんと農業をやると心に決めた人でなくてはいけない、という事かな。
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