そのカフェから『赤獅子』までは僅か数10mだった。だから店を出た瞬間に『赤獅子』がどうなっているのかがわかった。
入口に休憩用?の木製のベンチが置いてあり、傍らには植木鉢?の灰皿が置いてあり、店内には明かりが点いていた。
そして店内には1匹の“オス赤獅子”が居た。
どうやら店は開店したばかりのようだった。
“オス赤獅子”は店内の清掃に余念が無かった。
ウィンドーには冬用の今流行の女性用の帽子やキャップ等が飾られていた。確かに古着屋ではなかった。
店内に入ってみた。だけど荷物が邪魔だったので、入口付近の空いたスペースに荷物を置かせてくれと頼み店の外にでると、そのついでにタバコに火を点けてしばらく“オス赤獅子”を観察した。
ボクは数少ない情報を頼りにここまで来ていた。あの“オス赤獅子”は、ボクのターゲットである獲物なのか、そんな思いで観察を続けた。“オス赤獅子”は、ボクの行動に全く関心を示さず、奥から掃除機を持ち出してきて、ガーガーやり始めた。
まったくマイペースな『赤獅子』だぜ、酔っぱらっていい気になってたボクはそう思った。
掃除が終わった頃を見計らって店内に入った。
そして商品の物色を開始した。店内には昨日の“メス赤獅子”からの報告のとおり、『赤獅子』のオリジナルブランドのTシャツ及びシャツが置かれたてあった。
まず、その棚あたりを物色。しかし、最初に目にとまったのは、黒地に黄色文字でプリントされたオリジナルTシャツだった。
そのシャツには「NO BEER NO LIFE(ビール無しでは生きていけない)」と書かれてあった。ボクの嗅覚に間違いが無かったことが証明された瞬間だった。
“オス赤獅子”は、カウンターでナニゲのそぶりだった。
身長は180cm強。古びたスニーカーにジーンズ。黒のロングシャツに「ウェスタンラリアート20th?アニバーサリー(英語)」とか書かれた白のTシャツを重ね着し、トップは黒のハンチング帽子だった。顔面にはメガネとヒゲがあった。特に、カッコ良さは感じなかったし、彼が国内トップレベルの少年野球ブロガーであるという雰囲気は微塵も無かった。しかし、ボクは確信した。ゼッタイに間違いないと。この左門豊作をギュギュギューッと絞ったようなオヤジこそ、ボクが、追い求めてきた人物であると。
ボクのミッションは終わりに近づこうとしていた。
ボクは8点の商品をカウンターに載せ精算を頼んだ。
それなりの金額になってしまっていて、現金で払うかズイブン迷ったが、ここである少年野球オヤジの男気を有効に使わせてもらった。
値札を丁寧にはずしてくれる店長に、ボクは簡単にイキサツを話した。
店長は、手を止めるとニッと笑って「私がmetooです」と自己紹介してくれた。
それから店の外に出て、しばし歓談。
metooさんの目下の悩みは、シーズンオフになるとネタ薄になることだった。
そして、少年野球には少年野球の数だけ、悩みや困難、嬉しさ、愛があると、そんなことを語ってくれた。
最後に別れの挨拶をすると、metooさんは帽子を取ってお辞儀をしてくれた。半伸びした坊主頭に野球オヤジの片鱗が見て取れて嬉しくなった瞬間だった。
ボクはまだ酔っぱらっていた。
今、ボクの手元に一枚の名刺がある。
「REDLION T-SHIRT SHOP」と書かれてある。
metooさん、ありがとう。
入口に休憩用?の木製のベンチが置いてあり、傍らには植木鉢?の灰皿が置いてあり、店内には明かりが点いていた。
そして店内には1匹の“オス赤獅子”が居た。
どうやら店は開店したばかりのようだった。
“オス赤獅子”は店内の清掃に余念が無かった。
ウィンドーには冬用の今流行の女性用の帽子やキャップ等が飾られていた。確かに古着屋ではなかった。
店内に入ってみた。だけど荷物が邪魔だったので、入口付近の空いたスペースに荷物を置かせてくれと頼み店の外にでると、そのついでにタバコに火を点けてしばらく“オス赤獅子”を観察した。
ボクは数少ない情報を頼りにここまで来ていた。あの“オス赤獅子”は、ボクのターゲットである獲物なのか、そんな思いで観察を続けた。“オス赤獅子”は、ボクの行動に全く関心を示さず、奥から掃除機を持ち出してきて、ガーガーやり始めた。
まったくマイペースな『赤獅子』だぜ、酔っぱらっていい気になってたボクはそう思った。
掃除が終わった頃を見計らって店内に入った。
そして商品の物色を開始した。店内には昨日の“メス赤獅子”からの報告のとおり、『赤獅子』のオリジナルブランドのTシャツ及びシャツが置かれたてあった。
まず、その棚あたりを物色。しかし、最初に目にとまったのは、黒地に黄色文字でプリントされたオリジナルTシャツだった。
そのシャツには「NO BEER NO LIFE(ビール無しでは生きていけない)」と書かれてあった。ボクの嗅覚に間違いが無かったことが証明された瞬間だった。
“オス赤獅子”は、カウンターでナニゲのそぶりだった。
身長は180cm強。古びたスニーカーにジーンズ。黒のロングシャツに「ウェスタンラリアート20th?アニバーサリー(英語)」とか書かれた白のTシャツを重ね着し、トップは黒のハンチング帽子だった。顔面にはメガネとヒゲがあった。特に、カッコ良さは感じなかったし、彼が国内トップレベルの少年野球ブロガーであるという雰囲気は微塵も無かった。しかし、ボクは確信した。ゼッタイに間違いないと。この左門豊作をギュギュギューッと絞ったようなオヤジこそ、ボクが、追い求めてきた人物であると。
ボクのミッションは終わりに近づこうとしていた。
ボクは8点の商品をカウンターに載せ精算を頼んだ。
それなりの金額になってしまっていて、現金で払うかズイブン迷ったが、ここである少年野球オヤジの男気を有効に使わせてもらった。
値札を丁寧にはずしてくれる店長に、ボクは簡単にイキサツを話した。
店長は、手を止めるとニッと笑って「私がmetooです」と自己紹介してくれた。
それから店の外に出て、しばし歓談。
metooさんの目下の悩みは、シーズンオフになるとネタ薄になることだった。
そして、少年野球には少年野球の数だけ、悩みや困難、嬉しさ、愛があると、そんなことを語ってくれた。
最後に別れの挨拶をすると、metooさんは帽子を取ってお辞儀をしてくれた。半伸びした坊主頭に野球オヤジの片鱗が見て取れて嬉しくなった瞬間だった。
ボクはまだ酔っぱらっていた。
今、ボクの手元に一枚の名刺がある。
「REDLION T-SHIRT SHOP」と書かれてある。
metooさん、ありがとう。