1時間泣き続けたリョー坊は、夕食の時にはケロリとした顔になっていたけど、まぶたがズイブン腫れ上がっていて、ことあるたびに、「目が重い、なんか目が重い」と呟いていた。
先に夕食を済ませたボクは、「リョー坊の大泣き事件」をバカブログに記録しながら、その呟きを聞いていた。
記録をアップさせたあと、リョー坊に言った。
「バッティングセンターにでも行くかぁ?」
「うん」
「じゃぁ、体、温めろ」
リョー坊は、ディスニーランドに旅立つ数日まで、旅行にはバットを持って行って夜はホテルで素振をりすると言っていた。
だけど、当日の荷物にバットケースは無かった。
「あれ、リョー坊、バット持って行くんじゃなかったと?」
気分は既に夢の国状態のリョー坊に意地悪な質問をしてみた。
「そりゃ無理でしょう~」
リョー坊は行ってきますも言わずに、祖父さんの車に乗り込んだ。
夢の国にいる2日間は、リョー坊には野球のことを1度も思い出してもらいたくなかった。
とにかく精一杯楽しんでくれればそれでいいと思って見送った。
リトルリーグに入ってこの1年、リョー坊は子供らしい遊びを殆どしていなかった。
ほぼ毎週末、朝から夕方まで練習。
練習に行きたくない日だってあったかもしれない。
ボクの記憶では、練習に参加できなかったのは、次女のホースケとケンカして足を打撲したそのときくらいで、その日だって、マジメに見学していたのだ。
野球以外でリョー坊と一緒に遊んだのは、ちょうど1年前に松井秀喜ベースボールミュージアムに行ったことと、夏に一度だけ魚釣りに行ったこと、それとトランスフォーマーを観に行ったこと、そんなもんだろう。
バッセンでは、とりあえず100キロを2ゲームやった。
ゲージから出てきたリョー坊の表情は硬かった。
「どうする?」
「120キロする」
「ふ~ん」
120キロのゲージに向かうリョー坊に注目が集まる。
空振りが続いた。
いい当たりは数本といったところか。
ゲージから出てきたリョー坊の表情はやはり硬い。
「もう1回する」
リョー坊に100円硬貨二枚を渡した。
幾人かの人に、「スゴイですね」と声を掛けられた。
しかし、ゲージから出てきたリョー坊の表情は硬かった。
「どうする?」
「80キロする」
「んじゃぁ80キロで終わりばい」
「うん」
帰りの車中で、リョー坊に言った。
「今日は、たいぎゃ勉強になったろ」
「うん」
「また、明日からた」
「うん」
先に夕食を済ませたボクは、「リョー坊の大泣き事件」をバカブログに記録しながら、その呟きを聞いていた。
記録をアップさせたあと、リョー坊に言った。
「バッティングセンターにでも行くかぁ?」
「うん」
「じゃぁ、体、温めろ」
リョー坊は、ディスニーランドに旅立つ数日まで、旅行にはバットを持って行って夜はホテルで素振をりすると言っていた。
だけど、当日の荷物にバットケースは無かった。
「あれ、リョー坊、バット持って行くんじゃなかったと?」
気分は既に夢の国状態のリョー坊に意地悪な質問をしてみた。
「そりゃ無理でしょう~」
リョー坊は行ってきますも言わずに、祖父さんの車に乗り込んだ。
夢の国にいる2日間は、リョー坊には野球のことを1度も思い出してもらいたくなかった。
とにかく精一杯楽しんでくれればそれでいいと思って見送った。
リトルリーグに入ってこの1年、リョー坊は子供らしい遊びを殆どしていなかった。
ほぼ毎週末、朝から夕方まで練習。
練習に行きたくない日だってあったかもしれない。
ボクの記憶では、練習に参加できなかったのは、次女のホースケとケンカして足を打撲したそのときくらいで、その日だって、マジメに見学していたのだ。
野球以外でリョー坊と一緒に遊んだのは、ちょうど1年前に松井秀喜ベースボールミュージアムに行ったことと、夏に一度だけ魚釣りに行ったこと、それとトランスフォーマーを観に行ったこと、そんなもんだろう。
バッセンでは、とりあえず100キロを2ゲームやった。
ゲージから出てきたリョー坊の表情は硬かった。
「どうする?」
「120キロする」
「ふ~ん」
120キロのゲージに向かうリョー坊に注目が集まる。
空振りが続いた。
いい当たりは数本といったところか。
ゲージから出てきたリョー坊の表情はやはり硬い。
「もう1回する」
リョー坊に100円硬貨二枚を渡した。
幾人かの人に、「スゴイですね」と声を掛けられた。
しかし、ゲージから出てきたリョー坊の表情は硬かった。
「どうする?」
「80キロする」
「んじゃぁ80キロで終わりばい」
「うん」
帰りの車中で、リョー坊に言った。
「今日は、たいぎゃ勉強になったろ」
「うん」
「また、明日からた」
「うん」