・・・ズズズーン。
真っ暗闇に地鳴りが響く。
トンネルなのか?。・・・違う。
鉱山の地下坑道だ。
地鳴りは採掘現場からの発破音。
地下坑道を大型のホイルローダーが鉱石を積んで走っていく。
金鉱石だ。世界は空前の資源高。金も高騰の一途だった。
ヘルメットをかぶった数人の男が坑道を歩いている。ヘッドランプが点灯している。
一人の男の腰には拳銃よろしくハンマーがぶら下がっている。
男たちは坑道から外に出る。岩と苔類がみすぼらしく生えているだけの荒野が広がる。
アラスカだ。短い夏を迎えようとしていた。
男たちは冗談を交わしているようだった。
防護マスクとゴーグルをはずすとハンマーの男は東洋人的風貌。
一人の男が東洋人に言葉をかけた。
「なぁ、ニシ、たまにはどうだ、つきあえよ」
「いや、スマン、先約があるんだ」
別の男が口を挟む。
「コイツは、家じゃぁ、女房役なんだよ、いつも」
ニシは鉱山地質技師。日本の商社と鉱山会社が30%ずつ出資して開発した金鉱山に勤務している。1年が経とうとしていた。彼は元甲子園球児だった。
真っ暗闇に地鳴りが響く。
トンネルなのか?。・・・違う。
鉱山の地下坑道だ。
地鳴りは採掘現場からの発破音。
地下坑道を大型のホイルローダーが鉱石を積んで走っていく。
金鉱石だ。世界は空前の資源高。金も高騰の一途だった。
ヘルメットをかぶった数人の男が坑道を歩いている。ヘッドランプが点灯している。
一人の男の腰には拳銃よろしくハンマーがぶら下がっている。
男たちは坑道から外に出る。岩と苔類がみすぼらしく生えているだけの荒野が広がる。
アラスカだ。短い夏を迎えようとしていた。
男たちは冗談を交わしているようだった。
防護マスクとゴーグルをはずすとハンマーの男は東洋人的風貌。
一人の男が東洋人に言葉をかけた。
「なぁ、ニシ、たまにはどうだ、つきあえよ」
「いや、スマン、先約があるんだ」
別の男が口を挟む。
「コイツは、家じゃぁ、女房役なんだよ、いつも」
ニシは鉱山地質技師。日本の商社と鉱山会社が30%ずつ出資して開発した金鉱山に勤務している。1年が経とうとしていた。彼は元甲子園球児だった。